2014-06-28 SoftBank 007SH
〓SoftBank AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH
■1■ 2011年発売当時の第一印象
ソフトバンクの007SHというガラケー姿をしたシャープ社製アンドロイド端末は、WiKiによれば、2011年6月17日に発売されたとあります。当時のキャッチコピーは、次のようなものでした。
~テンキー搭載 防水対応 折りたたみスマートフォン~
SoftBank 007SH WiKi
http://ja.wikipedia.org/wiki/SoftBank_007SH
キャッチコピー及びウェブサイトの写真をご覧いただければ一目瞭然のとおり、テンキーボート付きのアンドロイド端末で、その当時としては、いわゆるガラケーから板形状のスマホ端末への移行を加速させてパケット通信利用者を増やしたい通信キャリア及び買い替え需要を維持したい端末メーカーの企画だったのかもしれません。その証拠に、このシリーズのテンキー付きのアンドロイド端末の後継機種がありません。確かに、ガラケーから板形状のスマホへの移行という意義は、あったのかもしれませんが、それ以上に小生の興味をそそったことがありました。ガラケーは、通話、短いメッセージのやり取り、ちょっとしたウェブサイト閲覧の用途においては、日本メーカーがかなり完成度を上げて来ており、そのノウハウには、潜在的に国際競争力を秘めていたという面があるということ、そして、そのノウハウをスマホの新しい市場開拓で武器にすることができる可能性があったはずだったという点に興味をそそられていました。SoftBank AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH の一般的な情報は、結構いろいろありますから、小生がここで紹介するまでもなくググれば見つかることでしょう。
【ソフトバンク】
http://mb.softbank.jp/mb/smartphone/product/007sh/
【シャープ】
http://www.sharp.co.jp/products/sb007sh/
【オンラインマニュアル】
http://help.mb.softbank.jp/007sh/pc/
【法林岳之のケータイしようぜ#149ソフトバンクの「AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH」を紹介】
http://video.watch.impress.co.jp/docs/k-tai/20110720_461655.html
【コイツを待っていた!ケータイの使いやすさを融合した革新的なスマートフォン】
http://ad.impress.co.jp/special/007sh/
ソフトバンク AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH には、色と発売時期との違いで三種類あります。
007SH (末尾なし) 6月17日発売 ボルドー、ブラック、ホワイト、ミスティブルー
007SH J (末尾J) 7月22日発売 ビターピンク色のモデル
007SH KT (末尾KT) 9月9日発売 アンティークベリー色のキティちゃんモデル
2011年当時、この機種にとても興味が湧いたので、店頭デモ機をいじりに行きました。ガラケーのテンキーでアンドロイドを操作するという世界新しいパラダイムなので、慣れが必要だと感じました。しかし慣れるとかなり便利そうな印象を持ちました。
アプリケーションの切り替えが遅いなぁ~っと感じながら端末をいじっていたところ、モッサリと、アプリが反応しないから強制終了するか待機するかを問うダイヤログボックスがポップアップしました。007SH は、アンドロイド 2.3.3 (Gingerbread) だから 2.1 (Eclair) に比べたらよっぽど安定したんですけれども、ガラケーの姿をしているというのに、こういうエラーみたいなのがポップアップすると、こいつ出来損ないの端末かしらんという感じが漂うので、期待を裏切られてしまった印象でした。なので、ソフトバンクとの契約には至りませんでしたが、ずうと今でも気になる端末でありました。
■2■ 発売3年後にして007SH端末入手の機会が到来
気づくのが少々遅くて売り切れになってしまっていたのですが、2014年6月頃、ソフトバンクオンラインショップに007SHがプリスマで約1万円で登場していたのを見つけました。007SHに注目して、いろいろ期待する人々が多かったからだと思いますが、その期待が大きかった分、辛口の書き込みが結構多く見つかります。事実を正しく批評している書き込みも多いのですが、論理的というよりも感情的な意見の書き込みもかなりあるように感じました。
