塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

ラファレボリューション終焉の危機(2)

2009-11-27 20:46:14 | 日記
 前回は「リバプールの主力と控えの力の差」が、優勝できない一因と意見をのべてみましたが、ベニテスが改善しなければならない点は他にもあります。

 2・移籍市場での振る舞い
 ベニテスの移籍市場での振る舞いは、お世辞にも理に適っているとは思えません。昨シーズンのロビー・キーンに対するアプローチがそうですね。トテナムから獲得したアイルランド代表FWを、わずか半年で再びトテナムに送り返すなど、どう考えても普通ではありません。また昨シーズンヘルタ・ベルリンで獅子奮迅の働きをしたウクライナ代表ボロニンは、リバプールからのレンタル移籍であったことも皮肉な結果でした、

 確執があったかどうかは定かではありませんが、シャビ・アロンソの放出は相当な痛手を与えているようです。もちろんベニテスが獲得した選手全てが、不合格と言うわけではありません。トーレスにカイト、レイナにマスチェラーノといった今現在の主力は、ベニテス就任以後にアンフィールドにやって来た選手達です。

 ユナイテッドにしてもチェルシーにしても、常に移籍市場で成功しているわけではありません。
 ユナイテッドですとクレベルソンとジェンバ・ジェンバ、チェルシーだとケジュマンやスメルティンといった選手達が、短期でチームを去っていきました。
 では両チームがどうして近年のプレミアリーグを牛耳っているかといえば、分厚い選手層に加え、戦術がチーム全体に浸透していたからだと思います。
 
 3・ベニテスのターンオーバー
 2007-08シーズンの前半、ベニテスは「ターンオーバーしすぎる」と、メディアから批判の集中砲火を浴びた事があります。つまり毎試合選手をいじくりまわしていては、選手間の連携など生まれるはずがないというわけです。
 このシーズンはトーレスの移籍初年度なのですが、彼をワントップに固定したシーズン後半の4ー2ー3-1は、3の中央の位置するジェラードとトーレスのコンビが機能し、スムーズなサッカーが展開されました。
 ターンオーバーは選手の疲労を考えた場合、検討に値しますがベニテスの場合は、疲労の少ないシーズン前半からターンオーバーを導入したことで、チームが戦い方を模索したまま試合をこなすしかなかったのです。

 やはり必要以上のターンオーバーは、チームに混乱を与えかねずメリットは少ないと言えそうです。ユナイテッドの主力は全38試合に出場していない事は前回お伝えしましたが、それはファーガソンが主力離脱のリスクマネージメントとして、大量リードを奪っている試合、代表クラスがワールドカップ予選で、休ませる必要があった際、出番が限られている選手達に出場機会を与えたと思われます。
 
 そして今確実に言える事は、たとえ何かしらのタイトルを獲得できても、リバプールの汚名返上は来季に持ち越されるということです。

 

 
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ラファレボリューション終焉の危機

2009-11-27 18:51:19 | 日記
 リバプール指揮官のラファエル・ベニテスの進退問題が囁かれています。2005年のチャンピオンズリーグと翌年のFAカップを獲得し、彼の意識改革が「ラファレボリューション」と絶賛された時代は、過去の遺物になりつつあります。
 
 今季は既にチャンピオンズリーグから脱落し、リーグ戦でも中位に甘んじているリバプール。何故彼らは悲願と言えるプレミア王者になれないのか。
 宿敵マンチェスター・ユナイテッドと比較して、リバプールの改善点を挙げてみたいと思います。

 1・主力選手が故障しすぎ
 どうしてスティーブン・ジェラードとフェルナンド・トーレスは、どうしてここまで怪我が多いのでしょうか?それが医学的に先天的なものなのか、それとも相手との接触によるものなのか、はたまた彼らの動作に問題があるのか、正直僕にはわかりません。
 しかし主力選手に故障が多い事はベニテスも認めています。

 問題なのはふたりが欠場するとリバプールは全く別のチームになってしまうことです。
 参考までに昨シーズンの両チームの主力の出場数を調べてみました。
 ユナイテッド             リバプール
 ファン・デルサル 33試合      レイナ38試合
 ファーディナント 24試合      キャラガー38試合
 キャリック    28試合      ジェラード31試合
 ルーニー     30試合      トーレス24試合

 プレミアは全38試合あるのですが、ユナイテッドで全試合出場した選手はゼロでした。一方のリバプールはレイナとキャラガーに加えて、カイトも38試合全てで使われています。ちなみにユナイテッドの勝ち点は90、リバプールは86ですが、ユナイテッドは4敗しているのに、リバプールは2敗しかしていません。リバプールは引き分けの数が11と、勝ちきれない試合が多かったのです。
 「ジェラードとトーレスのふたりが故障しなければ、優勝はリバプールのものだった。」と言われるのも納得の結果です。

