塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

選手層の真の厚さ

2009-11-05 19:10:10 | 日記
 選手の頭数が足りていても、選手層の厚さにはつながりません。主力と控え関係なく、誰が先発に名を連ねてもチーム力が落ちない事。これが真の選手層の厚さだと思います。
 しかしビッグクラブだろうが、小クラブであろうが選手層の厚さを実現させることは難しいのです。ビッグクラブだと先発でも控えでも各国代表が顔を連ねるため、ベンチぐらしが続いた選手の鬱憤が爆発し、チーム内に不穏な空気が流れる可能性があります。
 この時こそ指揮官の力量が問われるわけですが、下手をするとGMや会長までがこの内紛劇にクビを突っ込み、更なる混乱を招く場合があります。欧州や南米の選手は、アジアの選手のように我慢する事より、自らの主張を訴えるケースが多いので、この時ばかりはアジアの持つ「謙虚」「我慢」という言葉が、僕にはまぶしく映りますね。
 逆に小クラブは選手層を厚くするだけの資金がありませんから、主力が代表召集や故障で戦列を離れてしまうと、一瞬にしてチームがトーンダウンしてしまいます。よくアフリカ選手権の時期になると、アフリカ各国と欧州クラブが揉めるのは、アフリカ選手権がシーズン中にあるからです。インテルやチェルシーのようなクラブですら、選手を手放すのは本望ではないのです。ならばその他大勢のクラブが頭を抱えるのもわかりますよね。
 クラブの規模がどうであれ、選手層を厚くすることは多くの困難が伴います。
 一番の理想はマンチェスター・ユナイテッドの両雄、ギグスとスコールズの両選手の態度にあると思います。ふたりはスタメンでなくとも文句を言いませんし、出場した試合には当然ながら全力を尽くします。つまり彼らには「エゴ」がないんですね。エゴがないから監督批判やチーム批判の先鋒にならない。だからユネイテッドは安定したチーム力を保つ事ができるわけです。
 彼らのように自分が求められている仕事を、誰よりも理解しているベテランを獲得する事。これが選手層を厚くするための第一歩だと思います。
 他にもパリ・サンジェルマンが昨シーズンはマケレレとジュリ、今シーズンかクペを招き入れたのも無関係ではないはずです。年を追うごとに厳しさを増す世界のサッカーカレンダー。選手層の厚さはきっとクラブの危機を救うはずです。
  
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いつかレアルのようなクラブが日本にも生まれて欲しい

2009-11-05 11:16:30 | 日記
「どうしてレアル・マドリーに移籍したのですか?」
 「レアルからの誘いは断れないよ。だって20世紀最高のクラブから声がかかったんだよ。移籍するなという方が無理だよ。」
 雑誌のインタビューで記者からレアル・マドリーに移籍した理由を聞かれたときに、多くの選手が「だってレアルだから。」と答える事が多いですね。実際のレアル内部は非常に混沌としているようですが、レアルから声がかかる事は、選手にとって今も昔も光栄な出来事のようです。
 今日本には実力と人気のどちらも突出したクラブは存在しませんが、いつかレアルのようなクラブが現れて欲しいですね。僕は以前からJリーグは、アジアで最も整備されたプロリーグだと思っていますし、極東、東南、中近東関係なくアジアで名の知れた選手は、皆日本でプレイしてもらいたいと考えているくらいです。それらの選手には当然欧州からも声がかかるでしょうが、Jにはアジア枠がありますから外国人選手枠をひとつ有効に使えますから、選手にとってもクラブにとってもメリットはあると思います。
 かつてのアジアMVP、サウジアラビア代表のアル・モンタシャリにイラン代表のアリ・カリミなどが来たら、僕個人は相当盛り上がると思うのです。
 例えばアジア各国の主力の多くが仮に日本で活躍するとします。今まではワールドカップ予選やアジアカップ開催前に、敵情視察という形で偵察を派遣しましたが、日本でプレイする選手が多くなればその負担もいくらか軽減できる可能性があります。
 当然外国人に限らず選手の補強方針は、クラブのフロントの仕事ですから、僕が口を挟む問題ではありませんが、外国人選手といえばブラジルという、偏った補強ではクラブの独自性は反映されにくいと思うのです。 
 「日本に来た理由?○○はアジア最高のクラブでそこから声がかかったんだよ。断れないに決まっているさ。」
 いつか日本にきた外国人選手から上記のような言葉が聞けたらいいですね。そして○の中が自分の声援するクラブだったらと思うと、夢が大きく膨らみます。
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信州ダービーの未来

2009-11-05 00:54:18 | 日記
 もし今季松本山雅はJFLに昇格したなら、信州ダービーはしばらくおあずけでしょうね。地域リーグからJFLに昇格することは本当に難しい。各地域リーグで優勝しただけでは、JFLに到達できませんし、連戦に耐えるだけの選手層と軍資金が必要です。
 仮に山雅が昇格したなら、応援チャントのネタがひとつ増えるわけですから、パルセイロファンは憂鬱ですね。
 僕は信州ダービーは将来、スペインのベティスとセビージャの関係に近づくと思います。インテルとミランのように、ダービーの宿敵が常に優勝争いに絡み、戦力も獲得したタイトル数も同等という方が稀だと思いますし、その分ミラノダービーは温厚な部類に入るようです。
 ベティスは昨シーズン2部降格の憂き目に遭い、今もがき苦しんでいます。2005年国王杯を獲得し、チャンピオンズリーグ出場の権利を手にいれるなど意気揚揚としていたのが嘘のようです。
 一方でセヴィージャは辣腕を振るうスポーツディレクター、モンチの下2006シーズンから連続でUEFAカップを手に入れ、大きな飛躍を遂げます。昨シーズンは主力のダニエル・アウベスをバルセロナへ売却し、大きな収入を得ると同時にエースのルイス・ファビアーノの残留に成功しています。
 今季はバルセロナとレアル・マドリーに次ぐ3位の座をキープするなど、ファンを喜ばせています。ベティスのファンからすれば、モンチ憎しの気持ちで一杯かもしれません。このスポーツディレクターのやる事のほとんどがプラスに働いていますし、ベティスのフロントの至らなさが浮き彫りになるからです。
 今挙げた例のように宿敵のうちどちらかが優秀で、一方が不成功というのががダービーの図式のひとつだと思います。よくイタリアではこう言われますよね。「降格しても構わない。でもダービーにだけは負けないでくれ。」
 両チームの格差が幸か不幸か、ダービーに絶妙なスパイスを与えているわけです。仮にベティスが今季1部昇格を果たし、来季ダービーを迎えた際、セヴィージャファンの「上から目線」にまず耐えなくてはいけません。勝負は既に場外から始まっているわけですから徹底していますよね。
 もし山雅がJFLに昇格して、パルセイロも幾年かの月日の後、JFLに昇格して信州ダービーが復活したとします。パルセイロファンは山雅ファンの上から目線とエリート意識に耐えながら声援をおくらねばなりません。
 「ダービーにだけは勝ってくれ!!」という世界共通のファンの叫びが、こうしてみるとよくわかります。言い換えると「他人の不幸は蜜の味」というわけです。
 サッカーは怖いですね。
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