私の好きな山田正紀の、今回は短編集です。全体構造として大雑把に分けると前半と後半の二部構成になっています。
※山田正紀『フェイス・ゼロ』竹書房文庫/2021年6月25日初版第一刷発行
前半はごく短い、いわゆる『ショート・ショート』という作品を6編集めたものになっています。どれもアイデア勝負のごく短い作品です。
※山田正紀『フェイス・ゼロ』竹書房文庫/2021年6月25日初版第一刷発行
前半はごく短い、いわゆる『ショート・ショート』という作品を6編集めたものになっています。どれもアイデア勝負のごく短い作品です。
〈前半6編の構成〉
1.溺れた金魚
2.夢やぶれて(あるリストラの記録より)
3.トワイライト・ジャズ・バンド
4.逃げようとして
5.エスケープ・フロム・ア・クラスルーム
6.TEN SECONDS
タネ明かしをしてしまうと『物語の語り手だったワタシは既にもう死んでいました』という話が多く収められています(ヒトが死んだ後も意識って残るンだろうか❔その事の方がワタシには気になりました)。
それらのストーリーは、昔あった白黒テレビ番組『トワイライト・ゾーン』に触発されたかのような作品が多いのです。あ、作者の年代のヒトには邦題として設定されていた『ミステリー・ゾーン』の方がなじみ深いことでしょう。
書評にも『この作品を、山田正紀によるかの番組への挑戦状ではないだろうか・・・と思って読み出した読者は、やがて、あの白黒映像を遥かに超えた、とてつもない驚きに襲われることになるのですが、それはまぎれもなく・・・山田正紀ゾーンなのです』とあります。楽しんでください。
さて、ここからは書評を離れてミステリー・ゾーンに関する私の思い出を記してみます。
ほとんど忘れてしまいましたが、ひとつ覚えているのが二次元人のエピソードです。次元の裂け目から切り紙細工のような姿をした二次元人がやってきます。
※らくがき・・・私の記憶の二次元人(眼が4つある❗切り紙細工のようでカラダに厚みがなく、壁をスイスイ通り抜けられる)
不気味な外見とはうらはらに敵対的ではなく、博士は帰り道がよく分かるよう二次元人に眼鏡をプレゼントするのです。今まで壁を通り抜けていた二次元人が眼鏡(モノクル)を着けた途端に(カラダに厚みができて)壁を抜けられなくなるシーンがなぜか印象に残っています。
近年スピルバーグ監督の手で映画版が作られましたが、白黒時代の暖かみのある特撮が楽しめるシリーズだったと思います。
後半を彩る各作品については次回また記すことに致します。乞うご期待。
(つづく)