北上次郎の『阿佐田哲也はこう読め!』を読んだ。
『色川武大 阿佐田哲也全集』と『色川武大・阿佐田哲也電子全集』の、それぞれ阿佐田哲也の巻に著者が書いた解説をまとめたもの。
わたし、高校生の時に『麻雀放浪記』を読んでその面白さに引き込まれて、阿佐田哲也の作品をむさぼるように読んだ。『麻雀放浪記』は何度読んだかわからない。阿佐田哲也はわたしの大好きな作家で、その作品を、こちらもわたしの好きな書評家の北上次郎が解説してるので読まないわけにはいかない。
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いやー、すごく深く読み込んでるなぁという印象。オビにも著されているのだが、『麻雀放浪記』評がこの傑作を見事に表しているので引用しておく。
私たちはもう二度と『麻雀放浪記』のような物語を持つことはない。麻雀の戦略、戦術がふんだんに登場するが、その凄さもさることながら、これは無法者の書であり、管理された社会に生きるものにとっては痛烈な書だ。このような物語はおそらく二度と書かれない。そのくらい『麻雀放浪記』は他に類を見ない奇跡的な傑作である。
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