という訳で、上原ひろみさんのコンサートを観に、東京オペラシティに来ています。なんかクラシカルな雰囲気で素敵なホールです。果たしてどんなライヴになるのやら。もうすぐ始まります。楽しみ! しかし、ステージが遠いいな…。
STANLEY CLARKE TRIO WITH HIROMI & LENNY WHITE / JAZZ IN THE GARDEN
去る11月28日、スタンリー・クラーク・トリオ、正確には STANLEY CLARKE TRIO with HIROMI & LENNY WHITE を観にブルーノート東京に行ってまいりました。私が観たのはその日の2ndショー。もう、ひと月も前の話になってしまいましたが、ま、お許しを。
何と言っても私のお目当ては上原ひろみ。やっぱり弾いている彼女の姿や表情を間近で観たい! ですが、ピアニストの表情までを間近に見ようとすると、絶好のポジションと言うのはごく僅かに限られてくる。で、早朝から並んだ私の整理番号は4番。案内の人に「どの辺りの席が良いですか?」的なことを聴かれた際、恥ずかしげもなく「上原ひろみさんの顔が見れる席!」と答えてしまう私。熱心なジャズ・ファンの方々には怒られそうですが、すいません、ミーハーなんで。
ですが、この日のグランドピアノは、客席に向かって左側に斜めに開くような形で置かれている。当然その空いた中央のスペースにはスタンリー・クラークが鎮座する訳です。つまりスタンリーを中心に、向かって左に上原ひろみ、右にレニー・ホワイトという配置ですね。なので上原ひろみは客席に対して斜め後ろを向く形になる訳です。表情を見るためには右側から回り込むような形で見るのがベスト。そこで案内の方に通された席はド真ん中の前から2列目。確かにここなら斜め左側に上原ひろみの前身と表情がバッチリ見える。しかも何の因果かスタンリー・クラークの目の前。凄い席です!
正直、曲目はよく覚えていません。100%の集中力でライヴを楽しみたかったので、メモも取らずに観てました。で、ブルーノート東京のサイトに11月26日のセット・リストが公開されているのですが、概ね一緒な感じだと思います。1曲目が「Isotope」で、次が「Paradigm Shift」、そして「Sakura Sakura」に続く。上原ひろみも参加したスタンリーのニューアルバムからの曲が中心になるのかと思いきや、やはりこの3人で録音したスタンリー・クラーク・トリオ名義の「JAZZ IN THE GARDEN」(写真)からの曲が中心でしたね。
だいたいの曲で、途中からバンドをバックにした上原ひろみのソロとなり、その後にひと呼吸置いてスタンリー・クラークがソロをとる展開でした。そしてさらにレニー・ホワイトもソロをとったり。まず、なにはともあれ私は上原ひろみにメロメロでしたよ! 自身のバンドや、チック・コリアとのデュオ、そしてソロと、色々な形での彼女のプレイを観てきましたが、このトリオの中でも彼女ならではの緊張感を保ちながら独創的な旋律をのびのびと繰り出してましたね。ただどちらかと言うと、近年のソロ・コンサートのような一人ゆえの濃密さは無く、ある部分を二人に預けてしまった上で、彼等の出方を伺いつつ、それも含めて楽しんで演奏している印象を受けました。もちろん相変わらず良い表情してましたよ! 顔で弾くピアニスト(褒めてます!)、大好きです!
そしてスタンリー・クラーク! ステージ後方にはエレキ・ベースも用意されていましたが、終始アコースティック・ベースを弾いていました。これがまたふくよかなノリで素晴らしかったですね。流石ジャズ史に名を刻むベースの大家ですよね~。例えばレニー・ホワイトがドラム・ソロを叩いている間もスタンリーはリズム・キープをしていたりするのですが、そんな時でも、そのまろやかなスウィング感が最高なんですよ! もちろんベース・ソロも凄い!ダブル・ベースでマシンガンのような速弾きを交えながら縦横無尽に旋律を紡ぎ出す。それはプログレッシヴなノリでありながら堪らなくエモーショナル。途中でディープ・パープルの「Smoke On The Water」のリフを弾いて盛り上げ、自分も笑ってしまう、なんてお茶目な一面もあったり。「Sakura Sakura」ではあのメロディーを弦を叩いて表現していたのも印象的でした。そしてレニー・ホワイト。この人のドラムはクールでしたね。もう少し熱くなっても良いのでは?と思う程。ドラム・ソロなんかも周りの空気をいっさい遮断して自分の世界に入る感じ。ただひたすら瞑想するが如くにリズムを分解していくような…。これはこれで凄かった!
