バッパーズの牧さんの電話で飛び起きる。記事に間違いでもあったかと内心冷や冷やだったのだが、9月号に掲載されたスマイリーさんのインタビューについての質問だった。「スマイリーというのは、松本ですか?」。スマイリーさん、初期バッパーズにも参加してたんですねえ。知らなかったす。
遅れ馳せながら3日にリリースされた麗蘭、13年振りのフルアルバム『SOSが鳴ってる』を聴いた。「Get Back」「R&R Tonight」といったライブではお馴染みの楽曲も多い。「Words」ではCHABOさんのポエム・リーディングも健在。うーライブが甦ってくるぜ。
しかし「憧れのSouthern Man」も収録されたのには驚いた。この曲、ライブでは“蓮池さんへ贈る”というMCの後に演奏されていた。勿論あの、蓮池さんである。事前に郵送していただいたファンクラブ会報誌に掲載されていたCHABOさんと土屋公平の対談でも、当初CHABOさんがこの曲につけようとしていたサブタイトル(「蓮池さんへ贈る」)について、公平と事務所の社長が反対したというエピソードも掲載されていた。それは、まあ、仕方ないだろうなあ。勘違いしちゃう人もいるだろうし。曲はウエットな要素無しの、スライド炸裂のドライなロックンロールなのだけど。
80年代以前の「世界なんかシラネ」を超えて、2000年以降、以前にも増して「世界」とその中の「私」をストレートに歌うCHABOさん。しかしこの辺のギター少年でナイーブな部分は変わっていないのかもと思う。「拉致事件」で演歌を歌う人はいるだろうけれども、「サザンロックが好きな蓮池さん」で歌作る人はCHABOさんくらいなもんだろう。
とにかく、どこかの誰かさんのように50歳を過ぎてもベスト盤ではなく、オリジナルで作品をリリースし続け、しかも(ライブで練り上げられた楽曲で)高いクオリティを保ち続けるCHABOさんは素晴らしい。
ということで近所の新星堂へこのCDを買いに行ったのだけれど、そこにはスコセッシの「the blues movie project」絡みで、ブルースコーナーが作られていた。ほとんど「ブエナ☆ビスタ」ノリ。ブルースの名盤が入手しやすくなることは結構なことなのだけれど、何だかフクザツですな。ま、どうせわけのわからないベスト盤が出るだけか……。