 つまりユナイテッドは主力が健康体を昨シーズンも今シーズンも維持しているのに加えて、主力を支える脇役が試合でしっかり結果を残せる事が、大きな強みとなっているわけです。
 その代表例がパク・チソンやダレン・フレッチャー、アンデルソンといったところですね。

 ユナイテッドもハーグリーブスとナニは使い物にならず、ヴィデッチは3度の退場処分を受けています。それでもクラブが好調を維持できたのは、分厚い選手層が大きな実りをもたらしたということでしょう。代役と主力との能力の差は、まさに紙一重ということです。

 リバプールのもルーカスやファビオ・アウレリオ、バベルなど、主力を凌駕できるくらいの能力をもった選手達はいるはずなのですが、残念ながら主力と同様のプレイができなかったと言う形になります。
 次回のブログでもこの話の続きをしたいと思います。
 選手の試合数は「2008-09ユーロッパサッカートウディ」から引用しました。
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横浜FCで黄金の2トップ誕生か

2009-11-27 13:15:15 | 日記
 横浜FCが中山雅史獲得に名乗りを挙げ、中山自身敬愛するカズともう1度プレイしたいと、前向きな姿勢を見せていると聞きます。
 代表では2トップを組んだ二人も、同一クラブに在籍した経験は無いんですよね。実現したら大きな話題になることは間違いありません。

 40を越えた選手が現役を貫くにはどういう姿勢が必要なのでしょうか。
 ピッチ外では食事の節制とメディア対応が挙げられますね。特にカズの徹底した食事管理は広く知られていますし、中山のウイットに富んだ発言に、メディアの多くが助けられたことでしょう。

 ではピッチ上ではどうでしょうか。瞬発力や体力では到底若手には適わない。でも彼らは様々な経験を積む事で、自分と味方両方の生かし方を知っているうえ、ポジショニングの上手さで結果をだすことができます。
 つまり的確なポジションを確保することで、マークを外す事とと体力の温存、そしてリバウンドボールに飛びつく「一石三鳥」の動きを手にしているわけです。

 しかし冷静に考えてみると、これが今のJ1の現状ともいえます。
 40を越えた選手が現役を続けることには大きな意義がありますが、カズと中山より下の世代で突出した存在が、今のJ1には存在しないことを浮き彫りにしてしまったからです。やはり顔となるべき選手達は、海外に出る事を望んでいることもひとつの要因と言えますが。

 ふたりの全盛期、今ほど欧州との接点が無く彼らが日本を拠点にし続けた事は、僕たちにとっては大きな喜びでした。
 まだ中山の横浜FC加入は正式なニュースでがありませんが、契約合意には近いところまで話が進んでいるそうです。
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日本サッカーの長所

2009-11-27 00:57:57 | 日記
欧州のサッカースタジアムの多くで、人種差別の横断幕の掲示や持込禁止のはずの発煙筒が焚かれている光景をみると、いらだちを越えてあきれ返ってしまいます。
 僕の好きなインテルのファンが、クラブのふがいない戦いに抗議の意を示そうと、ジュゼッペ・メアッツアから、バイクを放り投げるという前代未聞の事件を起こした事もあり、同じファンとして情けない気持ちで一杯でした。

 J1とJ2はそれらとは違った光景が繰り広げられています。時には辛らつな罵声がとぶこともありますし、ファンがクラブから退場を命じられるときもあります。
 でも売店では敵、味方関係なく食べ物と飲み物が買えますし、子供づれの親子の姿も見れますし、電車やシャトルバスは定刻を守って運行します。これは地域リーグでも変らない光景です。
 清潔なトイレに治安の行き届いたスタジアム。プロサッカーの基本の姿がそこにはあります。むしろ殺伐とした欧州の雰囲気の方が異端に見えてきます。

 つまり日本には人が人を労わる行為が当然の事として認知されているわけです。最近は物騒な話題も多いですし、ニートや引きこもりの問題も討論されていますが、サッカーを見に行くと「まだまだ日本は捨てたものではない。」と実感できます。人との触れ合いが実感できるからです。

 欧州や南米の大物選手を呼寄せたいなら、この「安全と清潔なスタジアムとファンの暖かさ」は、大きな口説き文句になると思います。
 純粋に競技としてサッカーの質を競い合うなら、発煙筒も人種差別発言も老朽化したスタジアムも不要なはずです。
 
 確かにチャンピオンズリーグや欧州の各国リーグから学ぶべき点は多いです。同様に欧州や南米の関係者が日本から学ぶべき点も、僕たちが考えている以上に多いと思います。
 「欧州、欧州」と叫ぶ前にまず僕たちが日本サッカーの利点を、もう一度考えてみる必要があると思います。
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