第2位
JOHN BOUTTE / ALL ABOUT EVERYTHING
ニューオーリンズ好きの間ではアーロン・ネヴィルに並ぶ“ニューオーリンズの声”として知られるジョン・ブッテ。そのハスキーな声質が素晴らしいのはもちろんなのですが、歌い回しや音程の取り方なんかも独特で、聴けば聴く程に味が滲みてくるシンガーです。今作はジャズとリズム&ブルースの絶妙な案配により、ブッテの魅力をたっぷりと詰め込んだ1枚。もちろんニューオーリンズの空気も爽やかに運んでくれる。例えばデイヴ・バーソロミュー作「The Grass Is Greener」ではジェイムス・アンドリュース(トランペット)とトロンボーン・ショーティ(トロンボーン)の兄弟による掛け合いが楽しい!しかもここでオルガンを弾くのはジョン・クリアリー、ベースはジョージ・フレンチですよ! アル・グリーンの名曲「Take Me To The River」はレイモンド・ウェバーのドラムスにカーク・ジョセフのスーザフォンが絡む強力グルーヴ。メンフィス・ソウルをこう料理しますか! そしてハイライトはアラン・トゥーサン作の「War Is All Over」ですかね。この曲は初めて聴きましたが、誰かのカヴァーでしょうか?書き下ろしでしょうか?よく分かりませんが、重厚なメロディーラインが印象的な曲。こういった重たい雰囲気の曲でのブッテの歌唱と言うのも相当深いものがあります。そして深いと言えばレナード・コーエンのカヴァー「Hallelujah」。これなんかは素晴らしすぎて言葉になりません!!
第3位
ERIC BIBB / DEEPER IN WELL
パークタワー・ブルース・フェスティヴァルで来日した頃はまだまだ若手(ブルースの世界では)なイメージだったエリック・ビブも、もう60歳を超えてるんですね。私も彼を熱心に追いかけて来た訳ではないのですが、今作はルイジアナ録音と聞いて思わず手が伸びてしまいました。これが良い!! 冒頭の「Bayou Belle」からスワンプ臭の漂うアコースティック・ブルース。まずエリックの歌声が良いですね。フォーキーな味わいから滲みでるような、ねっとりとしたブラック・フィーリングが堪りません。バックにはダーク・パウエルやセドリック・ワトソンといったケイジャン周辺のアーティストも参加していまして、彼らのフィドルやアコーディオン等の音色が彼の地特有の湿地帯の空気を醸す。そしてハーピストのグランド・ダーモディの活躍も特筆物。この人はエリックの過去作にも名前を見るハーピストで、おそらくルイジアナの人という訳ではないと思われるのですが、その音色が醸す豊かな倍音はまるでスワンプの奥地から漂うようで、この作品を一層味わい深いものにしています。また、オリジナル曲からトラディショナル、タジ・マハールやボブ・ディランまでを並べながら一つの大きな流れとして聴かせる、エリックならではのブレンド感覚も秀逸。それもこれもエリックの静かながら説得力のある歌声こそが成せる技。そんなエリックのフォーク・ブルース・フィーリングが、スワンプの秘境に溶け込んだような素晴らしいアルバムです。
第4位
BUDDY MILLER & JIM LAUDERDALE / BUDDY AND JIM
私の大好きなバディ・ミラーとジム・ローダーデイルの共演作。タワレコでこのジャケを観た瞬間に即買いでしたね。両者共オルタナ・カントリー/アメリカーナ系の重要人物ですが、バディ・ミラーは近年ロバート・プラントのプロデュースを手掛けたことで日本のロック・ファンの間でも知名度が随分と上がったのではないでしょうか? ジム・ローダーデイルもグラミーの受賞歴もある大物ですからね、もう少し日本でも人気が出ると良いんですけど…。ま、それはさておき、この共演作ですよ。もちろん共演は初めてではありませんし、ほとんど盟友と言った雰囲気ですが、二人名義での正式作と言うのは多分これが初めて。逆に今までなんで無かったんだろう?と思ってしまいます。二人の共作「I Lost My Job Of Loving You」から始まる男臭いカントリー・ロックに、まるでこれまで二人の歩んで来た道のりと、現在の立ち位置までもがくっきりと描かれているよう。スチュアート・ダンカン(フィドル&マンドリン)、デニス・クロウチ(ベース)を始めとするバックの演奏も素朴なやさぐれ感があって良い。これぞアウトロー・カントリー!! 痺れます!
JOHN BOUTTE / ALL ABOUT EVERYTHING
ニューオーリンズ好きの間ではアーロン・ネヴィルに並ぶ“ニューオーリンズの声”として知られるジョン・ブッテ。そのハスキーな声質が素晴らしいのはもちろんなのですが、歌い回しや音程の取り方なんかも独特で、聴けば聴く程に味が滲みてくるシンガーです。今作はジャズとリズム&ブルースの絶妙な案配により、ブッテの魅力をたっぷりと詰め込んだ1枚。もちろんニューオーリンズの空気も爽やかに運んでくれる。例えばデイヴ・バーソロミュー作「The Grass Is Greener」ではジェイムス・アンドリュース(トランペット)とトロンボーン・ショーティ(トロンボーン)の兄弟による掛け合いが楽しい!しかもここでオルガンを弾くのはジョン・クリアリー、ベースはジョージ・フレンチですよ! アル・グリーンの名曲「Take Me To The River」はレイモンド・ウェバーのドラムスにカーク・ジョセフのスーザフォンが絡む強力グルーヴ。メンフィス・ソウルをこう料理しますか! そしてハイライトはアラン・トゥーサン作の「War Is All Over」ですかね。この曲は初めて聴きましたが、誰かのカヴァーでしょうか?書き下ろしでしょうか?よく分かりませんが、重厚なメロディーラインが印象的な曲。こういった重たい雰囲気の曲でのブッテの歌唱と言うのも相当深いものがあります。そして深いと言えばレナード・コーエンのカヴァー「Hallelujah」。これなんかは素晴らしすぎて言葉になりません!!
第3位
ERIC BIBB / DEEPER IN WELL
パークタワー・ブルース・フェスティヴァルで来日した頃はまだまだ若手(ブルースの世界では)なイメージだったエリック・ビブも、もう60歳を超えてるんですね。私も彼を熱心に追いかけて来た訳ではないのですが、今作はルイジアナ録音と聞いて思わず手が伸びてしまいました。これが良い!! 冒頭の「Bayou Belle」からスワンプ臭の漂うアコースティック・ブルース。まずエリックの歌声が良いですね。フォーキーな味わいから滲みでるような、ねっとりとしたブラック・フィーリングが堪りません。バックにはダーク・パウエルやセドリック・ワトソンといったケイジャン周辺のアーティストも参加していまして、彼らのフィドルやアコーディオン等の音色が彼の地特有の湿地帯の空気を醸す。そしてハーピストのグランド・ダーモディの活躍も特筆物。この人はエリックの過去作にも名前を見るハーピストで、おそらくルイジアナの人という訳ではないと思われるのですが、その音色が醸す豊かな倍音はまるでスワンプの奥地から漂うようで、この作品を一層味わい深いものにしています。また、オリジナル曲からトラディショナル、タジ・マハールやボブ・ディランまでを並べながら一つの大きな流れとして聴かせる、エリックならではのブレンド感覚も秀逸。それもこれもエリックの静かながら説得力のある歌声こそが成せる技。そんなエリックのフォーク・ブルース・フィーリングが、スワンプの秘境に溶け込んだような素晴らしいアルバムです。
第4位
BUDDY MILLER & JIM LAUDERDALE / BUDDY AND JIM
私の大好きなバディ・ミラーとジム・ローダーデイルの共演作。タワレコでこのジャケを観た瞬間に即買いでしたね。両者共オルタナ・カントリー/アメリカーナ系の重要人物ですが、バディ・ミラーは近年ロバート・プラントのプロデュースを手掛けたことで日本のロック・ファンの間でも知名度が随分と上がったのではないでしょうか? ジム・ローダーデイルもグラミーの受賞歴もある大物ですからね、もう少し日本でも人気が出ると良いんですけど…。ま、それはさておき、この共演作ですよ。もちろん共演は初めてではありませんし、ほとんど盟友と言った雰囲気ですが、二人名義での正式作と言うのは多分これが初めて。逆に今までなんで無かったんだろう?と思ってしまいます。二人の共作「I Lost My Job Of Loving You」から始まる男臭いカントリー・ロックに、まるでこれまで二人の歩んで来た道のりと、現在の立ち位置までもがくっきりと描かれているよう。スチュアート・ダンカン(フィドル&マンドリン)、デニス・クロウチ(ベース)を始めとするバックの演奏も素朴なやさぐれ感があって良い。これぞアウトロー・カントリー!! 痺れます!