徒然地獄編集日記OVER DRIVE

起こることはすべて起こる。/ただし、かならずしも発生順に起こるとは限らない。(ダグラス・アダムス『ほとんど無害』)

ガザ「ファジル5」射程地図

2012-11-27 15:29:21 | News Map

<イスラエルが十四日に大規模空爆に着手後、ガザを拠点とするハマスや他の武装勢力は、千発以上のロケット弾をイスラエルに発射。十五日にはうち一発が住宅を直撃、市民三人が死亡した。特に注目されたのは、イスラエルの商都テルアビブ、首都と位置づけるエルサレムにまで、ロケット弾が到着した点だ。ガザから遠く離れた重要都市まで標的tおなり、市民の衝撃は大きかった。攻撃には、イラン製の長距離ロケット弾「ファジル5」が使用されたとみられる。AFP通信などによると、射程は最大で約七十五㌔。長さ約六・五㍍という。従来、使われていた「カッサム」の射程は、せいぜい十数㌔。攻撃範囲はイスラエル南部にとどまっていた。>
(東京新聞11月24日付 ハマス武力強化に危機感/イスラエル イラン密輸阻止が課題)

延坪島砲撃から2年/北方限界線地図

2012-11-27 15:25:56 | News Map

<韓国軍は同時、二年前に砲撃を受けたのと同じ午後二時半すぎから延坪島(ヨンピョンド)一帯で対応訓練を実施した。北朝鮮側では八月中旬、金第一書記が黄海上の軍事境界線とされる北方限界線(NLL)を挟んで延坪島と向き合う茂島(ムド)、長在島(チャンジェド)の砲兵部隊を視察。「命令さえ下せばいつでも砲撃できるように」と命じている。>
(東京新聞11月24日付 延坪島砲撃2年 韓国の苦悩/「再現」懸念消えず/北、戦力増強 挑発続ける)

正義はきちんと行われているか/井上ひさし「イヌの仇討」

2012-11-27 12:37:23 | Books


<いきなり大風呂敷を広げるようで恐縮であるが、人間にとって最大の悪は病いと負傷と死に違いない。そこで人間はそういう悪の恐怖から逃れそれらの危険を避けるために、たがいに寄り付き合い結ばれ合って、社会という共同体をつくった。そうしてそれぞれの力をひとつの権威に預け任せることを発明した。つまり人間は社会的な動物になったわけである。
 では、その人間たちの最大の関心事はなんであったか。意見はさまざまに分れるだろうが、私の考えでは、
「正義はきちんと行われているか」
 これにもっともか関心が集まっていたのではないかとおもわれる。そして正義の根本は平等にあった。(中略)実際綱吉という人物は奇妙である。その治世を二つに分ければ、前半期(天和-貞享)の彼は名君だったといってよかろう(中略)重要なのはこの時期の彼が掲げた政治原理で、それは、
「賞罰厳命」
 である。「刑罰の公平な割当て」が政治を刷新し、人心を活気づけたわけだ。
 ところが後半期(元禄-宝永)の政治はひどかった。綱吉は一気に暗君、愚君、暴君に成り下がる。たとえば悪名高い生類憐みの令。近ごろ、これは簡単に悪法ときめつけるのではなく、「命あるものを、人類を含めて憐れむ心が大切である」とした綱吉の初志をすこしは評価したいという見解もあるようだが、しかし一禽一獣のために処罰された者十万、そのために家がこわれて流離散亡した者数十万というのでは困る。(中略)したがって赤穂浪士による上野介殺害は、大公儀(おかみ)がつくりだした不公平への抗議、実力による正義の回復だった。彼らの抗議は本所の吉良屋敷を通して、生類憐みの令や金銀貨の悪鋳とそれが引き起こしたインフレ(年率平均十五%の物価上昇)やその他もろもろ、幕政全体にまで及んだ。人びとの「正義は行われてほしい」という願いが討入りにそういう意味を持たせたのだ。
 忠臣蔵物語を、今も私たちが愛するのは、やはり不公平な世の中がつづいているからだろうか。>
井上ひさし『イヌの仇討』文春文庫「日本の仇討」より)