ルーツな日記

ルーツっぽい音楽をルーズに語るブログ。
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グラミー・ノミネート:トロンボーン・ショーティ

2010-12-13 00:32:35 | ソウル、ファンク
TROMBONE SHORTY / BACKATOWN

今年もやりますよ!グラミー・ノミネート特集。どこまでやれるかは分かりませんが…。例年ならまず主要部門を押さえてから、って感じなんですけど、今回はもう、いきなりルーツな趣味全開で行きたいと思います。という訳で、第一弾はニューオーリンズの新時代を担う若手にして既にベテラン並みのキャリアを持つ、トロンボーン・ショーティ!! 彼が今回ノミネートされたのは『 Best Contemporary Jazz Album』。そのノミネート作品は以下の通り。

The Stanley Clarke Band / The Stanley Clarke Band
Joey DeFrancesco / Never Can Say Goodbye
Jeff Lorber Fusion / Now Is The Time
John McLaughlin / To The One
Trombone Shorty / Backatown

どうですか?いきなり水をさすようで申し訳ないですが、正直な話、私の希望と本命は上原ひろみが参加したスタンリー・クラーク・バンドです。つい先日まで日本ツアーで盛り上がっていましたしね。私もブルーノート東京で観ましたけど、それはもう素晴らしかったですよ! ま、その話はまたいずれ書くといたしまして、その彼等と入れ替わるように来日するのがトロンボーン・ショーティ&オーリンズ・アヴェニューなんです。もうそのライヴも間近、と言うより明日なんですけどね。いや~、楽しみです!という訳で、今日の気分はトロンボーン・ショーティなのです!

さて、今やニューオーリンズを代表するトロンボーン奏者となったトロイ・アンドリュース、またの名をトロンボーン・ショーティ。1986年生まれだそうですから、まだ20代ですよ! かのジェシー・ヒルの孫という血統であり、兄のジェイムス・アンドリュースもニューオーリンズのトップ・トランぺッターという音楽一家のサラブレッド。これまでもニューオーリンズ産の作品の至る所で彼の名を見かけてきましたし、その人気ぶりはまさにニューオーリンズに愛されたトロンボーン奏者(トランペットも吹くし、スーザフォンも吹く。ドラムも叩く)といった感じ。しかし私のなかでは、それはあくまでも「ニューオーリンズの」という位置に留まる印象でした。

しかし最近、彼のプロフィールを見ると必ずと言って良い程「U2、グリーン・デイ、レニー・クラヴィッツなどと共演してきた」みたいなことが書かれています。でも私なんかは逆にそっち系の音楽はほとんど聴かないので、え?そうなの?って感じで…。トロンボーン・ショーティと言えば、兄ジェイムスとの共演作「12 & SHOTY」とか、ファッツ・ドミノのトリビュート作とか、カーミット・ラフィンズとか、ニューバース・ブラス・バンドとか、その辺りの参加作品における、ニューオーリンズ臭濃厚なプレイを思い出すばかりなので、メジャーなロックと絡めての紹介のされ方って、個人的には違和感あるんですよね~。

で、そんな風に日本でもトロンボーン・ショーティが注目され始めたきっかけは、やっぱりフジロックですよね。今年のフジロックにトロンボーン・ショーティの出演がアナウンスされたときは驚きました。あのトロイ・アンドリュースがフジに? しかも明るい時間帯のオレンジ・コート辺りかと思いきや、フィールド・オブ・ヘヴンでデレク&スーザンの前という絶好のポジションですよ! 正直、お客さんがちゃんと観に来てくれるのか心配になりました。しかし実際に蓋を開けてみれば、直前にリリースされた最新作「BACKATOWN」の出来映えもあってか、かなり盛り上がったようで。残念ながら私はジョン・フォガティを観るため山を降りたので観れなかったんですけど…。しかもその日の深夜、パレス・オブ・ワンダーという小さなテントのようなステージでも彼のライヴがあり、これがまた半端ない程の格好良さだったとか。私の周りには、パレスのショーティー君を今年のベストアクトに挙げる方もいらっしゃった程で。で、そんな盛り上がりが冷めやらぬうちにまさかの単独来日。嬉しいですよね~。私にとっては、フジで見損なった噂のライヴがようやく観れるという、これはリベンジでもあるのです!

注目はやはり最新作「BACKATOWN」で聴かせるあの強靭な最新鋭ニューオーリンズ・ファンクが生でどう響くか? この「BACKATOWN」というアルバムは、確実にニューオーリンズ・ファンクをワン・ステップ上げる力を秘めていると思います。プロデュースを務めたのはギャラクティックのベン・エルマン。ヒップ・ホップをも飲み込んだファットなリズムと新感覚なミクスチャー加減はギャラクティックの最新作「YA-KA-MAY」にも通じます。もちろんトロンボーンを中心にしたホーン陣が最高なのは言わずもがなですが、ニューオーリンズならではのガンボな感覚がいよいよ新時代に突入したような、強力なミクスチャー・ファンク振りに打ちのめされます。しかもただ力強いだけではなく、どこか哀愁を感じさせらますから、その辺りは流石のキャリアが成せる技なのかもしれません。そしてどんなに現代的なサウンドを提供しようとも、その底流には彼が吸ってきたニューオーリンズの空気が濃厚に染み付いているのです。そんなニューオーリンズ臭はライヴとなればさらに増してくるでしょうから、それも楽しみですね。

それにしてもトロンボーン・ショーティの活躍ぶりというか、羽ばたきぶりには驚かされます。まさかグラミーにまでノミネートされるてしまうとは! そしてフジロックって良いところ突いてきますよね。よくぞあのタイミングでトロンボーン・ショーティに目を付けたなと。ま、とにかく明日が楽しみです!あ、もう今日ですね…。



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