これらの情報に触れるほどに、007SH という端末について、いろいろと自身で確認したいことがどんどん増えてきました。007SHを入手するべく、東京駅のソフトバンクショップを含めて数軒訪ねましたが在庫なしでした。次は秋葉原で、イオシスなど中古屋さんを数軒探しましたが、意外と置いてません。ぶらりと入った秋葉原駅前ヤマダ電機に立ち寄ったところ、ミスティブルーの在庫が1台あったのですが、店頭の契約手続き用システムの障害で3時間待ちだというので諦めて帰りました。そして数日後、まだあるかなぁと、ヤマダ電機秋葉原店に行ってみたところ、もうミスティーブルーは有りませんでしたが、代わりにボルドーがあると言うので契約しました。店頭の手書きポスターでは約1万円との説明になってましたが5,000円でした。内訳は、ソフトバンク007SHプリスマの2日間パケット通信込みのヤマダ電機特別セットですが、そういう名前が付いていたかどうかは、覚えていません。
契約の際、運転免許証を含む身分証明書の提示(コピーされます)を求められます。プリスマ新規契約扱いとなり、電話番号の下4桁を第三希望まで設定することができます。電話番号を発番してSIMを挿入し開通まで店頭で行いました。店頭で1400にかけて残高確認しましたところ 1,749 円でした。以下の計算となります。
5000円-3200円(プリスマ契約手数料)-11円(ユニバーサル利用料)=1749円
ちなみに、ソフトバンクプリペイド携帯電話契約は、ひとり2回線までと書いてありました。数年前までは、一度に契約できる回線数のことだったと記憶しておりますが、規約が何度も変更されているらしいので、現在は、名義あたりの回線数のことなのかもしれません。
■3■ プリスマ
ソフトバンクは、二種類のプリペイド契約を提供しています。
プリモバイル及びプリスマです。プリモバイルは、通話及びメールを利用できます。但し国際ローミングには対応しません。パケット通信はできません。留守番電話等のオプションサービスもありません。メールはSMS及びMMSの利用が可能ですが、SMSはソフトバンクどうしのメッセージ交換しかできず他キャリアへは送信できません。MMSはソフトバンクでいうところのS!メールです。MMSはオプションサービス扱いです。
プリスマは、通話、メール及びパケット通信を利用できます。但し国際ローミングには対応しません。メール、3Gパケット通信及びソフトバンクWiFiスポットがセットのプランになっています。2日プラン(900円)、7日プラン(2,700円)及び30日(7,000円)プランの三種類があります。例えば2日プランの場合、2日間はパケット通信、MMS(S!メール)及びソフトバンクWiFiスポットを利用できますがそれを過ぎてしまうと通話(SMSは除く)以外利用不可になります。
プリスマは、短期間(2日、7日、30日という単位)での利用が必要になった場合に便利ですが、毎月そこそこ使うとしたらポストペイ契約の方が経済的です。もし007SHを端末の味見をするだけというユースケースにもピッタリです。しかし、007SHは、味見をしてみると結構いいので、通常契約に移行して使い続けたい気持ちです。しかし、ソフトバンクは、プリスマの電話番号をポストペイ(いわゆる通常契約と言われることもあるらしい)に変更する手続きを提供しません。但し、プリスマ契約日から1年経過後(未経過の際は違約金発生)であれば、MNPならばOKです。
※ SIMフリー端末でプリスマSIMを使う(未実験):
ソフトバンクプリスマのSIMをSIMフリーの携帯電話端末で利用することが可能です。S!のMMSの設定情報がわかれば、それを設定することでS!が利用可能になります。また、プリスマのAPNを設定すれば、パケット通信も可能になります。
プリスマ007SHのSIMをプリモバイル301Zに挿入すると、「挿入されたUSIMは、この携帯電話では使用できません。有効なUSIMを挿入してください SOS」と表示されて使えません。
プリモバイル301ZのSIMをプリスマ007SHに挿入すると、「USIMエラー 挿入されたUSIMは、この携帯電話では使用できません。有効なUSIMを挿入してください。」と表示されて使えません。
■4■ ソフトバンクブランド端末のガチガチの不便を知っておこう
4.1 機能制限ロック解除で電話ではなくなる
