知人でロードバイクの先達に、定年退職後の健康維持を目的に小生もロードバイクを始めたことを知らせたところ、車両の点検整備や保安機材(前照灯や尾灯などの設置)と同様に心拍センサを装備に加えるべきとの助言をいただきました。若い人にとっても重要視するべき心拍情報は、定年を過ぎた人々にとっては欠かせないと言うのです。
言われたときには、あまりピンと来ませんでしたが、先達の言うことを信用してとりあえずジャンパラへ行って中古の“GARMIN vivoactive J HR”を入手しました。サイクリングのときにこれを手首にはめておくと、心拍数がほぼリアルタイムで数値化され表示されるばかりでなく走行ルートのGPS座標と一体化したログが残ることもわかりました。
心拍に関しては、もちろんホルター心電図検査装置ではないので、わかるのは心拍数だけですが、数値で把握できるので、同年代の平均値と比較したり自分の過去ログと比較して差分を数値化できます。たとえば、今日はちょっと苦しい気がするけど数値は過去ログから大きく逸脱していないとかしているとか把握できるというわけです。また、GPSログは、GARMINのアプリ(BaseCamp)などにインポートするとルートのおさらいができるんです。おさらいが結構楽しいということは、実際に自分でやってみるまで、知りませんでした。
GARMIN vivoactive J HR でサイクリングの楽しさが増えていることを実感しました。こうなりますと、手首には必ず GARMIN vivoactive J HR を付けていくことなりますので、満足ばかりではなく次第に不満も出て参ります。ロードバイクに徐々に慣れてきて10時間かければ100 kmくらい走れるようになった頃に、電池のもちについての不満が出てきました。vivoactive J HR の電池は10時間程度もつのでいまのところギリギリ大丈夫そうですし、160 kmに延ばしたときには同様に10時間でゴールすれば電池は大丈夫でしょう。しかし10時間よりもかかってしまうと電池切れで、心拍もGPSもログできないだろうという懸念があります。
色々検討している中でスポーツウォッチに導入されてきている様々な機能のことを学びました。その中で特に興味を引いたのが経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)の測定機能でした。睡眠時無呼吸症が気になるならば医者へ行って相談するのが正解ですし、どうしてもSpO2を自宅で測定してみたいのならばアマゾンなどでSpO2専用測定器が売られていますのでそれを購入すればよいでしょう。
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いまさら聞けないあの用語“SpO2”
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SpO2(血中酸素濃度)センサーは日本では使用できない薬事法上の制約
日本の薬事法解釈がどうなのかについて小生には専門的なことは分かりませんが、国内で販売されるGARMIN製品のSpO2機能(測定がダメ?測定値表示がダメ?それとも両方ダメ?)は封印されているということです。しかし、米国仕向のGARMIN製品ではその封印は解かれているので、米国アマゾンなどへ直接注文すればSpO2測定機能の使える製品を入手することができます。実際にそれを実行してブログに記している方もいらっしゃいました。たとえば次のブログ:
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海外版Garmin Vivosmart 4で睡眠時SpO2測定
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Garmin VivoSmart 4 レビュー1
彼らはGARMINの米国版vivosmart4を入手したようです。睡眠時のSpO2測定ができるのですが、かな漢字表示機能がないためスマホからの通知内容を読むことができないという不便があると彼ら自身のブログに記されてました。下の画面キャプチャは、
海外版Garmin Vivosmart 4で睡眠時SpO2測定というブログ記事の中に掲載されていた縦軸が百分率のSpO2の記録グラフです。しかし、SpO2値がこの値以下になったらとか、このくらい長く続いたらとか、このようなパターンになったら等、いわゆる検査結果分析は、SpO2値だけでできるものではないんだろうと思われますので、SpO2の記録だけ生で見ることの意義がどれほどの価値なのかという疑問は残ると思います。それでもSpO2値の記録が正常範囲を逸脱することがあるのかないのかという点では参考になるんだろうと思います。逸脱していると分かれば医者へ行って観てもらうという行動の動機づけになるだろうと思うからです。
海外版という選択肢も含めて買い替え候補を色々調べました。アップルウォッチ、スント、ポラール、など色々検討しました。電池が20時間もつとされていますし、小生はスポーツウォッチで音楽を聴きたいと思いませんしGARMIN PAYを使いたいとも思わないので、ガーミン ForeAthlete 245 がよさそうだと小生は考えました。
ForeAthlete 245 は、じつは日本仕向けの製品でありまして米国仕向けの製品は ForeRunner 245 という名前です。ForeRunner 245 を米国アマゾンなどへ直接注文すればSpO2測定機能は使えるけれどもかな漢字表示機能が無いということになることが容易に予想されました。迷った末に2019-09-28に ForeAthlete 245 を買いました。そして、SpO2のことを忘れて毎日便利に使っておりましたところ、GARMINの「ボディバッテリー」という機能が面白いことに気づきました。ボディバッテリー機能はGARMINの一部の機種にしか搭載されていない最新機能です。小生と同様ボディバッテリー機能が面白いと思った人がブログに記しています。
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vivosmart4のBody Batteryとストレスレベル測定機能で学んだストレスとの付き合い方
確証はありませんが、ボディバッテリー値の算出方法を推測するに、心拍情報及びSpO2情報の生データをもとに何らかのGARMIN社のノウハウをベースにしたアルゴリズムで導出しているのではなかろうかと。サイクリング中に心拍数の値を見て、倒れてしまう前に、休むとか帰宅するとか判断につなげるということができると思います。一方サイクリング中とか日中の生活の中で SpO2 の値を見てもなんだかよくわかりません。しかし、ボディバッテリーとして見せてくれるのは、値とか変化が実感とも合っているような気がするのでとても分かりやすくて面白いと思うのです。自分の健康であることが面白いという実感は貴重な体験だと思います。それを提供してくれるスポーツウォッチはヘルス・エンターテイメントかもしれません。
さて、そうこうして、知らないうちに、ふとスマホのGarminConnectアプリを眺めていたら気づいたのですが、新機能が追加されていました。スマホのGarminConnectアプリの記録を調べたら、それは2020-02-11から動き始めてました。ForeAthlete 245とスマホのGarminConnectとをBluetooth接続しておくわけですがそうするとForeAthlete 245のファームウェアが自動的に更新されます。小生のForeAthlete 245にもファームウェア更新が来て自動的に処置されたんだろうと思います。2020-02-11から動き始めた機能というのは「呼吸数」を記録する機能です。「呼吸数」グラフはSpO2グラフと姿が似ていますが縦軸は百分率ではなくて呼吸数です。呼吸数はSpO2値ではありません。小生の勝手な推測ですが、直接呼吸をセンシングしていないわけですし、ForeAthlete 245 に内蔵されているセンサは、ウェブカタログを見るかぎり、光学式心拍センサ、コンパス及び加速度計だけですから、それらのセンサから得た数値をガーミン独自アルゴリズムで処理することで間接的に呼吸数を推定算出しているのではなかろうかと思われます。2020-03-12現在、ウェブカタログには「経皮的動脈血酸素飽和度」という語彙は明示的には使われていませんが、もし、米国向けForeRunner 245と日本向けForeAthlete 245のハードウェアが同じであれば、心拍も経皮的動脈血酸素飽和度も内蔵パルスセンサで測定できていることになりますからね。
小生の呼吸数のグラフ(ブログには未掲載、そのうちに載せようと思います)をみると、成人の平均よりも少なくなっている瞬間があるようですが、無呼吸にはなっていないようだとわかりました。小生はSpO2の値を生で見たいわけではなくて、まさにこの「呼吸数」を見たかったわけですよ。ForeAthlete 245 にしておいてよかったと思います。