3人各々のプレイを堪能したのももちろんなんですけど、なにより3人の呼吸が素晴らしかったですね。もちろん、このトリオでアルバムも作り、ライヴもこなしてきている訳ですからそれは当たり前なのかもしれませんが、そんな3人ならではの経験と信頼が築く芳醇な空気。ですがパーマネントなバンドとは決して違う一瞬一瞬が弾けていくような、それぞれのアーティストとしての瞬発力が成し得る極上のアンサンブル。観ているこちら側は、常にワクワクやゾクゾクの連続でしたね。
そしてステージは終盤、「Take The Coltrane」だったかな? ちょっとどの曲か記憶が定かではないのですが、スタンリー・クラークと上原ひろみとでやたらアヴァンギャルドなソロを展開したのにも痺れましたね。鬼気迫るような緊張感で二人の丁々発止が続く、固唾を飲んで見守る観客。その緊張が極度に達した瞬間、スタンリーが「プッ」と吹き出してしまう。この緊張感でこの余裕ですよ!これには驚きましたね。やっぱ懐が深いですね~。
本編ラストは日本人4名によるブラス・セクションを交えてスタンリーの最新作から「NO MYSTERY 」。CDではフュージョンっぽいこの曲ですが、アコースティックな上にホーン隊が入るアレンジが格好良かったですね~。トリオに拘らずにホーンを入れるというのはやっぱりスタンリーのアイデアなんでしょうね。お見事でした! で、上原ひろみのソロになると何故かラテン調に。この上原ひろみのソロがまた痺れました。 このソロが聴けただけでもこの日観に来たかいがあったってぐらい最高でした。情熱的と言うか、ホント熱かった!最近特に思うんですけど、やっぱり上原ひろみのリズムに対する表現力って言うのは痺れるものがありますよね。次はぜひ、ホーン隊を含むラテン・バンドを組んで欲しいとか真剣に思いました。
拍手喝采を受けてのアンコールは「3 Wrong Notes」。ユニゾンのリフをブラス隊も交えて疾走する。アルバムで聴けるスイング感とは別物のキレキレなドライヴ感。ホーン対のソロもフューチャーされ、上原ひろみもここぞとばかりに弾きまくる。スタンリーはスピード感の中にも大きなグルーヴを生み出していく。レニーのソロも、最後だけあってこれまでのクールさとは一味も二味も違う激しいソロを展開。最後はさらに突っ込んでいくようにブラス隊がリフを畳み掛け、圧倒的な興奮度で終了。終わると同時にドッと立ち上がる観客達。スタンディングオベーションの中、ステージ中央にあつまる3人。鳴り止まない拍手喝采のなか、惜しまれつつステージを後に。この後しばらくアンコールを求める声援が鳴り止みませんでしたが、ここでこの日のライヴは終了。ステージ後方にスタンバイされていたエレキ・ベースは結局出番無し…。
いや~、しかし素晴らしいライヴでした! ジャズって良いな、って思いましたよ。そして色々な形で楽しませてくれる上原ひろみにも脱帽です。しかも今日12月28日は、オペラ・シティで彼女のソロ・コンサートです。今度は一人ピアノですからね。さて、そろそろその会場に向かいますか。
去る11月28日、スタンリー・クラーク・トリオ、正確には STANLEY CLARKE TRIO with HIROMI & LENNY WHITE を観にブルーノート東京に行ってまいりました。私が観たのはその日の2ndショー。もう、ひと月も前の話になってしまいましたが、ま、お許しを。
何と言っても私のお目当ては上原ひろみ。やっぱり弾いている彼女の姿や表情を間近で観たい! ですが、ピアニストの表情までを間近に見ようとすると、絶好のポジションと言うのはごく僅かに限られてくる。で、早朝から並んだ私の整理番号は4番。案内の人に「どの辺りの席が良いですか?」的なことを聴かれた際、恥ずかしげもなく「上原ひろみさんの顔が見れる席!」と答えてしまう私。熱心なジャズ・ファンの方々には怒られそうですが、すいません、ミーハーなんで。
ですが、この日のグランドピアノは、客席に向かって左側に斜めに開くような形で置かれている。当然その空いた中央のスペースにはスタンリー・クラークが鎮座する訳です。つまりスタンリーを中心に、向かって左に上原ひろみ、右にレニー・ホワイトという配置ですね。なので上原ひろみは客席に対して斜め後ろを向く形になる訳です。表情を見るためには右側から回り込むような形で見るのがベスト。そこで案内の方に通された席はド真ん中の前から2列目。確かにここなら斜め左側に上原ひろみの前身と表情がバッチリ見える。しかも何の因果かスタンリー・クラークの目の前。凄い席です!
