塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

メガクラブの誕生

2009-11-16 01:19:11 | 日記
 オリンピック・マルセイユ(フランス)
 スタンダール・リエージュ(ベルギー)
 グラヅゴー・レンジャーズ(スコットランド)
 今挙げた3つのクラブは1990年代初頭あたりまで、強豪クラブとして認知されていました。つまりビッグクラブとして各国リーグの先頭にたっていたことになります。他のリーグで言うと、ポルトガルのベンフィカ・リズボンや、ユーゴスラビア(今のセルビア)のレッドスターシティ・ベオグラードがそうですね。

 しかし今現在これらのクラブは、中堅クラブに成り下がってしまいました。紛争の傷跡が深いレッドスターはともかく、どうしてかつての名門クラブは、どこも凡庸なクラブに成り下がってしまったのでしょうか。

 応えは「メガクラブ」の誕生にあります。
 サッカー界の急速なビジネス化に伴い、キャッシュ・フローに優れたクラブと、そうでないクラブとの2極化はますます加速しています。つまり従来のビッグクラブより更に豊富な資金を持つメガクラブが姿を現したのです。
 そこにイングランドやイタリアのように、従来から競争力のあるリーグと、スコットランドやベルギーのように、優勝争いが毎年ほぼ同じ顔触れで行われている、競争力の鈍いリーグの力関係がどんどん開き、これらのリーグは有望な選手の草刈場となりつつあります。つまり戦力の均衡が各国リーグ間で保たれていた時代は、もう戻ってはこないでしょう。

 プレミアリーグのようにクラブ間の競争が激しいリーグでも、メガクラブとビッグクラブの格差はひろまりつつあります。
 例を挙げましょう。
 アーセナルはビッグクラブです。でもマンチェスター・ユナイテッドはメガクラブなのです。ヴェンゲルはマネーゲームを嫌い、自分の愛弟子たちの成長を見守りつつ、タイトルを狙っています。例えばバカリ・サーニャとセスク・ファブレガスがそうですね。

 アーセナルにとってアルシャービンを獲得した事は大正解でした。でも彼の移籍金(30億円程度のようです。)を捻出するために、相当な苦労があったようですが、ユナイテッドにとってはその程度の金額は、「はした金」と言えるかもしれません。

 やはりいざというときに仕えるお金があるのは便利な物です。お金を費やす事でライバルより一歩先の戦力補強が出来る上、設備投資の資金としても運用できるためです。
 
 これからのヨーロッパサッカーはますます利益獲得のための、熾烈な競争が行われていくのでしょう。そしてクラブ間の格差はますます広がっていく。2004年FCポルトが優勝したのを最後に、チャンピオンズ・リーグの優勝チームに、ダークホースはもう2度と現れないかもしれません。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする