NOKIA 6212classic は,Near Field Communication (NFC)機能を搭載した2代目の一般市販品の携帯電話端末です。1代目はNOKIA 6131NFCという機種でした。
NOKIA 6212classic は,S40プラットホームなので中国語仕向け製品にはJISコードの漢字フォントも含まれているため,仮名漢字交じり文の表示が可能(と思われます)。また,フリーウェアの日本語フロントエンドプロセッサをインストールすることで,JISコードによるメッセージの送信も可能(と思われる)。
小生が入手したNOKIA 6212classicは,ドイツにて調達したいわゆる英語版なので漢字フォントが搭載されておらず,仮名漢字交じり文によるJISコード日本語を表示できません。S40プラットホームにて,漢字フォントを外部ファイルで供給することを想定しているアドオンソフトがあればよいのですが・・・ まだ見つけられておりません。
NFCは,いわば,おサイフケータイの上位オープン規格であり,なおかつ日本発の国際標準規格です。その登録番号は,ISO/IEC 18092 です。このISO/IEC規格は,ITTFのホームページから無料でダウンロードできます。また,ISO/IEC 18092規格の元は,ECMA-340という規格です。両者の内容は全く同じなので,Ecma InternationalのホームページからECMA-340をダウンロードしても書いてあることは一緒です。ECMA-340も無料です。NFCIP-1規格は,PHY/MACを規定する通信規格です。そしてそれのRF試験方法規格とプロトコル試験規格もあります。さらに,NFCのRアナログFブロックとプロトコル処理部とを分けて実装する際に便利なようにとその間のインタフェース仕様としてNFC-WIというのもあります。
★ITTFのホームページは次のとおり。
http://standards.iso.org/ittf/PubliclyAvailableStandards/index.html
更に,NFCIP-1でセキュア通信を行うためのNFC-SECという規格ができあがっており,ISOで国際投票にかけられるところです。
日本のおサイフケータイは,日本国内でのみ普及しています。日本の携帯電話事業モデルに強く結び付けられた端末の仕様は,海外の事業モデルと違うため,単純に物を輸出すれば買ってくれるところもあるといった状況ではないでしょう。おサイフケータイが世界を席巻することは想像しずらいと言わざるを得ないのかもしれません。世界で普及する可能性を持っているのは,むしろオープン仕様のNFCでしょう。そして,NFCが黒船となって,日本へやってくるというわけです。
昔,日本のパソコン市場は,NECの独自仕様PC-9801で席巻され育ちましたが,米国IBM社のPC-AT仕様をCompaq社のBIOSとマイクロソフトのDOSとがエンドースし,台湾メーカによるハードウェアのコミットがあって,いわば一夜にして,「Compaq社のPC-AT仕様」が世界のデファクトになり,黒船として日本へ来ました。歴史は繰り返されますね。明治維新のときみたいに頑張って欲しいですね。