趣味多忙日記

リアルに作るだけが模型じゃない、思うまま気ままに模型製作。
鉄道模型/鉄道ゲーム/鉄道実写に関する話題等

noteは毎日更新中!

https://note.mu/karanda_videos
本ブログは毎週水曜更新中!

ベネルクス国境の旅(15)帰国日に、事件発生

2018-10-07 19:57:04 | ★2018ベネルクス国境の旅
>>2018ベネルクス旅行の目次はこちら



■大陸の、夜行列車をみる

9/13(木)の朝。本日17時過ぎの羽田便で帰国します。

コブレンツからフランクフルト空港までは、インターシティで2駅、約1時間の距離です。

今日は雨。本当は、コブレンツの観光名所ドイチュスエッグを眺めて帰ろうかと思っていましたが、

雨では仕方ありません、フランクフルトに早めに移動して、中央駅で列車を眺めることにしましょう。


で、まずは早朝のコブレンツ駅から。

二日連続早起きですが、今度はコブレンツ駅を7時8分に出発する

夜行の豪華列車『ナイトジェット』を見に行きます。


ナイトジェットは、オーストリア国鉄の運営する夜行列車です。もともとはオーストリアと周辺諸国を走っていたそうなのですが、

2016年にドイツ鉄道が夜行列車をすべて廃止した際に、いくつかの路線を引き取って運行しているのだそうです。

オープン・アクセスだと、こんな芸当もできてしまうんですね。JRバスの廃止路線を名鉄バスが運行するような感じでしょうか。


現在も結構本数が走っており、現在も夜行列車網を拡大させている頼もしい存在です。

(見てもアレかもしれませんが、公式ホームページ https://www.nightjet.com/en/

コブレンツには7時6分の到着です。発車案内では「EN(ユーロナイト:ドイツ鉄道が運行していた夜行列車)」として案内されていました。

ホームにあがると、既に到着していました。



これが、ナイトジェットです。

一晩走ってきて、小休止といった感じ。




いいですね、寝台列車が走っているという事実もそうですが、

よーく見ると古いのから新しいのから、色々なタイプの客車が連なっていて

ブルートレインとはまた違った趣がありますね。




9両編成でしょうか。一部にオーストリア国鉄カラーの客車が挟まっていますが、あれは座席車でした。

夜行寝台列車ですが、寝台車から座席車まで、様々なタイプの客車で需要にこたえますといったところでしょうか。




ところで、前のほうを見ると、何やら客車ではないものが。




おー!車運車ですよ!

この列車、自動車も一緒に運んでしまうんですね。

日本でも一昔前まであった「カートレイン」のようなものでしょう。




車運車があり、ごちゃまぜ客車が連なり…

この、何でもありの、ごった煮感が

ヨーロッパらしいと思うのですが、どうでしょうか。

なお、内装はきちんと改装されていて、動くホテルと形容されているので、ご安心ください。




牽引はオーストリア国鉄のタウルス型機関車です。

こんだけの長編成を1両で牽引できる、パワフルなやつですが

その気になれば200キロ以上の高速も出せる、ツワモノとのこと。




車運車3両も繋いでるんですね。しかも、雨ざらしw

日本のカートレインは、すべて有がい車にフォークリフトで乗せていたと思いますが

そこらへんは、法律とか考え方の違いなのでしょうね。

(機関車次位の車運車なんか、パンタグラフから飛んでくるスパークやら何やらで、汚れないのでしょうかw)

oebb NightJet leave from Koblenz




■コブレンツからフランクフルトへ…行けなかった

さて、ホテルで準備を済ませ、チェックアウトして再びコブレンツ駅へ。



昨日お世話になった、ルクセンブルク国鉄の2階建電車が停まっていました。




かっちょええんだかどうなんだか…微妙なデザイン(嫌いではないですが)


で、この電車、行先がなんとデュッセルドルフ



どうやら昨年11月に、ルクセンブルクからデュッセルドルフまで直通便が設定されたようです。

デュッセルドルフって、ここからあと2時間ぐらいあると思いますけど。結構な長距離を走るんですね~

(日本だと、線路使用料がどうだ、とか問題になりそうな運行です。ルクセンブルク国内を走るのは30分ぐらいのものですからw)




