マンハツタンの街路に聖樹香るころ

長女夫妻からクリスマスの写真が届く。ニューヨークの冬は世界一美しい。雪かきをしたマンハッタンの碁盤目の通りには山から届いたばかりのモミの木が清々しい香りを放ちながら売られ、書店の窓には大きな画集や絵本が並び、郊外の家々は丸ごと電飾に包まれ、庭の芝生にはマリアさまや羊たちや、ラッパを持った天使の置物が飾られる。ああ、そして忘れてはいけないのが、ロックフェラーセンターのスケートリンクと、メイシーズ百貨店のショーウインドウ！　セントラルパークでそり滑り！！

若夫婦はロマンチックなクリスマスディナーを楽しんだらしい。彼らを見ていると、オーヘンリーの『賢者の贈り物』を思い出す。髪を売って時計の鎖を買った妻と、時計を売って櫛を買った夫。甘えん坊の長女がこんなに人の事を思いやれるようになったのは、アダムと結婚したおかげ。実の子と義理の子と合わせて五人の子供達が健やかに幸福でありますように！