宮部みゆきの『ソロモンの偽証』を読んだ。6巻あわせて約3千頁の超長篇ミステリー。
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雪に覆われたクリスマスの朝、中学校の通用門のところで発見された生徒の死体。学校・警察が調べた結果、屋上からの飛び降り自殺と認定。しかし、それは自殺ではなくこの中学校の問題児による殺人だという告発状が届いて、それがTVの報道番組で報じられて・・・。事件の真相を知りたいという生徒たちにより夏休みの研究という名目で、犯人と告発された生徒を被告に学内の陪審員裁判を行うことになり、そこで新たな事実が判明する・・・。
そんなエピソードは本筋と違うのでいらないんじゃないの?ってお話まで丁寧に書いて肉厚に仕上げてある作品。読者には何が起こったのかは示されているのでほぼ驚きはないのだが、事件の発覚から報道、裁判で事実を明らかにしていく過程が面白くて、ページをめくる手を止められずに年末年始を使って読了。こりゃ読み応えあり、読んでおかないともったいない作品だ。かなり長い作品なので読み始めるのに相当の覚悟が必要だし、もちろん時間もかかったのだが、面白かったよ。
蛇足のような気もするが、この作品のメインの登場人物の藤野涼子の20年後を描いた「負の方程式」も収録。
以下ネタバレなので未読の方は読まないように。
柏木の死に弁護士役の神原が関係しているのは明らかなのだが、最後の最後まで詳細が伏せられているのがポイントで、それがこの作品を引っ張る原動力。
素直に読めば、浅井松子は三宅樹里に殺されたようにも読めるのだが、そのあたりあいまいなのはちと残念だ。
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