しろみ茂平の話

郷土史を中心にした雑記

ハミ(まむし)を食う

2022年02月26日 | 食べもの

昭和30年代、茂平の実家には庭先に畑で獲ったハミを竹の串にさし日干ししていた。
「焼いて食べりゃぁ精が出る」ゆうて。
殺すか、生でとるか。

堂面とうつろに多かった。

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父もだが、祖父は特に好物だった。
が、当時の生活では、捕ったものを食べるより、売ってお金にした方がいいと、
一升瓶に入れてハミがたまったら売りに出すようになった。


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(母の話)

二人おりゃあえんじゃ。
一升瓶を畑に用意しとく。今でも堂面にゃもっとる。ほれで頭の先からビンにいれるんじゃ。
そうすりゃぁ生で獲れる。


誰か人間が見ょうたら逃げん。ジーとしとる。
見なんだら、その隙にすぐ逃げる。

あんげいとっさじゃったら、棒きれで殺すしかねぇ。逃がしたらきょうてぃ。
堂面は何回獲ったかもしれん。

(ハウス)いちごを作りょうた時にゃぁ、鼠が多いんでネズミ捕りを置いとった。鼠は隅、隅を歩くんでそこへ置いとったら、今日は重てぃのう思うたらハミが入っとった。
堂面は畑にもゲシにもおる。うっかりゲシも刈られん。

うつろにゃ石垣を整地したとき、そんなかに5匹も6匹もおった。冬眠しょうた。

稲の中にもおる。稲の中におったらわからん。

麦を刈りょうたら、その中にもおった。まんまるうなっとった。あの時lは殺したかのう。

昔、賀山のおしいさんは稲のごんどうばぁじゃいけんけい株取りゆうてそりょぉしょうた時かまれた。すぐ病院に行った。まんが悪けりゃ死なにゃあいけん。
今でこそ軍手をはめとるが、昔ぁみな素手じゃったろう。油断なりゃあへん。

吉本の下の道も舗装しとるが、その前は「真ん中を歩けい」ようた。長靴をはいて歩けいゆたようたろう。夜道の真ん中でも噛まれることがある。道の真ん中へ水を飲みに出る。うん。

ハミはおそろしい。荒れたところへおる。そわぁなんで。

談・2001年10月7日

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祖父ははみを生食いしていた。私自身は現場の記憶は無いが。
近所では、何人か見ていてちょっとだけ知られていたようだ。


はみの生食い (母の話)


祖父のこと。

(頭を叩いて殺したばかりの)ハミの頭を押えてから皮をむいで、腹を(畑にある、鎌などで)真ん中から切ってドフを飲み込みょうた。
そりゃぁ精になろう。まだ生きとったばぁじゃけい。そりょぉ呑みょうたんじゃけぃ。

堂面の畑で2001年12月1日 母の話。


そしてそのハミは家に持ち帰られ串刺しして天日で干していた。その光景は僕が子供の頃からずっと見ていた。
そういう行為を、畑の真ん中で祖父は何度もしていたようだ。そのおかげか100才まで生きた。


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タバコを吸う

2022年02月26日 | 食べもの

ユーチューブで昔の映画スターを見ると、
裕ちゃんやトニー(赤木圭一郎)はスタジオでタバコを吸いながら歌っている。
ああいう時代があったなあ。

日本人は30年くらい前からタバコを吸わないようになった。
アメリカが早く禁煙国家になり、日本も真似してそうなった。

これは、戦後まもない時の田舎のタバコを吸う苦労話。
当時、町では「モク拾い」を糧にする人がいた。


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たばこを吸う

(父の話)

たばこ
昔はみんなキセルじゃ。
手でもんでのう。

上品なもんがマキを吸ようた。
ほとんどがキセルじゃ。
としよりは全部キセルじゃ。

談・2000・12.24

戦後すぐの頃は

(兵隊の時は「あった。」、けど戦後すぐは)
ありゃあせん。
(たばこ農家から)金をだして、苗をうえておおきゅうなったら葉っぱをちぎり、陰に干して、せいで、もんで吸ようた。
くせえだけじゃ。くすぼるだけじゃ。

せぃとぽんぽんの葉を、あの葉をとって陰干しにして吸ようた。あの葉は身体に悪ぅねぃけぃのう。畑のほとりにはえとる。・・・ホントどぅ。
せいでもちぃと喉をとおれば、タバコを吸うたようにあった。

談・2000・10・8


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昭和30年代、40年代、
祖父はずっときざみタバコを吸っていた。
祖父は畑に行く時は、腰にタバコ入れをぶら下げていた。

父は両切りの「しんせい」を吸っていた。

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お祖父さんはキセルをポンポン




(姉の話)

詰めるのが楽しみじゃったんじゃろうね。(きざみを手にとる。適量。おもむろにキセルに詰める。火をつける。・・・、そういう間合い。)
そう思っておじいちゃんを見ょうた。

煙管の先が詰まった時は、ほじくる物をだして。そして(嬉しそうなそぶりで)詰まったもの(タバコのヤニ)を出していた。
キレイにしたら、それからまた。タバコを詰めていた。火をつけて「は~~~」っと、満足そうに。

それで二三べん吸ったら、ポンポンと叩いていた。

おじいさんの吸うタバコは(今のマイルドセブン等の匂いと違い)いい匂いがして、きらいじゃなかった。

最後のへん(亡くなる前の頃)は危ないから止めた。


談・2002年1月25日


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羅宇屋(らうや)
煙管(きせる)は、「火皿」「羅宇」「吸い口」という部品でできています。
羅宇は使っているうちに、ヤニがつまったり折れたりするので、羅宇を修理したり、新品と取り換えたりします。
羅宇屋は熱い水蒸気でつまりを取り除いたほか、新品の煙管も売っていました。
「昔のお仕事大図鑑」 日本図書センター  2020年発行


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