正直、曲目はよく覚えていません。100%の集中力でライヴを楽しみたかったので、メモも取らずに観てました。で、ブルーノート東京のサイトに11月26日のセット・リストが公開されているのですが、概ね一緒な感じだと思います。1曲目が「Isotope」で、次が「Paradigm Shift」、そして「Sakura Sakura」に続く。上原ひろみも参加したスタンリーのニューアルバムからの曲が中心になるのかと思いきや、やはりこの3人で録音したスタンリー・クラーク・トリオ名義の「JAZZ IN THE GARDEN」(写真)からの曲が中心でしたね。
だいたいの曲で、途中からバンドをバックにした上原ひろみのソロとなり、その後にひと呼吸置いてスタンリー・クラークがソロをとる展開でした。そしてさらにレニー・ホワイトもソロをとったり。まず、なにはともあれ私は上原ひろみにメロメロでしたよ! 自身のバンドや、チック・コリアとのデュオ、そしてソロと、色々な形での彼女のプレイを観てきましたが、このトリオの中でも彼女ならではの緊張感を保ちながら独創的な旋律をのびのびと繰り出してましたね。ただどちらかと言うと、近年のソロ・コンサートのような一人ゆえの濃密さは無く、ある部分を二人に預けてしまった上で、彼等の出方を伺いつつ、それも含めて楽しんで演奏している印象を受けました。もちろん相変わらず良い表情してましたよ! 顔で弾くピアニスト(褒めてます!)、大好きです!
そしてスタンリー・クラーク! ステージ後方にはエレキ・ベースも用意されていましたが、終始アコースティック・ベースを弾いていました。これがまたふくよかなノリで素晴らしかったですね。流石ジャズ史に名を刻むベースの大家ですよね~。例えばレニー・ホワイトがドラム・ソロを叩いている間もスタンリーはリズム・キープをしていたりするのですが、そんな時でも、そのまろやかなスウィング感が最高なんですよ! もちろんベース・ソロも凄い!ダブル・ベースでマシンガンのような速弾きを交えながら縦横無尽に旋律を紡ぎ出す。それはプログレッシヴなノリでありながら堪らなくエモーショナル。途中でディープ・パープルの「Smoke On The Water」のリフを弾いて盛り上げ、自分も笑ってしまう、なんてお茶目な一面もあったり。「Sakura Sakura」ではあのメロディーを弦を叩いて表現していたのも印象的でした。そしてレニー・ホワイト。この人のドラムはクールでしたね。もう少し熱くなっても良いのでは?と思う程。ドラム・ソロなんかも周りの空気をいっさい遮断して自分の世界に入る感じ。ただひたすら瞑想するが如くにリズムを分解していくような…。これはこれで凄かった!
