徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

何かを残すということ/2012 ヤマザキナビスコカップ決勝 鹿島戦

2012-11-05 10:40:01 | SHIMIZU S-Pulse/清水エスパルス11~14


土曜日はナビスコカップ決勝戦



またしても1-2である。
鹿島は先週のゲームとは打って変わって「アウエイ」のようなゲームマネジメントで決勝を戦った。一発勝負の戦い方というのはそういうものだろうし、鹿島の勝負強さというのは伝統的にそういう戦い方を選択できることなのだろう。戦前はヤングエスパルスと老練なアントラーズという構図で報道されていたけれども、結果的には皮肉なことに柴崎というヤングアントラーズに決められてしまった。これもまた絶えず流動的に若手への切り替えを進めた清水とバランス重視で「伝統」の継承を進める鹿島とのチームコンセプトの違いを鮮明に見せた(リーグでの不振が続く鹿島はそれでいいのかとは思わないことはないけれども)。



浩太が出ていたらとも思うし、2つのPKがなかったらとも思うし、若い連中が気負いも感じさせず素晴らしいファイトを見せた前半のうちにゴールを決めることができていればとも思う。それでもカップファイナルに進出できるのは2チームしかないのだから、その1チームになれたことは誇ってもいいことじゃないかと思う。

アフシン「我々のチームには限界はありません。このチームのビジョンの始まりであり、この先多くの試合で優勝できるクラブになると思います。ですから、天皇杯の決勝に進めればいいと思っています」(J's GOAL 11月3日付



トシ「まだ何も取れていないので、何かひとつでもタイトルを獲りたい、何か残したいという気持ちが強くなりましたね」(J's GOAL 11月3日付

サカダイ(11月13日号)ではナビスコウィークだってのに<2013年移籍マーケット大予測>などという不埒な特集を組み、今季末で契約切れとなる(0円移籍可能な)元紀とトシの移籍についても言及している。
2年前、他クラブに先駆けるような大移籍劇を経て、清水はアフシンの言う新たな「ヴィジョン」の中にある。そしてJリーグの全てのクラブも移籍ルールと新たに導入されるクラブライセンス制度の変化の真っ只中にある。フロント(強化部)とマネージャー(監督)がどのような「ヴィジョン」をサポーター(やスポンサー)に提示し、メッセージするのか。それは20年を迎えたJがこの先50年、100年続くためには最も重要なことだと思われる。
オレはメッセンジャーとしてのアフシンを高く評価しているので、何の不安もない。

しかしサポーターを残して、時は流れ、人はまた去る。思えばあれほど愛した(第一期)健太エスパルスがなぜ無残な最期を迎えたのか。あれほど素晴らしく、感動的に成長したチームやプレーヤーがなぜ愛憎を持って語られるのか。それは、移籍金という意味ではなく、結果的に「何も残せなかった」からだ。
トシや元紀はカッコ付で「今季中に」という前提で、「何か残したい」という。それが何を意味するのかは“今は”わからないが、彼らにはきっと、何かを、“ここ”に残して欲しいと心から思う。
2013年の元日に再びこの場所に来れることを願う。

いや、その前にミッドウィークの水曜日にリーグでの新潟戦がある。
決勝直後の優勝報告会に行くよりも7日のアウスタに行く方が余程大事だろうと思っていたけれども、もはやファイナルで負けたからこそアウスタに行くべきだと思う。といいつつ、オレは現状だと行ける見込みはないんだけれども、静岡の衆や当日行ける人たち、数多くの人たちにサポートして欲しい。
ACL出場権のために、そして元日まで勝ち続けるためにも、ここが正念場だからね。