外が白み始めた頃、空になった空き箱をゴミ箱が捨て、新しい煙草の封を切る。女は寝起きの一本目だけは、普段吸っている煙草ではなくて、オレの、ちょっと強めの煙草を吸う。そのために封を切っておく。最後の煙草に火を点け、カップの底に残ったコーヒーを飲み干してから、眼鏡を外して点けっ放しのPCの上に置いて今日やったこととやり残したこと、それから明日目覚めてからやることを考えながら蒲団に潜る。惚けさえしなければ、たぶん、死ぬまでやることは変わらないのだろう。毎晩、毎朝こうやって死んで、それから適当な時間に生き返っているようなもんだな。いや、死ぬってのはそういうことでしかないような気がする。
年老いて自殺を選択するのは悲しすぎる。本人にとって年老いたからこその選択なのかもしれないけれども。
今野雄二さん 自宅で自殺 映画評論家
<映画評論家の今野雄二さん(66)が2日夕、東京都渋谷区代官山町の自宅アパートで死亡しているのが見つかった。警視庁渋谷署などによると、室内で首をつっており、自殺とみられる。>(毎日新聞 8月2日付)
年老いて自殺を選択するのは悲しすぎる。本人にとって年老いたからこその選択なのかもしれないけれども。
今野雄二さん 自宅で自殺 映画評論家
<映画評論家の今野雄二さん(66)が2日夕、東京都渋谷区代官山町の自宅アパートで死亡しているのが見つかった。警視庁渋谷署などによると、室内で首をつっており、自殺とみられる。>(毎日新聞 8月2日付)