3人各々のプレイを堪能したのももちろんなんですけど、なにより3人の呼吸が素晴らしかったですね。もちろん、このトリオでアルバムも作り、ライヴもこなしてきている訳ですからそれは当たり前なのかもしれませんが、そんな3人ならではの経験と信頼が築く芳醇な空気。ですがパーマネントなバンドとは決して違う一瞬一瞬が弾けていくような、それぞれのアーティストとしての瞬発力が成し得る極上のアンサンブル。観ているこちら側は、常にワクワクやゾクゾクの連続でしたね。
そしてステージは終盤、「Take The Coltrane」だったかな? ちょっとどの曲か記憶が定かではないのですが、スタンリー・クラークと上原ひろみとでやたらアヴァンギャルドなソロを展開したのにも痺れましたね。鬼気迫るような緊張感で二人の丁々発止が続く、固唾を飲んで見守る観客。その緊張が極度に達した瞬間、スタンリーが「プッ」と吹き出してしまう。この緊張感でこの余裕ですよ!これには驚きましたね。やっぱ懐が深いですね~。
本編ラストは日本人4名によるブラス・セクションを交えてスタンリーの最新作から「NO MYSTERY 」。CDではフュージョンっぽいこの曲ですが、アコースティックな上にホーン隊が入るアレンジが格好良かったですね~。トリオに拘らずにホーンを入れるというのはやっぱりスタンリーのアイデアなんでしょうね。お見事でした! で、上原ひろみのソロになると何故かラテン調に。この上原ひろみのソロがまた痺れました。 このソロが聴けただけでもこの日観に来たかいがあったってぐらい最高でした。情熱的と言うか、ホント熱かった!最近特に思うんですけど、やっぱり上原ひろみのリズムに対する表現力って言うのは痺れるものがありますよね。次はぜひ、ホーン隊を含むラテン・バンドを組んで欲しいとか真剣に思いました。
拍手喝采を受けてのアンコールは「3 Wrong Notes」。ユニゾンのリフをブラス隊も交えて疾走する。アルバムで聴けるスイング感とは別物のキレキレなドライヴ感。ホーン対のソロもフューチャーされ、上原ひろみもここぞとばかりに弾きまくる。スタンリーはスピード感の中にも大きなグルーヴを生み出していく。レニーのソロも、最後だけあってこれまでのクールさとは一味も二味も違う激しいソロを展開。最後はさらに突っ込んでいくようにブラス隊がリフを畳み掛け、圧倒的な興奮度で終了。終わると同時にドッと立ち上がる観客達。スタンディングオベーションの中、ステージ中央にあつまる3人。鳴り止まない拍手喝采のなか、惜しまれつつステージを後に。この後しばらくアンコールを求める声援が鳴り止みませんでしたが、ここでこの日のライヴは終了。ステージ後方にスタンバイされていたエレキ・ベースは結局出番無し…。
いや~、しかし素晴らしいライヴでした! ジャズって良いな、って思いましたよ。そして色々な形で楽しませてくれる上原ひろみにも脱帽です。しかも今日12月28日は、オペラ・シティで彼女のソロ・コンサートです。今度は一人ピアノですからね。さて、そろそろその会場に向かいますか。
DAVID T. WALKER / FOR ALL TIME
12月25日、丸ビルの吹き抜けマルキューブにて、デヴィッド・T. ウォーカーのクリスマス・スペシャル・ライヴを観に行ってきました。もう説明不要ですが、モータウン系を始め数々のソウル作品にエモーショナル且つ甘美なギターで名演を残してきたデヴィッド・T. ウォーカー。その一方で68年の「THE SIDEWALK」以降、最新作「FOR ALL TIME」(写真)まで、15枚ものソロ作をリリースし、特に70年代の「DAVID T. WALKER」、「PRESS ON」あたりは名盤として語り継がれています。そして08年の完全復帰作「THOUGHTS」、09年にはウィンター・ソング・アルバム「WEAR MY LOVE」、そして今年の最新作「FOR ALL TIME」と、近年になって快作を連発し、まさに第2の全盛期を迎えている感じ。日本ではドリームス・カム・トゥルーとの共演でも知られ、“デヴィ爺”の愛称で慕われているようです。
さて、朝から整理券を貰いに並んだかいあって、前から3列目中央の席をゲット。後ろを振り返ると、椅子席後方の立ち見エリアはもちろん、吹き抜けの2F、3F、4Fあたりまでずら~っと人垣が出来ていました。無料ライヴとは言え、デヴィッド・T. って人気あるんですね~。そしてステージ後方でキラキラと輝く巨大クリスマス・ツリー。このツリーをバックにデヴィッド・T. がギターを弾く、考えただけでメロメロですよね。