ドイツ鉄道の車掌さんが犬をかわいがる之図

割とよくみた光景です。


※ドイツ鉄道の車掌さんの特徴

・喫煙率が高い(インターシティ発車前のホーム、喫煙所に行けば大概いますから、何か聞きたいことがあれば喫煙所に行くのがいいですw)

・動物をかわいがる(野良犬、野良猫、ホームでかわいがる姿はよく見かけます)

・何か悪いことがあると、あからさまにテンションが下がるが、ぎりぎりまで言わない(なんとなく雰囲気でわかることはある)



さて、本日はこの旅ではじめてICE、インターシティ・エクスプレス(イーツェーエー)に乗車します。

ドイツ鉄道の誇る最高サービスの、フラッグシップトレインですね。

座席指定は2列窓側の席でしたが、既に先客がいて(しかも、男性が奥さんと二人で座っていて)

私が通りかかるとあわててコーヒーをもって動こうとされるのですが、一人掛けの席が全然空いてましたから、

ノーノー、オーケーオーケー!エンジョイトリップ!アイヒア~と言って席を譲ったところ

あとで通りがかりに、Thanks kind!といって、5ユーロを置いていきました。なんていい人だ。

※5ユーロは座席指定料金です。




ICE、すごいですよ、乗車したとたん車掌さんからメニュー渡されるわ、コーヒーでてくるわ

注文すればビールや食事も席でできるんですね。

残念ながら朝食を食べてきたので、おなかいっぱい、

コーヒーをもらって(コーヒーも紙コップとかではなく、ちゃんとした食器のガチのやつ)ドイツの車窓を眺めておりました。


と、何やら車掌さんがドイツ語で、にゃらにゃらにゃら~としゃべっています。

おっと?不穏な空気だぞ?


やがて、止まりまして。動く気配がなくなります。

おっとぉ?と思っていたら、英語放送で、この先の線路に重大な何かがあって、フランクフルト方面へは行けなくなった。

我々はいったん、コブレンツ駅に戻る、申し訳ないが、急いでいる人はこの駅で、タクシーに乗り換えてくれ、と

ええええええええ


確かに、DBナビゲーターを見ると、1.5時間遅れの文字が



そんなこと、ある?