「圏外状態が一定期間経過したため、ロックされました。電波の届くところへ移動してください。」と画面に現れるのだそうです。SIMの回線契約が有効でなくなると、機能制限がかかり、ワンセグの視聴、カメラ、データフォルダ、WiFiなどほとんどの機能が使用できなくなります。ソフトバンクは、次のことを確認できた場合にだけ、端末の機能制限ロックを無料で解除してくれますが、機能制限のかけ直しには応じません。機能制限を解除した端末は、もはやソフトバンクのSIMを受け付けません。
・対象となる携帯電話機代金の支払いが完了していること。
・携帯電話機本体に不具合がないこと。
・携帯電話機本体のIMEIが確認できること。
もう一度ソフトバンクと契約したSIMでスマホとして利用する予定及びその端末を売却する予定がある場合には、機能制限ロック解除をしてしまいますと、思わぬことになってしまうでしょう。
2014-06-29現在、機能制限ロック解除対象機種は、009SH(Y含む)/007SH(J/KT含む)/006SH/005SH/003SHだけで、これ以外の機種についてソフトバンクは、機能制限ロック解除しません。あるいは、もともと機能制限ロックされていないかもしれません。
4.2 キャリアロック(SIMロック)
ソフトバンクブランドの端末は、ソフトバンクとの契約のあるSIMでないと受け付けません。
4.3 SIM種別ロック(SIMロック)
ソフトバンクブランドの端末とソフトバンクが想定しているサービスで契約したSIMとの組み合わせが一致しない場合には、機能しない。ソフトバンクブランドの端末とソフトバンクが想定しているサービスで契約したSIMとの組み合わせが一致している場合には、機能します。たとえば、プリスマのSIMをプリモバイル端末(e.g. 301Z)に挿したら機能しないし、プリモバイルのSIMを007SHに挿したら機能しない。
4.4 SIM個別ロック(SIMロック)
ソフトバンクブランドの端末とソフトバンクが想定しているサービスで契約したSIMとの組み合わせが一致していても、物理的に別のSIMの場合には、機能しないというロックが世の中には存在します。ソフトバンクでは、このロックは利用していないらしい。(ちなみにこのロックはauが利用しています。一部のauスマホでは、このロックを利用していないらしい。)
■5■ アンドロイド端末が備えている追加ロック
【 nand lock 】
nand lock とはアンドロイドのROM領域の改変を制限する仕掛けのこと。
/system を rw でマウントできないようにすることもそのひとつ。
アンドロイド端末においては、設定、ユーザーデータ及びデータファイルが内部の読み書き可能のNAND記憶と呼ばれるフラッシュメモリに格納されます。多くのアンドロイド端末は、音楽や画像等のユーザーファイル格納用に外部メモリカードを挿せるようになっています。アンドロイドOSは、キャリア又は端末メーカ独自の追加が、読み出し専用メモリ又はROMに格納されています。読み出し専用メモリの内容を一部変更するということができませんので、追加及び削除は、カスタムROMでデバイスのROM全体を置き換えるという方法になります。
アンドロイドデバイスに電源が投入される際、ブートローダーと呼ばれる小さなプログラムがデバイスのセキュリティ設定を見てからアンドロイドOSを走らせています。もしもセキュリティが "S-ON" に設定されている場合、ブートローダー君は、アンドロイド構成の設定を記録してあるNANDメモリの一部を読み出し専用型式でローディングします。あるデバイスにおいては、セキュリティが "S-ON" に設定されている場合、ブートローダー君は、ROMのバージョンが想定通りのキャリアであること又はそのデバイスの想定通りの製造社でないかぎりアンドロイドを走らせません。カスタムROMを導入するには、セキュリティ設定を "S-OFF" に変更して、電話機のNANDロック解除(ブートローダーアンロックとも呼ばれる)を必要とします。
【 miyabi LSM 】
LSM とは、Linux Security Module の略称です。LSMは、カーネルにセキュリティ機能を拡張するためのフレームワークです。LSMが何らかのセキュリティ機能を提供するわけではありません。LSMを備えたカーネルならば、LSMを介して、カーネルの外側にセキュリティモジュールを作ることができるということです。こうすれば、カーネルをリビルドすることなしにセキュリティ機能を拡張することができるということです。
■6■ 007SHのUSB
007SHの使い勝手についてネットに書かれていることのひとつに、USB通信ケーブルとUSB充電ケーブルのことがあります。これは、具体的には下記となります。