司会者の紹介でデヴィッド・T. が登場。グレーのスーツでびしっと決めています。そしてトレードマークのお髭の奥に和やかな表情が伺える。バック・バンドは濱田尚哉(Drums)、下野ヒトシ(Bass)、扇谷研人(Keyboards)、という日本人トリオ。1曲目は最新作から「Eleanor Rigby」。いや~、どうやったらビートルズのこの曲がこんなにロマンチックになっちゃうの?って感じのメロウさ。デヴィッド・T. のギターはトロトロに揺れるようでありながら、その1音1音はブルージーにゴツゴツとした肌触りを感じさせる。私はその音色に酔いしれながらも、椅子に座りながら身体をくねくねさせて歌うようにギターを弾くデヴィッド・T. の姿に目が釘付け。
2曲目は18番であるミニー・リパートンのカヴァー「Lovin' You」。もう極上ですよ。デヴィッド・T. はソウル、ブルース、ジャズの狭間を縫うようにフレーズを紡いでいく。そして感情の起伏をそのままギターに乗せるかのように饒舌に歌いかけてくる。こんな風にギターを弾ける人は他にいませんよね~。ホント素晴しい! この曲では途中、立ち上がってソロを弾く場面もあり、いよいよデヴィッド・T. も乗ってきた感じ。
3曲目は「Santa Claus Is Comin' To Town」。クリスマスですからね、何かやるだろうとは思っていましたが、なんとこの曲ではデヴィッド・T. を含むバンド全員が赤いサンタ帽を被って演奏するという趣向。ちょっと照れながら帽子を被るデヴィッド・T. が可愛かったです。そしてレゲエ・アレンジなこの曲の独特な緩さが最高でした。
でもこの日のハイライトは、やっぱ次の曲「The Christmas Song」でしょう。これも色々な人がクリスマス・アルバムで歌っているこの季節の定番ソングですね。確かドリームス・カム・トゥルーもデヴィッド・T. をバックにやってましたよね。しかしこの日のデヴィッド・T.はギター1本でこの曲を披露。これには参りました。あの広い丸ビルの吹き抜けが、一気にクリスマスの夜を迎え、甘く優しい空気に包まれていく感じ。メロウに滲みるようでもあり、キラキラと瞬くようでもあるデヴィッド・T. のギターはまさに神の如くでした。
ゲスト・ヴォーカルにYURIという日本人女性シンガーを向かえて「Silent Night」。彼女、失礼ながら私は初めて聴く方でしたが、これがソウルフルな美声の持ち主で、デヴィッド・T. のギターにサポートされつつ堂々とした歌声を披露してくれました。また彼女の登場で、観客とのコミュニケーションも含めて一気に会場が打ち解けた雰囲気になりましたね。デヴィッド・T. のどこかお茶目なキャラも感じられて、和気あいあいと良い感じになってきました。そして最後はイベントらしく「We Wish You A Merry Christmas」をコール&レスポンスして終了。6曲とは言え、なかなか盛り沢山の楽しいライヴでした。
いや~、それにしてもデヴィッド・T. ウォーカーってやっぱ凄いですね! 実は私、まだ彼のちゃんとしたソロ公演は観たことがないんです。唯一観たのは去年、マリーナ・ショウのバックで来日した時でした。その時にデヴィッド・T. ウォーカーのギターに感激し、次は必ず彼のソロライヴを観に行こうと心に誓ったはずだったのですが、なんだかんだでまだ行かず終い。そしてこのイベントを観て、また心新たに、次の来日公演こそは絶対に観に行くぞ!と心に誓った次第であります。
12月25日、丸ビルの吹き抜けマルキューブにて、デヴィッド・T. ウォーカーのクリスマス・スペシャル・ライヴを観に行ってきました。もう説明不要ですが、モータウン系を始め数々のソウル作品にエモーショナル且つ甘美なギターで名演を残してきたデヴィッド・T. ウォーカー。その一方で68年の「THE SIDEWALK」以降、最新作「FOR ALL TIME」(写真)まで、15枚ものソロ作をリリースし、特に70年代の「DAVID T. WALKER」、「PRESS ON」あたりは名盤として語り継がれています。そして08年の完全復帰作「THOUGHTS」、09年にはウィンター・ソング・アルバム「WEAR MY LOVE」、そして今年の最新作「FOR ALL TIME」と、近年になって快作を連発し、まさに第2の全盛期を迎えている感じ。日本ではドリームス・カム・トゥルーとの共演でも知られ、“デヴィ爺”の愛称で慕われているようです。