コブレンツまでもどって、その先どうなるの?と聞いたら

線路点検が終わるのを待つ、とのこと。

なるほど、それまでレストランでも…ってことですかね

いやいやいやいや、それで点検終わらなかったらどうするのさw


飛行機は17時。まだまだ余裕はありますが、戻るのはなんとなく不安だったので、ここで飛び降りました。

本来はICEが停まるような駅ではなく、ホームは低いので、文字通り『飛び降り』ですw


このとき、先ほどの男性が、私のほうにきて、空港へ行くのか?とか、何時のフライトだ?金はあるのか?と

色々親切にしてくださったのです。

そのうち、トラブル大好きドイツ人wですから、1等車の車内の色々な方が、あーしたらいい、こうしたらいいと

教えてくれたのでした。

・この駅から、渡し舟で対岸に渡ると、ローカル線があって

 それなら、もしかしたら動いているかもしれないけど、保証はできない

・コブレンツからケルンに行けば、ケルンからフランクフルトまでの高速線があって

 そっちが動いているなら、それに乗ればいい

 もしかしたらこの電車もそうするのかもしれない。

・タクシーに乗ったほうがいい、払い戻しが受けられるはずだから、窓口で聞いてみなさい

 27号車?に大きい車掌さんがいるから、その人に聞いてみるといいわ

最終的には、やっぱりタクシーがいいよ、ということになって、私は下車を選択したのでした。

降りるときも男性が、幸運を祈る、とスーツケースを下すのを手伝ってくれたり。

いざ自分がトラブルに巻き込まれると、こういったドイツ人のやさしさは、本当にうれしいものです。




で、ここはどこだ?w

グーグルマップをみると、ビンゲン(ライン)駅とのこと。




一応ドイツ鉄道が急遽手配したと思われるPOLICEの方と

DBのチョッキを着た職員さんがいて、安心はできました。

物は試しとDBの方に聞いてみたら、私はセキュリティだから運行のことはわからないとバッサリ。冷たいなぁ


こういうとき、ドイツ人はどうするのかな~と思ってみていたら、

ぞろぞろと近くのレストランに入っていくではありませんか。

どうせ列車が来ないなら、飯でも食ってしまおうと、そういう心構えなのですね。

正解だと思います、人身事故で止まって駅で何時間もイライラするぐらいなら、そっちのほうが正解だね。



■また、人に助けられる


さて、私もそうしようかと思いましたが、やはり空港まで行けるかどうかが不安で。

駅近くのタクシー乗り場に行ってみたものの、タクシーは全部出ていった後。

どうしようかな~と困っていたら、近くのおじいさんとおばさんが、タクシーを手配してくれまして。

(最初は、呼んでやるから金よこせ、的なやつかと思ったんですが、どうやらそうではなく…

 騒がしいから出てきたら、大変なことになっていた、この辺はタクシーめったに通らないから、呼んであげるよ、という親切。

 逆に、チップを渡そうとしたら、ノーノーノー!といって、受け取ってくれませんでした。なんだっけな、ノープロブレム~的なこと言ってた)

ということで、図らずも

“アウトバーンをメルセデスで疾走し、空港に乗り付ける”という

たいへん貴重な経験ができたのですw


本当に、この旅では人に恵まれまして。

タクシーの運ちゃんも、とてもやさしい方でしたよ。

聞いたよ~大変だったね~でもドイツ鉄道はいつもこうだからね、とか

ドイツ人はやさしいでしょ?とか

飛行機の時間は何時?と聞かれて、17時と言ったら、じゃ急がなくていいね~安全運転で行くよ!と

アウトバーンを195キロで“ゆっくりと”走ってくれたりw

最初はドイツ語のニュースを聞いていたみたいなのですが、途中で、これは君はわからないよね?と言って

クラシックかなんかのチャンネルに変えてくれたり。


これは文化の差なのかもしれませんが…

彼ら、前を見て運転しないんですねw

追い越す車に手で合図したりとか、同僚のタクシーを見つけるとなんか話したりとか(195キロでw)

こちらと話をするときも、興味あると平気でこっちをくるっと向くんですw

お願いだから、前向いて…とw

でも、危ないことはまったくなかったので、プロドライバーだなぁ~という感じでした。






無事、14時過ぎにフランクフルト空港到着。

あれ、なんやかんやで出発3時間前ですか、ええ時間になりましたね。

(当然ですが、今更フランクフルト中央駅に行く気力は、残っていませんでした。とりあえず到着できたことがうれしくて…笑)


タクシー料金、300ユーロぐらい請求されるかな~と思っていたら、130ユーロでした。

安くはないですが、60キロの距離を乗ったことを考えると、意外と安い?

(後で調べたら、東京駅から成田空港ぐらいの距離を乗っていたみたいです。東京駅から成田空港ってタクシーでいくらだろう?)




何にしても、無事ここまで来ることができて、感無量なのであります。

そしてこれは同時に、5泊6日ベネルクス旅行が無事遂行されたということでもあります。

すべて自己手配の旅、色々なことがありましたが、

こうして何事もなく(何事は、ありましたが…ともかく)出発地点に戻ってこれたのは、とてもうれしかったです。

こんなに達成感のある旅は、はじめてですよ。


最後に、お土産を買って、時間が少しあったので

初日に行かなかった、Frankfurt flugharfen fernbf駅を見て、帰国しましょう。


■帰国



の前に、腹ごしらえ、カリーブロストですよ。めっちゃうまいぜ。




はい、こちらが、Fernbf駅(長距離列車駅)です。

ね、めちゃんこ綺麗です。


向かって左のエレベーター、満員で、1階と2階の中間に停止してましたが、

あれは、大丈夫だったのだろうか…笑





旅のラストにICE。結局、6日間いて1時間ぐらいしか乗らなかったですね~、ICE




さて、帰国します!

出国手続きを終えた先で、バイスブローストとビア






ふたたびLufthansaで、羽田へ。

帰路を羽田にしたのは、フランクフルト-中部便が飛ぶ日が限られることと、中部に朝8時という微妙な時間設定のため。

羽田便なら、フランクフルト17時で羽田に13時着ですから、その日のうちに時差ボケ解消しつつ、自宅に戻って片付けが十分できるのです。


で、10時間のフライトを終えて、羽田に到着。

(私の席のモニターが壊れていて、10時間暇を持て余しました…ほとんど寝てたから、まぁいいですが)


羽田の入稿審査、お役所~って感じが、やっぱり日本ですね。

早速トイレのウォシュレットではしゃいでいる外国人を見ましたw

日本ですね~。




空港駅で。お!黄色い京急がお出迎えです!

