北京ダックならぬ北京ピッグ。ニック曰く、「フェイスブックにどうしても載せたいならば載せてもいいが、NICKは一切食べなかった、と一言添えてくれ。」ユダヤ教では豚は禁食。
音楽節(音楽祭)は、古い大学のキャンパスで行われた。上海音楽院とどちらが古いか知らないが、女子トイレには個室の扉があったので助かった。由緒正しき上海音楽院のコンサートホールの女子トイレには戸が無かったので、並んでる人々に見られながら用を足す事はどうしても出来なんだ。トイレを探して走り回る悪夢が現実になった瞬間であった。
しかし男性の公共トイレはどこでも仕切りが無いようで、(日本のトイレも仕切り無しか？ ) ニックはマエストロ方と肩を並べて用を足すのだという。先日ニックがトイレに入ると、音楽監督のS氏が先に居られ、ニックの為の場所を少し横にずれて空けて下すったそうだ。ニックはその隙間に立ち、ルービンシュタインのトイレジョークを語りながら、悠々と用を足したそうだ。
ニックの先輩ラリーのお父上がコンサートホールの男性トイレに立つと、なんとお隣が有名なピアニストのアルトゥール・ルービンシュタインだったから喜んだ。
「ルービンシュタイン先生と並んで用を足すなどという名誉にあずかれて光栄です。」
と、ラリーの父上がファスナーを下ろしながら挨拶すると、ルービンシュタインは前立ての釦をはめながら言った。
「何の何の。トイレでは皆平等。我々はピアー(※)なのですから。」
(※)Peer には「同僚」という意味と「平等」という意味がある。しかもPeeは小便だから、Peerは連れション仲間、という駄洒落にもなっている。
