ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
現在、 フジロック ブログ と化しています。

キャロル・キング&ジェイムス・テイラー@武道館 その1

2010-04-24 14:03:53 | SSW
CAROLE KING / THE CARNEGIE HALL CONCERT ~ JUNE 18, 1971

「すぐ戻るわね」。彼女がステージを去るとオーディエンスは沈黙の中で息を呑む。数秒後、ファンは金切り声を上げる。彼女がアコースティック・ギターを従えた長年の友人であるジェイムス・テイラーと一緒に戻ってきたのだ。
(キャロル・キングのライヴ・アルバム「THE CARNEGIE HALL CONCERT ~ JUNE 18, 1971」のライナーノーツより抜粋)

ーーーーーーーーー

2010年4月14日、武道館。キャロル・キング&ジェイムス・テイラーの来日公演初日、開演時間を少し過ぎたところで客電が落ち、ステージの袖口から二人が手を繋いで現れました。まだ誰も居ないステージにふらっと二人が現れた感じ。その瞬間、あの頃の空気もふわっと舞い込んできたような…。あの頃というのは、キャロル・キングがカーネーギー・ホールでコンサートを開いた1971年の頃。もちろんその頃に比べれば二人は年月相応の歳をとりました。ですがその姿から、若き頃、カーネギーホールでのアンコールにジェイムス・テイラーを連れて戻ってきたキャロル・キングを想像させられました。

あ~、本物だ!! あの二人だ!!

ピアノの前に座るキャロル・キング、そしてギターを手にするジェイムス・テイラー。1曲目は「Blossom」。まずはジェイムス・テイラーの曲から。70年リリース作「SWEET BABY JAMES」収録曲ですね。キャロルのピアノをバックにジェイムスが歌う。その歌声はあの頃と変わらない程に優しく、暖かく、そして艶やか。続いてキャロル・キングの「So Far Away」。71年の歴史的名盤「TAPESTRY」からのスロー・ナンバー。この曲をジェイムスのギターで聴けるのも感無量ですが、それ以上に彼女が “ソ~ファ~ラウェイ~” と歌い出した瞬間、その歌声にグッときちゃいました。若い頃は「そばかす声」なんて評されてましたが、その魅力は70歳が近づいた今も変わりません。決して抜群の歌唱力!って訳ではないのですが、彼女にしかないソウルフルな魅力がありますよね。

ここまで二人の他にはリー・スカラーのベースだけでしたが、ここでギタリストのダニー・クーチマーが紹介され、彼の作となる「Machine Gun Kelly」。元々はダニーが率いたバンド、ジョー・ママのデビュー・アルバムに収録された曲ですが、71年にジェイムスが「MUD SLIDE SLIM AND THE BLUE HORIZON」でカヴァーしているので、ここではジェイムスが歌います。それにしてもダニー・コーチマーは渋いですね~。良いギター弾いてました!

セット・リストはジェイムスとキャロルの曲が交互に近いかたちで披露されていきます。バックにはラス・カンケル(ds)、リー・スカラー(b)、ダニー・コーチマー(g)というセクションの面々。今回のライヴはキャロルとジェイムスの共演というだけでなく、バックにこのセクションが付くということがまたスペシャルなんですよね。ジェイムス・テイラーのバック・バンドとしてあまりにも有名ですが、ダニー・コーチマーはあの頃のキャロルを支えたギタリストでもあります。それにしてもこの3人の繰り出す、洗練されつつも暖かく、そしてふくよかなリズム!! 堪りませんね~。

さらにキーボーディストのロビー・コンドールが多彩な音色でサポートし、3人のバック・コーラス隊がハーモニーを添える。ときにアコーディオンやヴァイオリンなんかも登場しました。そしてそれらをキャロルのピアノと、ジェイムスのアコースティック・ギターが引っ張っていく。特にジェイムスのアコギは上手いですね~。サラッとしたしなやかさの中にブルージーな味わいがある。流石でした。そんな極上サウンドのなか、あの名曲の数々を二人の歌声で聴く。なんという贅沢!!

