ぼくは行かない どこへも
ボヘミアンのようには…
気仙沼在住の千田基嗣の詩とエッセイ、読書の記録を随時掲載します。

気仙沼人と異界

2009-01-28 21:18:08 | 寓話集まで
    
痛い!
と異界
との間には千里の径庭がある
わけではなくて
異界の彷徨には常に痛みがともなう

彷徨する妖怪変化・鬼・天狗の類
吸血鬼ドラキュラ
薄明のかわたれどき・たそかれどきは闇と光との境界の薄気味悪い時刻であるがミッドナイトの漆黒も相当に気持ちの悪いもので

日常と祝祭
結婚と恋愛
仕事と休暇
行動と休憩
イリュージョンとソリューション

地球上の異界市内の異界街中の異界
八瀬の童子でなくて
八瀬の青年S氏
写真を撮り歌をつくり本を造り詩を書き地図を描き河童の像を建て八瀬の文化を言挙げする
ねあのわぎのがぎあど(内ノ脇の餓鬼達)であったおじさんN氏
坊主頭でポテ猫カー駆って死せる賢治の名を騙って宮城と岩手の境界域を気ままに交通する

河原田生まれの詐欺師が語る
おれは天狗だ
おれは吸血鬼ドラキュラだ
夢と現の区別のつかない似非預言者だ
むかし天の使いは近くにいた
おれはその真似をしてその眷属の振りをしてひとびとを欺いて生きながらえた
もはや天の使いはここにいない

善良な家族のなかで善良な仲間のなかで善良な市民のなかで
おれだけは善良でない
小学校に入ってこのかたいつもおれだけが善良でなかったおれだけが詐欺師だったしかもあの詩人のふりをした詩人の完璧にはとんと縁のない
おれはほんものでない

おれのうたはほんものでない
おれの詩はほんものでない
おれの思想はほんものでない
おれの読書の傾向はほんものでない
おれの音楽の選好はほんものでない
おれの珈琲の嗜好はほんものでない
おれの服装の趣味はほんものでない
 …
おれの仕事の誠意はほんものでない
 …

悪魔のすることはいつも完璧!
だそうだが
ヴァンパイヤはついに杭を打たれ
天狗は高僧に撃退され
間抜けな詐欺師は獄に繋がれる
のが落ちだ 痛ッ!


最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
告白 ()
2009-03-24 23:15:31
 これは、告白。
 私は悪人です。

 詩人のふりをしたのは谷川俊太郎。
 悪魔の完璧どうのこうのは、ボードレール。
 千里の径庭は、私の場合、吉本隆明の真似。

 私は、道化、になれるだろうか?


返信する

コメントを投稿