TOMATOの手帖

日々の生活の中で出会う滑稽なこと、葛藤、違和感、喪失感……などをとりとめもなく綴っていけたらと思っています。

洗濯機をまわす

2022年03月11日 | インポート
家事全般は、苦手で億劫でしかたがないが、ただひとつ、洗濯だけは、別である。
もちろん洗濯板でごしごしやるのではない。
正確に言えば「洗濯機を回す」のが、好きなのである。
100円ショップで購入した、汚れ物入れの籠が、徐々にてんこ盛りになっていく。
あふれんばかりになったところをみはからって、ドサドサドサーと一気に中身を洗濯機あける。
このとき、洗う量が少ないと、なんだか張り合いがないような、もったいないような気がし、多過ぎてはいりきらなかったりすると、なにやらやり残した宿題を抱えたようで、すっきりしない。
多過ぎず、少な過ぎず、籠の中身が全部はけると爽快である。
さて、ピーピーピーと終了音が鳴り響くと、待ってましたとばかりに、これを干す。
物干し竿が老朽化により崩壊してからは、ほとんど部屋干しである。
以前は、部屋干し特有の匂いが、あたりに立ち込めたものだが、最近では、専用の洗剤が出回っているのでありがたい。
干し終わると、ああ、一気に何かを片付けた、という達成感にしばし浸る。
そう、この達成感が好きなのだ。
だから、盛り上がった気持はここまで。
乾いた洗濯物をとりはずし、仕分けして、それぞれの定位置に落ち着かせる段になると、始めの盛り上がりはどこへやら、一気にテンションがさがる。
この作業は、片付けるというより、次なる仕事を「増やしているような」気分にさせるのだ。
こうしてせっかく綺麗にしたものも、明日あさってには、また着たり履いたりして、籠の中にはいるのだ。
現にそうこうしている間にも、さっき着たブラウス、ストッキング、下着、ちょっと近所に行くのに履いただけの靴下が、籠の中でどんどん層をなし始めているではないか。
終わりのない作業の繰り返し、輪っかを必死にこぐハムスターの如し。そのことにふと気付く瞬間。
まあ、仕事というもの、多かれ少なかれ、これと同じようなものではあるが……。
下着にまで一枚一枚アイロンをかけるという親戚の話を聞いて、仰天したことがあるが、ずぼらなわたしには、そこまできっちりと見届けるマメさは、ない。




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2 コメント

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Unknown (カラス)
2022-03-11 17:17:36
お仕事、お疲れさまです。

そうですねぇ。同感です。
洗濯板でゴシゴシしていた時代は、格闘していたに近いものがありますが
現在は、手段と段取りを間違わなければ、結果が出ます。
そこに、信頼できる洗剤と気に入る柔軟剤をもって完璧です。
時々、フタをあけて複雑な動きで揉み洗いもどきをしている姿を見ようとするが、イマドキの機種は、自動停止するので残念です。ツルの恩返し並みです。
下着をアイロン掛けする方がいらっしゃると聞いたことがありますが、高熱で殺菌するのでしょうか。
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Unknown (TOMATO)
2022-03-11 21:27:11
こんばんは、カラスさん

全自動とはよくいったもので、昔の2層式のままでしたら、この作業は好きになれなかったと思います。
お仕事中はのぞかないでくださいね……って、あのつつましやかな鶴と同じですね。誰しもそう言われたら、絶対のぞきたくなるので、ロックは是非とも必要です。
洗剤で十分殺菌できているとは思うのですが、ピシーッと張りのある下着をつけるとピシッとした気分になるのでしょうか。そこは聞いてみなかったです。そのかたはそこだけが、几帳面でした。
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