塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

選手の移籍はまるで競売(3)

2010-08-29 00:37:56 | 日記
 売買ゲームのように、選手の移籍金と年俸が跳ね上がった背景には、以下の理由があります。

 1・莫大なテレビマネー
 2・チャンピオンズ・リーグ出場で得られる高額ボーナス
 3・クラブの株式公開による市場からの資金調達

 今様々な媒体で言われているように、各国リーグが
 「チャンピオンズ・リーグ出場を決めるための予選リーグ」

 に変貌を遂げた1990年代中期から後期にかけて、各クラブが手にする収入と支出は、尋常ではない金額に変化しました。

 特にセリエAでは今のスペイン以上に選手の
 「乱獲」
 が見られ、インテルとミラン、ユヴェントスという従来の3強に加え、

 パルマとフィオレンティーナ、そしてローマとラツイオの2クラブを加えた計7クラブが

 「7姉妹」
 と命名されスクデットを争ったこともありました。

 しかしその結果が
 ラツイオの親会社「チリオ」の倒産
 パルマの親会社「パルマラット」の粉飾決算
 フィオレンティーナのオーナー、チェッキゴーリの破産

 そしてローマも今現在借金苦に苦しむなど、その余波は今も残されています。

 株式市場に上場して資金を得る方法も、オーナーの懐に頼るクラブ経営も、完全に行き詰まりを見せています。(特にベルルスコーニに勢いの無いミランがそうです。)

 またプレミアに見られるように、外資の資本提供を受けても上手く経営が好転するとは限りませんし(降格したポーツマス、マスチェラーノを売却したリバプール)、レアルのように選手のマーチャンダイジングで利益を得る方法も、有名選手のいないスモールクラブの手本にはなりません。

 各国の経済状況が異なるので、アメリカのように一律のサラリーキャップは事実上不可能でしょうから、ここは基本に立ち返り

 「下部組織の充実」
 「選手の売買を、適正価格で行う」

 というスタイルを思い返したほうが、クラブの発展に貢献すると思うのです。
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