ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

波止場のエディ 気仙沼2005 Ⅳ レストラン・エースポート

2021-03-02 21:20:33 | 波止場のエディ
 内湾を見下ろす、旅客船ターミナル3階のレストラン・エースポート。対岸に浮見堂の朱の色が浮かび上がり、海面に光の線が映る。
 松の実とバジリコのパスタ、ゴルゴンゾーラの薄いピザ、キャンティの赤、ドルチェは、不整形なティラミス。
 「このあたりの街割りは、不整形な四辺形で、昭和の初めの大火のあと、その不整形な敷地に合わせて短い期間に建て替えられた特徴ある建物が続いているんだそうだ。つい最近まで、まちのひとは、だれもそんなことに気づいていなかった。」
 エディは、コーヒーカップを置いて、煙草を燻らす。
 岸壁を照らす、橙色の街灯を見下ろして、エリカは、苦いエスプレッソを一口含み、かすかに顔をしかめる。

注1)今は、ピア7-気仙沼漁港第7埠頭といった方がいいか、震災まで、内湾の一番奥、大島航路の波止場は、エースポートだった。乗船券売り場の建物もエースポート。その3階に、イタリアンの、レストラン・エースポートがあった。
注2)内湾に面した魚町~南町界隈は、風待ちエリアと呼ばれたが、特徴ある建物群であることが発見されたのは、平成になってからである。武山米店、角星酒造、男山本店と次々と文化財登録が進んだ。
注3)下の写真は、この冬、内湾ピア7前に浮かべられた海上のクリスマス・ツリー。


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