そしてこの二人が醸す空気感がまた良いんですよね。キャロルがジェイムスの隣に腰掛けて歌った「Crying In The Rain」の素晴らしかったこと。この曲はキャロルがブリル・ビルディング時代にハワード・グリーンフィールドと共作し、エヴァリー・ブラザーズに提供された大名曲ですね。ジェイムスによるカヴァーも有名ですが、まさかキャロルとジェイムスのデュエットで聴けるとは! 肩を寄せ合うように歌う二人の仲良さそうな姿がね~、なんか羨ましくなっちゃいました。

「Mexico」の後には、客席からリクエストが飛んだのでしょうか? 「あれはゴフィンと作った曲ね」みたいな、あくまでも雰囲気ですけど…、そんなキャロルの声の後に、「確かこんな感じだったかな?」みたいな感じでジェイムスが「Pleasant Valley Sunday」のさわりをギターの弾き語りでちらっと歌ってみると、それを引き継ぐようにキャロルがピアノの弾き語りでサビを歌ってみたり。

また、観客から “I love you Carole !” みたいに叫ばれ、照れ笑いを浮かべるキャロルを観てすかさずジェイムスが “I love you too Carole” みたいな感じにキャロルへ語りかけたり。また演奏中にふざけるジェイムスを観て、キャロルが楽しそうに笑ってたり。そんなちょっとした瞬間に感じられる、ライヴならではの親密感が素敵でしたね。それにしてもジェイムスはダンディな雰囲気を醸しながらもウィットに富んでると言うか、ちょっぴりお茶目な感じで面白かったですね。観客から意味不明な声援が飛んだ時も、妙に流暢な日本語で「すいませ~ん、分かりませ~ん」と言って笑いをとっていました。

そんなジェイムスに比べ、キャロルは元気でアクティヴな印象。どちらかと言うとピアノの前でしっとりと歌うイメージがありますが、もちろんそんな素敵なキャロルもたっぷり堪能させて頂きましたが、それだけではありませんでした。例えばジェイムスの「Shower The People」ではピアノを離れコーラス隊の列に並んでハーモニーを付けてみたり。アップ・テンポの曲では鍵盤をロビー・コンドールに任せ、ステージ狭しと動き回りながら歌ってみたり。なかでも前半のハイライトとなった「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」は圧巻でした。元々はアレサ・フランクリンに提供されたゴフィン&キングの名曲。彼女のセルフ・カヴァーが「TAPESTRY」にも収録されてますが、私としては正直、この曲はアレサが歌わなくちゃ…、みたいな気持ちがあったりもしました。ですがマイクを握り身体全体で歌うかのようなキャロルの人間味溢れる熱唱に圧倒されました。サビを観客に歌わせるエンターテイナー振りも含めて素晴らしかった!!


なんか、ちょっと長くなったので、次回に続きます


ーセットリストー

01. Blossom
02. So Far Away
03. Machine Gun Kelly
04. Carolina In My Mind
05. Way Over Yonder
06. Smackwater Jack
07. Country Road
08. Sweet Seasons
09. Your Smiling Face
10. Song Of Long Ago
11. Long Ago And Far Away
12. Beautiful
13. Shower The People
14. (You Make Me Feel Like) A Natural Woman

ー休憩ー

15. Copperline
16. Crying In The Rain
17. Mexico
18. Sweet Baby James
19. Jazzman
20. Will You Love Me Tomorrow?
21. Steamroller Blues
22. It's Too Late
23. Fire And Rain
24. I Feel The Earth Move
25. You've Got A Friend

ーアンコールー
26. Up On The Roof
27. How Sweet It Is (To Be Loved by You)
28. The Loco-Motion

*既に記憶が曖昧です。曲目等間違いがありましたらごめんなさい。特に二人の会話につきましては、私は英語がまったくダメですので、イメージと言うか雰囲気を味わって頂ければ幸いです。

キャロル・キング&ジェイムス・テイラー@武道館 その2

白イチゴのタルト

2010-04-24 01:26:57 | 余話
キルフェボンの「白イチゴのタルト」です!! ワンカット 1,575円です!!

たかがケーキの1切れに1,575円を払うのはかなり勇気がいりましたが、昨日は妻の誕生日だったので、思いきって買ってみました。こんな時ぐらいしか白イチゴというものを食べる機会も無いでしょうからね。

いや~、美味しかったです。白イチゴは赤いイチゴに比べて甘みは少ない感じでしたが、フレッシュな爽やかさがあって、ババロワ的な部分とタルトとの一体感も素晴らしく、流石はキルフェボンです。見た目も可愛らしいですしね。

で、久々の更新がケーキの話題ですか? ジェイムス・テーラー&キャロル・キングのライヴ・レポはどうした?って感じですが、すいません…、さぼり気味で。ジェイムス&キャロルについては明日にでもアップしますのでお楽しみに!

そう言えば、フジロックまであと100日を切ったの知ってました?