さて、朝から整理券を貰いに並んだかいあって、前から3列目中央の席をゲット。後ろを振り返ると、椅子席後方の立ち見エリアはもちろん、吹き抜けの2F、3F、4Fあたりまでずら~っと人垣が出来ていました。無料ライヴとは言え、デヴィッド・T. って人気あるんですね~。そしてステージ後方でキラキラと輝く巨大クリスマス・ツリー。このツリーをバックにデヴィッド・T. がギターを弾く、考えただけでメロメロですよね。
司会者の紹介でデヴィッド・T. が登場。グレーのスーツでびしっと決めています。そしてトレードマークのお髭の奥に和やかな表情が伺える。バック・バンドは濱田尚哉(Drums)、下野ヒトシ(Bass)、扇谷研人(Keyboards)、という日本人トリオ。1曲目は最新作から「Eleanor Rigby」。いや~、どうやったらビートルズのこの曲がこんなにロマンチックになっちゃうの?って感じのメロウさ。デヴィッド・T. のギターはトロトロに揺れるようでありながら、その1音1音はブルージーにゴツゴツとした肌触りを感じさせる。私はその音色に酔いしれながらも、椅子に座りながら身体をくねくねさせて歌うようにギターを弾くデヴィッド・T. の姿に目が釘付け。
2曲目は18番であるミニー・リパートンのカヴァー「Lovin' You」。もう極上ですよ。デヴィッド・T. はソウル、ブルース、ジャズの狭間を縫うようにフレーズを紡いでいく。そして感情の起伏をそのままギターに乗せるかのように饒舌に歌いかけてくる。こんな風にギターを弾ける人は他にいませんよね~。ホント素晴しい! この曲では途中、立ち上がってソロを弾く場面もあり、いよいよデヴィッド・T. も乗ってきた感じ。
3曲目は「Santa Claus Is Comin' To Town」。クリスマスですからね、何かやるだろうとは思っていましたが、なんとこの曲ではデヴィッド・T. を含むバンド全員が赤いサンタ帽を被って演奏するという趣向。ちょっと照れながら帽子を被るデヴィッド・T. が可愛かったです。そしてレゲエ・アレンジなこの曲の独特な緩さが最高でした。
でもこの日のハイライトは、やっぱ次の曲「The Christmas Song」でしょう。これも色々な人がクリスマス・アルバムで歌っているこの季節の定番ソングですね。確かドリームス・カム・トゥルーもデヴィッド・T. をバックにやってましたよね。しかしこの日のデヴィッド・T.はギター1本でこの曲を披露。これには参りました。あの広い丸ビルの吹き抜けが、一気にクリスマスの夜を迎え、甘く優しい空気に包まれていく感じ。メロウに滲みるようでもあり、キラキラと瞬くようでもあるデヴィッド・T. のギターはまさに神の如くでした。
ゲスト・ヴォーカルにYURIという日本人女性シンガーを向かえて「Silent Night」。彼女、失礼ながら私は初めて聴く方でしたが、これがソウルフルな美声の持ち主で、デヴィッド・T. のギターにサポートされつつ堂々とした歌声を披露してくれました。また彼女の登場で、観客とのコミュニケーションも含めて一気に会場が打ち解けた雰囲気になりましたね。デヴィッド・T. のどこかお茶目なキャラも感じられて、和気あいあいと良い感じになってきました。そして最後はイベントらしく「We Wish You A Merry Christmas」をコール&レスポンスして終了。6曲とは言え、なかなか盛り沢山の楽しいライヴでした。
いや~、それにしてもデヴィッド・T. ウォーカーってやっぱ凄いですね! 実は私、まだ彼のちゃんとしたソロ公演は観たことがないんです。唯一観たのは去年、マリーナ・ショウのバックで来日した時でした。その時にデヴィッド・T. ウォーカーのギターに感激し、次は必ず彼のソロライヴを観に行こうと心に誓ったはずだったのですが、なんだかんだでまだ行かず終い。そしてこのイベントを観て、また心新たに、次の来日公演こそは絶対に観に行くぞ!と心に誓った次第であります。