なんかいいことあるな。




SHINKANSENで羽島へ戻る。

(前のサラリーマンさん、その恰好ができるのは、日本だけですよ~と、心の中で忠告)


さて、長いようで短いようでな5泊6日(初日の中部空港宿泊も入れると、6泊7日)の旅がおわり。

多くのことを、学んできました。

自己手配で、海外の国境鉄道を乗りまくる、という経験は、なかなかできることではないでしょう

したい人も、いないかもしれませんが…w

とにかく、この経験を、一人でも多くの方に共有したいと思いますし、

これを読んで、ちょっと行ってみようかな…という方が一人でも増えてくれると、面白いかなという思いで

ここまで、書いてきました。


鉄道模型をやっていても、圧倒的に日本型が中心で

海外の鉄道って、人気ないんですよね。なんでかわかりませんが。。

もっと鉄道趣味を通じた、日本と海外の交流が盛んになるといいな、と

そのきっかけに、本ブログが役立つと嬉しいな、と思いながら

いったん完結させたいと思います。


書くのもなかなか大変でした…でも、書きながら色々調べるのも楽しかったです。

来年は、どこの国に行こうか。

とりあえずベルギーの鉄道は、もう一回ちゃんと見ておきたいな、と。


これからは、旅の中で感じた

私の目から見た、日本と海外の文化、鉄道の違いだとか

未公開になっている写真の公開とか

出発からおよそ1か月経ちましたので、今思っている反省点とか

そういった内容で、ぼちぼち記事を更新していければよいなと思っています。





(で、これ、本にしたいw)


★2018ベネルクスの旅 各記事へのリンク★
(序)準備編~ドイツまで
(1)ドイツからベネルクス入国まで
(2)リエージュの吊り掛け電車達と、オランダ国境の街
(3)ベルギーを大移動、屋根のない博物館へ
(4)芸術の駅へ
(5)芸術の街からオランダへ
(6)オランダは自由の国(いろんな意味で)
(7)風車の村
(8)フリッツァー事件
(9)アムステルダムで鉄道を見る
(10)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(散策編)
(11)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(鉄道博物館編)
(12)ドイツへ戻る。。。。
(13)コブレンツと、ルクセンブルク(前編:鉄道編)
(14)ルクセンブルク(後編:観光編)
(15)帰国日に、事件発生<本記事>
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベネルクス国境の旅(14)ルクセンブルク(後編:観光編)

2018-10-07 01:45:14 | ★2018ベネルクス国境の旅
>>2018ベネルクス旅行の目次はこちら


■未知の国、ルクセンブルクを旅する

<はじめに>

今回は、ルクセンブルクを観光します。かなり写真の量が多くなりますが、

これでも、ルクセンブルクの魅力の、半分も伝えきれていないと思っております。

これを見て、興味を持ったら、是非一度、旅行のプランに

小さくて魅力的な、ルクセンブルクを加えてみてください。

絶対に!行って損はしない街、だと思います。


***




ルクセンブルク駅に到着したところから旅はスタート。

写真の列車は、国内列車だと思います。


まず、ルクセンブルク観光には

「ルクセンブルクカード」が絶対便利。これは、

国内のバス・鉄道がすべて乗り放題となる切符で、なんとたったの13ユーロで利用可能!なんです。

市内じゃないですよ、国内のバス・鉄道すべて乗り放題。

さすが金融国家、公共サービスが充実しているんですな。


これ、知ってたら、運休区間バスで乗り継いでベルギーに抜ける、という旅もできたなーと

思ったり、思わなかったり。




ルクセンブルクカードは当然、ルクセンブルク駅で購入可能。

ホーム側からみると、かわいらしい駅舎がひょこっと顔を覗かせています。

何度も書きますが、とても一国の首都の駅とは、思えませんねぇ…。

アムステルダム中央とか見てきただけに、余計に…です。




駅前広場から。

こじんまりとしていながら重厚な駅舎です。




駅前広場の商業ビルはCFLの本社らしい。

ちなみに、前回旅行の時は、DBの本社を見てました。

くらべるのは、よくないですが、どうしても規模の差を感じてしまいます、小さい国家なので当然といえば当然ですが。

(ちなみにDB本社は↓です。小さく掲載しておきます…笑)




