ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

ふることのふみ?

2009-08-14 00:51:51 | 寓話集まで

阿那邇夜志愛袁登賣袁!
(あなにやし えをとめを)
阿那邇夜志愛袁登古袁!
(あなにやし えをとこを)

ああじつに 可愛らしいむすめだ!
ああほんと 清々しい若者だこと!

天地別れて間もないころ
天地貫く真柱を太く立て
汝は右から
我は左から
真柱をいそいそと廻り
出会い頭に
魔法の呪文を唱える

阿那邇夜志愛袁登賣袁!
(あなにやし えをとめを)
阿那邇夜志愛袁登古袁!
(あなにやし えをとこを)

可愛らしいむすめと
清々しい若者は
幼い頃から
各々に不可思議な謎を抱えたまま
年ごろと成り
問答を交わした

吾が身は、成り成りて成り合わざる處一處あり
(わたしは生まれて成長し、足りないところが一箇所あります。)
我が身は、成り成りて成り餘れる處一處あり
(ぼくは生まれて成長し、出来すぎたところが一箇所あります。)

であれば、答えは自ずから
いざ
コンセントにプラグを差し込むように
成り余ったところを成り合わぬところに逢わせて
永の逢瀬を
(束の間の逢瀬を…)

阿那邇夜志愛袁登賣袁!
(あなにやし えをとめを)
阿那邇夜志愛袁登古袁!
(あなにやし えをとこを)

生めよ増やせよ
逢瀬を生きよ
逢いて引き寄せ
逢いて押し倒し
逢いて押して
逢いて引いて

潤って摩擦して
ひゅっ
と送り出し
しっとり
と受け入れ
ともに
気を遂げる

生めよ増やせよ
子宝を
生めよ増やせよ
子等は地に満ちる

   ※

父よ母よ
汝らは何故
私を地に生んだ?
私を地に育てた?

   ※

秋刀魚を喰えば子を思う
鰹喰えば増して偲ばれる

牡蠣食えば鼻が鳴る
保夜喰えば夫を思う
鮑食えば妻が偲ばれる
鮪喰えば金が無くなる
鱶鰭喰えば増して失う

柿喰えば観音寺の鐘が鳴る
(誰のために?)
おまえたち、子らのために

おお
何處から授かったものか
瞼に浮かぶその面影
会いたさ見たさに夜も眠られぬ

白銀も黄金も宝玉も何に成ろう
何ものにも勝る宝は

子にしかめやも!



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