1.PCからだとUSBケーブルで充電できるのにACアダプタからだとUSBケーブルで充電できない。
2.ACアダプタからの充電にあたって、充電に使えるUSBケーブルと使えないのがある。
007SHのUSB充電は、気が利かない面倒くさい仕様です。なぜ007SHのUSBがそうなるのか、技術的背景は、下記のウェブサイトを見れば理解できると思います。
USB充電ケーブルの基本を知っておこう
http://blog.livedoor.jp/an_square/archives/51762384.html
つながっているのはACアダプタ、それともUSB端子
http://news.mynavi.jp/column/androidnow/005/
P-01Dが充電できないUSB機器(ケーブル含む)がある問題の真の理由と対応
http://mkohsgw.at.webry.info/201209/article_12.html
P-01Dで充電できない問題解決!SC-02E等でも全て充電問題を解決出来るケーブル発見!
http://mkohsgw.at.webry.info/201303/article_7.html
■7■ なんちゃってroot化の方法
SHbreak V4 という野良アンドロイドアプリを使うと、root 権限を取得することができます。
http://cojiki.blogspot.jp/2014/03/is11nis11shshbreak-v4root.htmlぷち nand unlock ( /system を rw で remount できるわけではない)できます。
そして、ISTweak というアンドロイドアプリを使い、suコマンドを有効にして、止めたいアプリを凍結することができます。ただし、消せないけど使わないアプリをアンインストールすることは、できません。再起動すると root 権限は消失します。
■8■ 永久root化の方法
シャープ製アンドロイド端末の root 化は、できないとか、/system 書き込み可能にするべきでないとか、使わないapkを凍結するところまではできるが削除することはできないとか、そういったネットの書き込みが多く見られますが、シャープ製ソフトバンクブランド端末 007SH は、他の多くのアンドロイド端末(XPERIA, Galaxy, ...)と同様に root 化可能です。小生は、下記の先達の成果を利用させていただき、root 化させていただきました。そのサイトには、root化、nandunlock及びMIYABI-LSM無力化は、可能であり、SIMロック解除は不可能だとあります。
007SHは、メモリが狭くてモッサリしたり、エラーがポップアップするので、使わないアプリは入れない方がいい。そして、購入した最初からアンインストールできないように入れてあるプリインストールアプリは、root化して削除するのが合理的だと言わざるを得ません。小生は、root化して、無駄にメモリを占拠しているだけの使わないアプリ約40MBくらいを削除しました。メモリ使用状況を 007SH の設定メニューのアプリケーション管理で見ると下記のとおりでした。
☆実行中RAM:実行中の表示において、142MB使用中で54MB空き
☆内部ストレージ:ダウンロード及びすべての表示において、185MB使用中で101MB空き
root をとれる 007SH にする為のざっくりした段取りは、次のとおりです。
1. SoftBank AQUOS PHONE THE HYBRID 007SH について一般情報を入手しておく。
たとえば
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/android/1340532074/
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/android/1335677151/
2. 自分の007SHのバージョン等現状の構成を確認(メモ)しておく。
3. Android SDK をインストールして007SHをPCからadbできるようにしておく。
007SH用USBドライバーが必要な場合には下記ダウンロードサイトから持ってくる。
http://k-tai.sharp.co.jp/support/download/s/#!/soft_utility
4. "007SH root WiKi"から必要なファイルをダウンロードしておく。
"007SH root WiKi"
http://www48.atwiki.jp/007sh/
にある 003/005SH Uploader
http://chisa.dtdns.net/005sh/から
[file54.lzma]
rootkit 12/08/28 003SH/005SH/DM009SH
25014 KB
12/08/28-21:25
rootkit_20120828.tar.lzma
及び
[file55.lzma]
rootkit 12/08/28用 007SH対応ファイル
9649 KB
12/08/31-20:27
007sh-rootkitadd_20120831.tar.lzma
の二つを頂戴してきます。
5. [file54.lzma]に[file55.lzma]を加える。
6. root化ツールの使用開始
注意事項:
「003SH/005SH/DM009SH root kit 2012/08/28」のreadme.txtを読んでから作業を始めませう。
7. 007SH端末を電源ONにしてUSBケーブルでPCに接続して start.cmd を起動する。
[file54.lzma]を解凍するとそこに下記のフォルダとファイルがあります。
config folder
files folder
src folder
readme.txt
readme_007SH.txt
start.cmd
7. 一時的にrootを取得したよん、という意味のメッセージが出る。
どれかキーを押すと続く
メインメニューが現れる
8. 現在007SHに入っているブートイメージ及びリカバリイメージをバックアップする。
メインメニューの1を選択。
/sdcard/backupimages/にバックアップが作られる。
その後、それらのファイルは、PC側のrootkitを入れてあるフォルダの中のfilesフォルダの中に、本日の日付及び時刻を名前にしたフォルダが作られて、以下のファイルがコピーされます。system.tarは449MBでsystem.yaffs2.imgは528MBもあるため1時間位かかる作業です。
boot.mtd.img
nandroid.md5
recovery.mtd.img
system.tar
system.yaffs2.img
9. リカバリ領域にカスタムカーネルを書き込むことにしますので、メインメニューの1カスタムビルドを選択。
要するに、007SHに今入っているboot及びrecoveryのimgファイルに対してrootパッチをあててcustombuild-0048.img (約11MB)を生成して、007SH_root¥files¥images¥007sh¥本日の日付¥custombuild-0048.img としてファイル化するわけです。
どれかキーを押すと続く
ダイアログが出てくるのでバックアップしたbootのイメージを選択する
どれかキーを押すと続く
ダイアログが出てくるのでバックアップしたrecoveryのイメージを選択する
10. 最初は、上記9で生成したimgファイルを007SHのリカバリ領域に書き込んで動作確認します。
11. rootkitでリカバリ領域から起動を選ぶ。
12. 動作確認する。
例えば Root Checker アプリか何かを使ってrootになれるか確認してみませう。
例えば 007SH を USB で PC と接続して、$adb shell して su してみませう。
下のスクリーンショットは、おまけです。rootkitで既にSuperuser.apkがインストールされているのだけれども、SuperSU.apkもインストールしちゃってしかもBusyBox.apkもインストールしたあとRoot Chekderを起動させるというイタズラをしたところです。
13. 動作確認できたら、
007SH_root¥files¥images¥007sh¥本日の日付¥custombuild-0048.img
を今度はboot領域に書き込みます。
(これで、カスタムリカバリモードが使えるようになります。カスタムリカバリモードにするには、007SHが起動中にSoftBankロゴが出ているときにキーボードのホームキーを7~12秒間押せとrootkitのREADMEに書いてあった気がするのですが、今までに3回位カスタムリカバリの画面を出せましたが、再現性が低いです。また、このカスタムリカバリ機能は、有名なCWMと違って、SDカードに置いたZIPをフラッシュする機能等はありません。)
■9■ 007SHの永久root化したあと気になったこと
9.1 suバイナリが古いです
rootアプリを使ったら「#」マークが出て「suのバイナリが古いです」とのメッセージがあり、更新すると失敗してしまうという現象があります。なんで失敗するのか原因に近づくために下記のとおり少々実験を行いました。