駅前広場も、日本の地方都市のように、小さなバスベイの向こうは幹線道路なんですが、

その駅前広場がすごかった。



これ。バスが、充電している。

電気自動車なのかな?いや、電気自動車なのでしょう。

走る音が完全にVVVFでしたから。

ここでパンタグラフを揚げて、充電して走るしくみ。先進的ですね~


このような3連接バスもばんばん走っていましたよ。



どのバスも大変混んでいまして。

まぁ、ビジターでも13ユーロで乗り放題なら、使いますよね

駅から歩いて中心を目指す観光客は、ほとんどいないようでした。

(私は、街並みが楽しみたいから、いいんですけども)




駅前から続く街並みはこんな感じ。

行ったことはないですが、どこかフランスのパリのような

そんな雰囲気でした。


で、歩いてる人、座ってる人、運転してる人…

みんなおしゃれなんですよ。

金持ち国家なだけのことはある。




もうここだけで観光地になりそうな雰囲気ですが…

これは観光地でもなんでもない、ただの街並みです。ええ。




どこまでも落ち着いた街並みが広がります。

もっともこれは大通だけのようで、裏道に入れば、それなりの歓楽街も存在するようなことが

Booking.comのレビューなどで散見されましたが。


駅前から大通りを歩くと、途中で道が二手に分かれ、その先で峡谷をわたります。

一方は「アドルフ橋」へ続く道、もう一方は「高架橋」へ続く道となっているのですが、

私はまず、アドルフ橋へと続く道を歩いてきました。

15分ぐらいで、アドルフ橋の袂につきます。

すると、予想だにしなかったものが




なんと、アドルフ橋に

線路が敷かれていたのです!

これには、驚きました。

ルクセンブルクで最近(2017年かな?)トラムが開業したのは、なんとんなく聞いていたのです。

ただ、トラムが走っているのは、山の上の金融地区だけで

国鉄駅や旧市街のほうは、まだまだこれからだと思っていたのです。

が、既にアドルフ橋の上は、線路が敷かれていたのでした。

駅前から大量に走っているバスも、近い将来トラムに置き換えられるのでしょうか。




そんなアドルフ橋ですが、近くからみると

なんてことない橋…になってしまいますので

全体像を眺めるべく、もう一つの「高架橋」を目指して、川沿いの道をてくてくと歩きます。

※この橋には、なぜか思い入れがあるのです、絶対に全体像をおさめると、そう意気込んで乗り込んだのでした。




川沿いをてくてくと。

どこまで行ってもこんな感じ。

そこはかとなく流れる上品な香り。うーむ。。




ただ、そろそろこの国、この街の

『本性』を、見ておかないといけません。

さっきのアドルフ橋あたりから、ちらちら見えておりましたが…


実は、ルクセンブルクとう街は



このように

モーゼル川の支流がつくりだした、巨大な渓谷の「上に」造られた

超要塞都市!なのです。

先ほどから広がっていた、綺麗な街並みも、駅も、トラムも

ぜんぶがこの、要塞の上に広がっているのですよ。


だから、アドルフ橋も、高架橋も

実はめちゃんこ高い位置に架かっている。




その高架橋!

圧倒的な高度感で、足もすくむといった感じ。

谷底が写っておらず、高さを感じられないかもしれませんが…とにかく、高い!

約43メートルとのことで、“あの”余部鉄橋とほぼ同じ高さ!なのです。


つまり

余部鉄橋の、あの左右の山の上に

大都市が広がっていると、そう思っていただければ

この街がどのくらい凄い場所にあるのか、想像できるのではないでしょうか。




峡谷周辺は、先ほどまでの大都市がうそのような、大自然

そらそーだ、そもそもが山の中なのだから…




橋の向こうは旧市街と呼ばれるエリアになります。

まず目に入ってくるのは、ノートルダム寺院




からの、憲法広場

この塔は、なんだっけな、大概このような塔は戦没者慰霊とかそのたぐいだと思いますが。


そして



アドルフ橋!

先ほど正面から見たアドルフ橋も、横から見るとこんなん

すげーとこに架かっているのです。




ちょっと画角を変えると、先ほど歩いた街並みが。

とんでもない崖の上にあるのがわかりますよね?笑


そして、このアドルフ橋を撮っている場所は、ペトリュッスの砲台という、少し谷に突き出した場所。

振り返ると




大要塞

旧市街はまるまる要塞の上に築かれた都市なのです。




ところで、このアドルフ橋

どこかで、見たことありませんか?ないですよね、私だけだと思いますが…

実は、これ↓



我が家のメインレイアウト『名越市の風景』の、中央に架かるこの橋

実は、ルクセンブルクのアドルフ橋を参考にして、設計していたのでした。

なので今回は、ある種の聖地巡礼

モジュールの主役として頑張ってくれている橋、そのルーツであるアドルフ橋を、しっかりと眺めたかったので

橋の袂までいきながら、わざわざ遠回りしてこちらにきたのでした。


さて、ここから先は旧市街が広がります。



こちらも、大変に美しい街なのですが、なにせ広い。

なかなか広く、歩いてすべてを回るのは大変です。

実は、ルクセンブルクからベルギーの列車が運休とわかってから、次は絶対に

ベルギーから列車で訪れる!と心に決めておりまして、今回はまず川沿いだけを巡ろうと

そう割り切って、観光したのでした。


といいつつも



一応観光名所は見ておく。これは大公宮。日本でいえば皇居ですが、雰囲気は普通のアパートって感じで、

街中にふつうにありました(^^;

一国の王とはいえ、質素なのですね。

現在の国家元首はアンリ大公、どうやらかなり国民から愛されているようで(イケメンらしい)

駅のお土産屋さんにはアンリ大公グッズがたくさん並んでおりました。


大公宮から東へ抜けると、また崖っぷちへ



向こうの山の上、近代的な高層ビルが立ち並んでおりますが…

あちらが本当の新市街、いわゆる金融センターというやつで

主要な銀行の欧州支店がずらずらと立ち並んでいるのだそうです。

日本の銀行もあるそうな。


現在はあそこの街中をトラムが走っているのだそうです。

しかしまた、えらい山の上に作りましたなー

同じ場所から右を見ると




んわお!


左を見ると




んわお!

こちらが、ボックの砲台というそうで

この街で最初に仕上がった、要塞なのだそうです。

右下、橋が架かっているあたりを「グルント(低地の意)」と呼び、ここがもともともルクセンブルクだったとのこと。

つまり、ルクセンブルクという町は、低地からはじまって、要塞を築き

そのうち町全体が、要塞の上へ上へと移動したと、そういうことになっているのだそうです。




にしても、低地(旧旧市街)と旧市街の高低差がはんぱないわけですが…

(写真だと伝わらないと思いますが、現地にいってみてください、タマ縮みますよw)