まず which su すると /sbin/su と返ってきます。
そこで ls -l /sbin/su すると、
-rwsr-sr-x 1 root root 26260 Jan 1 1970 /sbin/su
と返ってきます。タイムスタンプが 1970 というのが少々気になります。
試しに Busybox をインストールすると、導入された su コマンドは /system/xbin/su に入ります。
ls -l /system/xbin/su すると、
-rwsr-sr-x 1 root root 125420 Jun 29 08:11 /system/xbin/su
と返ってきます。こちらの su コマンドのタイムスタンプは、インストールしたときになっていますから正常で、気になるところは特にありません。しかし、こちらの su プログラムのサイズは、/sbin/su より随分大きいことが気になります。
ではちょっと確認のためいたずらしてみます。
rootkit で /system を rw で remount し、下記の二行を実施します。
# mv /sbin/su /sbin/su.orig
# cp /system/xbin/su /sbin/su
この状態でしばらく007SHをいじってみましたが、「#」マークの警告は出なくなりました。
しかし、Superuser アプリの info を見ると、/sbin/su が赤字のままでした。
次に、007SHを再起動してから ls -l /sbin していますと、
-rwxr-x--- 1 root root 109696 Jan 1 1970 adbd
lrwxrwxrwx 1 root root 8 Jun 30 08:09 au -> /sbin/s
-rwsr-sr-x 1 root root 26260 Jan 1 1970 su
lrwxrwxrwx 1 root root 7 Jan 1 1970 ueventd -> ../init
と返ってきます。
コピーしたはずの su 及び su.orig が消えています。
以上の実験から「もしかすると、カスタムROMは、起動する毎に、RAM上に /sbin を生成して、どこからか su コマンドを送り込んで/sbin を ro にしているのではないか、ro だから /sbin/su を更新できない」と原因を予想してみました。
007SHのAndroid OSの /data/vendor の下を見ると下記のスクリプトが見つかりますから、たぶん予想は、当たらずとも遠からずではなかろうかと。
/data/vendor/etc/scripts/nandunlock
/data/vendor/etc/scripts/startup.sh
/data/vendor/bin/resetmiyabi.sh
/data/vendor/bin/misc/su
/data/vendor/bin/misc/inst_su.sh
この予想が100%合っているとすれば、/data/vendor/bin/misc/su を最新に交換してしまうだけでよいのかもしれませんが、時間が無くなったので実験するのはやめました。もしかすると、カスタムROMのブートローダーの動作を仕様変更する必要があるのかもしれませんからね。確証ありません。
現時点での対応策としては、Superuser の info 画面にある outdated binary notification のチェックを外す、ということだけにするのが正解なんだろうと思います。
ご参考:ガジェットな日々 http://blogs.yahoo.co.jp/win5525y/31004257.html
9.2 ダイエットしても未だメモリ足りないよ
007SHもそうなのですが、メーカーやキャリアーは、全ての人々に是非利用してもらいたいとしてプリインストールしているアプリがたくさんあります。これらのプリインストールアプリは、明らかに、端末や網利用者全ての人々に必要だとは限らないのは自明なのにプリインストールされています。全く害が無いなら我慢もしますが、害が出る場合があるので困ります。たとえば、プリインストールされたアプリを介してキャリヤーやメーカーが勝手に提供を始めたサービスが勝手に終了しているため、単にメモリを消費しているだけの厄介者になります。また、サービスは継続されてるとしても全く興味が無い人々は利用しませんから同様にメモリを消費しているだけの厄介ものです。メモリを消費すると何が悪いかというと、たとえば007SHは、メモリ容量が少ないので、利用者が本当にインストールして利用したいアプリが入らないという致命的な邪魔者になるわけです。しかも、アンドロイドのアプリは、なぜか、アップデートの頻度が高いうえにその都度容量が増えるという傾向があるため、新しいアプリを追加していないのに既存のアプリをアップデートするだけでメモリが満杯になることがあります。007SHを工場出荷状態、すなわち利用者の追加アプリなしの状態で、こないだ(2014年6月現在)Playで見るとアプリのアップデート通知が来ているので、すべて更新ということをやったところ、まだ未更新のアプリがたくさん残っているにもかかわらず、メモリが満杯だというエラーが出てしまいました。007SHは2011年発売の機種ですから、(2014年6月現在)この製品の寿命は3年だということです。電子機器の進歩は早いとは言っても、購入時点で満足していたのに、そのまま長く(3年以上という意味)利用することが前提になっていない商売というのは、常識的に社会の不健全を感じざるを得ません。
プリインストールされている多くのアプリは、システムアプリとしてインストールされてしまっているため、利用者にはアンインストールできません。しかし、長く利用し続けるには、root 権限を取得して自分で消すしかないでしょう。だから、root権限をとって先ず行うことは、全く使わないアプリを消してメモリを開放するとです。
小生は、メールクライアントアプリとしてK9ひとつでよいので、プリインストールされていたGMailアプリ及びEメールアプリは全く必要ありません。だからアンインストールしました。他にも小生は全く使わないアプリがたくさんありましたので消しました。その結果、メモリは開放されて、空き容量70MB程度に増えました。以前よりもサクサク動くようになりました。しかし、アプリを3つ4つ起動していると「アプリが反応しないから終了にするか待機するか」と問うエラーメッセージが現れたり、とにかく重たくもっさりし始めます。
ダイエットしても未だメモリ不足には違いありません。使用頻度の低いアプリはSDメモリカード移動というのやったり、更新したアプリの更新部分だけ削除しました。
9.3 SIMロック解除
いわゆるガラケー用に中国製「SIM下駄」なるものが売られているらしい。薄いフィルム上のプリント基板で小さいICが乗っていてSIMと端末との間に入れて使うものらしい。製品名は、
Sim Unlock Card, i-smartphone 3G Storm です。パッケージはこんなデザインで名刺大です。秋葉原で探してきました。500円でした。個人輸入することを考えるとリーズナブルな値段だと思います。
SIM下駄にはICが搭載されているので、SIMを切り欠いてICのはまる場所を確保します。SIM下駄には電極がありSIM及び007SHと電気的に接続されねばなりませんので、SIM下駄の電極を覆っているであろう酸化皮膜の除去が必要です。更に、SIM下駄は、とても薄いので、SIMと重ねて007SHに挿入するとき十分丁寧に慎重にやります。
SIM下駄を間にかませて、b-mobileの通話+データ通信し放題(但し速度上限150kB/s)の契約のnano SIMをプラスチック製アダプタを使って利用しました。SIM下駄のICを逃がすのにプラスチック製アダプタを加工できるので、SIMにダメージを与える心配から開放されました。
b-mobileは、ドコモのMVNOなので007SHには、ドコモと表示されました。アンテナピクトが白い色をしているのは、まだGoogleアカウントの認証が未だであることを示しているらしい。また、隣に3Gアイコンが現れていないのは、APNの設定が未だだからです。
APNの設定を行います。b-mobileの場合ユーザー名の@の右はいろいろあるようです。
APN:bmobile.ne.jp
ユーザー名:bmobile@aeon
パスワード:bmobile
MCC:440
MNC:10
認証タイプ:PAPまたはCHAP ※設定可能な場合
PDP type :IP ※設定する必要がある場合
以上が本来の正しい設定なのですが、MCC及びMNCを正しく設定するとAPNが保存されないどころか消失してしまうという奇妙な現象があります。それで、MCC及びMNCをいじらない(MCC=001, MNC=01のままとする)でAPNの設定を完了させました。
/system/etc/apns-conf.xml をテキストエディタで修正してしまえばよいのかもしれませんが、未だ実験してません。
それから、このSIM下駄は、ローミング扱いで機能させる戦略になっているようなので、007SHのモバイルネットワーク設定でデータ通信及びデータローミングにチェックを入れて、3G/GSM設定は3Gを選びます。ちなみに、ワンセグアプリは機能しませんでした。どういうことか勝手類推してみますと、ローミング(この場合国際ローミングという意味で言っています)なのでデジタルテレビ放送方式が日本と違う可能性(あくまで可能性であり同じ方式を同じ周波数で導入する国は無いとは断言できないという意味)があるので、映らないのか故障なのか質問を抱かせたくないし、もし質問が来たら説明なしの定形文回答で済ませたいから、こういう変てこな仕様なのだろうと思わざるをえません。
APNの設定を行い画面を見ると、ご覧のとおり、アンテナピクトが緑色になっており、また3Gアイコンも現れて緑色になっています。3Gアイコンの下にある二つの矢印↑↓が緑色なのはアップリンクダウンリンクともにデータ通信が行われている最中であることを示しています。
アンテナピクトのところにRという文字が現れていますが、ローミングの頭文字です、即ちローミング扱いだということです。ローミングには二種類あります。一つ目、昔ソフトバンクがボーダフォンだったときのその前、J-PHONEだったころ、日本の中に複数のJ-PHONE地域会社があり、ローミングしていた時期があります。その頃は、関東契約のJ-PHONEで関西へ行くとローミングでしたから携帯電話の画面にもローミングが示されていたものです。二つ目、国際ローミングです。国際ローミングだとソフトバンクの電波ではありませんが圏外でもありません。どういうことかと言えば、ソフトバンク特有の、圏外が長く続くと自動的に機能制限モードになってしまい、端末の位置登録通信を正常に完了するまで端末を利用させないという仕掛けを回避できるの*かも*しれないということです。1ヶ月程したら判明することでしょうから、そのとき、このブログを更新しようと思います。
発信は全然違和感ありません。
着信は、致しますが、電波の届かないところにおられるか電源が切れていてつながりませんという状況になることが多いので、実用的とは言いがたい状態です。
パケット通信は、APNの設定に違和感がありますがそれでも普通にできます。
rootとってありますのでテザリングも当然OKです。
EMOBILEのGL07Sというソフトバンクへのローミング機能を有する機種で契約したSIMがあるので、そいつだったら着信も普通にできるかどうか、とても気になりますので、実験で確認してみました。実験結果から言うと、SIM下駄により007SHはSIMを認識するのですが、ソフトバンクが網側で拒否しているらしく(想像です)、3Gネットワークに接続できませんでした。おそらくGL07S用にEMOBILEが発行したSIMの場合には、GL07Sという端末以外は、ソフトバンクの網に接続させないことになっているのではなかろうかと思います。なので画面上は圏外です。なので解約されたSIMが入ったままの007SHと同じ状況です、この場合、ワンセグは機能しますが、圏外状態でワンセグ機能を利用していると、およそ1か月後(らしい)に突然、007SHに組み込まれたソフトバンクお得意の機能制限ロックという時限爆弾が起動して全ての機能を自動的に封印してしまいます。ソフトバンクのロゴは印刷されてますが、利用者が購入した端末でありワンセグ放送はソフトバンクとは関係ないはずなのに、ソフトバンクの端末に組み込まれた時限爆弾が勝手にしかも突然何の事前説明もなしに封印という理不尽きわまりない暴挙に出るわけです。ソフトバンクは、無料で封印解除に応じるとしているものの、ワンセグ等の機能制限(封印)解除と同時に、勝手に電話機能を封印して二度と電話として利用できなくされるそうです。なんだかとっても感じ悪いと思います。
007SHとは無関係の話題になりますが、このSIM下駄をガラケーで試してみました。
●P2102Vの場合は、FOMAのUSIMを入れろよと言わなくなりますが、see you という画面が現れて再起動繰り返しという状況でした。
●SH906iの場合は、一番最初だけはきちんと起動してアンテナピクトもちゃんと表示されて画面にはSoftbankとキャリア名が表示されましたが、電話を着信させてみると圏外表示となりSoftbankという表示も消えてしまい、電話をかけている側には「電源が切られているか電波の届かない・・・」というアナウンスとなりました。
●P903iの場合は、FOMAのUSIMを入れているときと同様に起動し、発信できるのですが、全く着信できませんでした。
●F901iCの場合は、圏外。
●NM706iの場合は、発信機能及び着信機能が完璧に機能いたしました。SMSの送受信もできました。