同じ位置から旧市街のほうを見ると、なんてことない

普通の、綺麗な街なんですけどね。

とても↑4枚が、同じ場所で撮っているとは思えませんよね。


ボックの砲台からは、グルントが一望できるとともに



このような、鉄道高架橋が、ぐるーーーーっとこちらも一望できます。

この高架橋こそ、先の記事で紹介した『運休・工事』の張本人

本当は、この橋の上をベルギーへのインターシティやら、ルクセンブルクの近郊電車やらが行きかい

それをこの場所から、カメラに収められるはずでしたが…




ベスト撮影地ですよ、これは。

鉄道も、山の上に駅がある関係で、高い高架橋で繋がっているのですね。

でもでも、この橋の上で線路剥がして、なんかやっている関係で

この橋を渡る列車は、すべて運休!なのであります。

ここ通らないとベルギー方面へはいけませんから、ベルギー方面の列車はことごとく運休で、ここを走る列車もなし。

ここで撮りたかったなぁ…。




さて、ボックの砲台は、中にも入れます。

6ユーロと、そんなに高くもないですし、ちょっと中に入ってみましょう。




こんな感じの入口です

中はひんやり…を通り越して、寒かったです。

岩をくりぬいた窓口でチケット売ってましたが、中のおじさんはどんな気持ちなのでしょうか…




ボックの砲台に突入。

これ、観光地に数えられていますが、正直観光要素は少ない

とにかく掘られた洞窟を探検する感じ。

絶対に、ハイヒールやら綺麗な服やらで来てはいけません。




確かに、ところどころの風景は綺麗ではあるんですが…




その道が、スパルタンw

なんてったって、巨大岩に掘られたただの穴、ですからw




しれっと落ちたら死ねそうな竪穴があったり…。




ボックの砲台、というだけあって、砲台がそのまま放置されていたりもしましたよ。

この砲台の狙う先は




あの線路の工事列車(違




砲台からひょこっとカメラを出すと、こんな感じ。

やっぱり綺麗だな~




グルントのサン・ジャン教会、だそうです。




このボックの砲台、とにかく強化されつづけたそうで

北のジブラルタル、なる異名を持つほど、最強だったのだそう。

その最強さ具合は、第二次世界大戦の『バルジの戦い』で破られるまで、無敗伝説を築いたほど。

関係ないけどバルジの戦いは、ここルクセンブルクからベルギー南部、リエージュあたりが舞台だそうで

そんな資料をちらっと見かけてから、妙な親近感w




こんな通路が延々続くのです。歩きやすい靴で…

途中にいくつもEscape、あるにはあるんですが、そこへ至るまでが大変です。足場も狭いし、天井低いし。




お、トラム

あの橋の下に国鉄の駅があり、国鉄駅から端の上まではケーブルカー、その先はトラムが結んでいるのだそうですよ。

ケーブルカーで登った先にトラム、というのが面白いですね。




神殿っぽい。


小一時間、登ったり下りたりを繰り返して、飽きたのでEscape




久しぶりに眺める空の青いこと。




最後にもっかいグルントを見ます。




エスケープしてからエスプリ広場を目指すあたりから眺めるグルントは、これだけ見ると

日本の温泉観光のような雰囲気でもあり。

(どの辺かは、地図で確認してね)




ギョーム広場でお食事などして

ルクセンブルクを満喫しました。

食事の味は、うすかった。


ところで、ベルギーからの列車はすべて運休なのですが、

ドイツからの列車だけは、先の記事で紹介したように正常運転中。

実は、ドイツからの列車は違う高架橋を走ってルクセンブルクに入るのです。

で、その高架橋は、エスプリ広場の近くから見えるんですが、

通りかかったタイミングで、たまたま




CFLの電車が現れてくれました!

これは嬉しい!

石橋を渡る鉄道が撮れないと、ちょっと落胆しておりましたから。


最後に嬉しいご褒美をもらって、意気揚々と

ドイツに戻ったのでありました。


*****


先の記事にも書いたように、コブレンツの料理店はあまりおいしくなく…

本日の晩御飯は、駅のスーパーで買ったパンと、ビールで



ま、それなりの晩餐にはなったかな?

日本のコンビニがいかにすばらしいか、がよくわかりますね。

どのパンも売れ残り、野菜はしなしな、でしたから…。


でも



このルービーは、なかなかにおいしかったです。

日本でも手に入らないかな?

後ろのゴールドのビールは、日本でも売ってましたが、結構苦くて苦手。。


缶ビール片手に、パンをかじりながら



現地のモデラー向番組(特番…ではないか?延々飛行機の造り方をながしてましたよw)を楽しんで

ついに、旅行最後の夜が終わってしまうのでした。


あとは、帰るだけ!

なのですが、すんなりと帰してはくれなさそうなのです(^^;

最後までお楽しみに!


***

ルクセンブルク観光局の日本語ページです

http://www.visitluxembourg.jpn.com/jp

ほんと、おすすめですよ~

その気になれば、フランクフルトに入国したその日に、ルクセンブルクに行くことだって可能ですよ。

(鉄道でも、フランクフルト→コブレンツ→ルクセンブルクと行って、約3時間でしょうか

 飛行機なら、フランクフルト→ルクセンブルクで1時間

 あと、フランクフルト空港からバスが出ていて、これだとルクセンブルク駅まで約5時間とのことです

 …と書くと、やっぱり結構距離ありますね、でも行く価値はアリアリ!)



★2018ベネルクスの旅 各記事へのリンク★
(序)準備編~ドイツまで
(1)ドイツからベネルクス入国まで
(2)リエージュの吊り掛け電車達と、オランダ国境の街
(3)ベルギーを大移動、屋根のない博物館へ
(4)芸術の駅へ
(5)芸術の街からオランダへ
(6)オランダは自由の国(いろんな意味で)
(7)風車の村
(8)フリッツァー事件
(9)アムステルダムで鉄道を見る
(10)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(散策編)
(11)ユトレヒトで、もっと鉄道を見る(鉄道博物館編)
(12)ドイツへ戻る。。。。
(13)コブレンツと、ルクセンブルク(前編:鉄道編)
(14)ルクセンブルク(後編:観光編)<本記事>
(15)帰国日に、事件発生
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする