塚田盛彦のつれづれなるままにサッカー

世界中で親しまれているサッカー。このサッカーをフィルターとして、人間社会の構造に迫っていきたいと思います。

ジャニーズに学ぶ育成と結果の両立(3)

2010-08-16 22:34:06 | 日記
 前々回のブログで
 「ガラスの10代」
 の歌詞を引用したのは、僕の光GENJIへのオマージュではなく、この歌詞の内容が非凡か凡才かどうか関係なく、多感な10代の少年たちの心境を、見事に代弁しているからです。

 憧れのビッククラブでレギュラーを張り、ワールドカップやチャンピオンズ・リ-グの檜舞台に立つ為には、早いうちから親元を離れ寮生活を始めねばなりませんし、才能に溢れた若者たち全てが、「成功」を手にできるわけではないからです。

 ですからトップの選手達を身近に感じる事、先輩の歌手や俳優と一緒に舞台に立つことは、若手にとってかけがえのない瞬間ですし、トップ選手たちも若手に喜んでアドバイスを贈る「ゆとり」が欲しいものです。

 彼らは後輩である前に、今の自分を追い越すかもしれない、「ライバル」でもあるからです。

 ワールドサッカーダイジェストの2010年4月1日号の55ページ、バイエルン・ミュンヘンの紹介ページに興味深い記事が掲載されています。

 かつてはゲルト・ミュラーが20年近くコーチを務めていたことは有名ですが、今季からU-23中心のサテライトのコーチに、メーメット・ショルが就任したというんです。

 「バイエルンが誇るこのレジェンド達が、無限の可能性を秘める若者たちの成長を促す触媒となっているのだ。」

 ダイジェストはこのバイエルンのスタイルを、おおいに評価しています。

 つまり育成と結果を両立させるには
 「ベテランを無闇に放出せず、手本としての振る舞いを期待すること。」
 「獲得から育成、売却と残留の道筋をクラブがサイクルとして持ち合わせていること。」
 「若手へのケアを怠らない事」

 そして何より
 「目先の結果にこだわりすぎないこと」
 が挙げられます。

 タイトルのかかった大一番では熟練の選手を起用し、大量リードの試合の時は若手に出場機会を与える。

 このような臨機応変さが指揮官には求められると思います。

 レッズだけでなく
 アントラーズの大迫、ガンバの宇佐美 徳島の柿谷など日本にも将来大きく飛躍する可能性を持つ選手が多くいます。

 彼らが大成するかどうかは、本人の意思にもよりますが
 「クラブの環境」
 「ファンの叱咤と励まし」

 など外的要因も大きく関係してきます。

 ですから僕たちは彼らの成長を見守りながら、同時に投げかける言葉を吟味する必要があるのです。

 10代、加えて20代前半は多感な年頃ですからね。
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ジャニーズに学ぶ育成と結果の両立(2)

2010-08-16 21:10:14 | 日記
 秘訣その2
 「獲得」から「育成」、「育成」から「売却」(自立)のサイクルが成立している。

 ジャニーズのブランドバリューには、計り知れない価値と信頼があります。
 
 それはジャニーズで活躍する俳優、歌手が後を絶たないからであり、若い女性だけでなく、男の子を持つ母親や男の子たちにとって、ジャニーズの方は憧れの存在だからです。

 つまりジャニーズが有望株を「獲得」(サッカーで言えば入団テストやスカウト)することは非常にたやすいですし、厳しい選手選考に勝ち残った男の子たちは、演技や歌唱力、ダンスのレッスンを受け自分の価値を高めて行きます。(サッカーでいう育成と学校の勉強の両立)

 そしてサッカー選手が成熟し、高い移籍金が期待できるまでに成長すると、クラブは他のクラブからのオファーを検討し、売却するかもう少し値が上がるのを待つか判断を下します。

 もちろんクラブの顔として期待できる器ならば、残留という道も残されています。

 同様にジャニーズも独り立ちできるまでに成長すると、
 「個人」で活動するか(今でいえば生田斗真)、グループとして活動するか(NEWS、Hey・Say・Jumpなど)に別れ、独立しコンサートや劇場で唄い、踊ります。

 そしてサッカーが手にした移籍金で新たな若手の発掘に力を入れるように、ジャニーズも有望株の獲得に加え、既存の俳優、グループが生み出したお金を利益として吸収し、彼らの報酬に当てています。

 同時に彼らが男女の憧れであり続ければ、有望株を獲得するチャンスが増えるわけです。

 これはアーセナルのヴェンゲル監督の育成の手腕や、バルセロナが建設した「マシア」と呼ばれる寮の評判に通ジルかと思います。

 評判が高ければ高いほど、両親が自分の子供を預けたいと思うものでしょうし、身近に成功例があるわけですかあ、子供達にとっては格好の手本が用意されているというわけです。
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ジャニーズに学ぶ育成と結果の両立

2010-08-16 20:52:22 | 日記
 「こわれそうな物ばかり、集めてしまうよ
  輝きは飾りじゃない、ガラスの10代」

 僕は今34歳ですが、同じ世代の皆さんは、冒頭の詩を聞いた事が1度はあると思います。
 
 この詩はかつて絶大な人気を誇った
 「光GENJI」の「ガラスの10代」という歌の歌詞です。

 今ジャニーズで最も人気を集めるのは「嵐」でしょうが、僕が小学生の頃はとにかく「光GENJI」一色で、その人気と注目度は今もってジャニーズ最大の現象だったように思います。

 どうして僕が今ジャニーズの話をしているかというと
 前回、前々回でお話した「育成」と「結果」の相反するふたつの要素を、今の日本で最も具現化しているのが、彼らだと思っているからです。

 ではどうしてジャニーズは、育成と結果を両立させることができているのでしょうか?

 秘訣その1
 「先輩の後で踊ることで、芸能界での生き方を学ぶ」

 ジャニーズではどんな有望株でも、まずはバックダンサーとして先輩たちの後で踊ることが多いようです。

 今人気絶頂の嵐も「TOKIO」や「キンキキッズ」の後で踊っていたと聞いていますし、これからもこの図式はジャニーズが存在するかぎり続いて行くのでしょう。

 先輩方の後で舞台をこなす事で場数を増やしていくわけですが、あくまでバックダンサーですから、重度のプレッシャーからは解放されているはずです。

 例えば長野パルセイロもユースとジュニアユースを抱えています。

 彼らは10代の多感な時期に、地域の方との触れ合いやクラブの哲学を学び、いずれはトップで活躍することを夢見ています。優れた育成で知られたバルセロナにも同じ事が言えます。

 ジャニーズの若手たちも、先輩の後で踊りながら
 「いつか僕も主役として舞台に立つ」
 という思いを胸に秘めていると思います。

 この心境はジャニーズでもプロサッカーでも変わることはないでしょうし、この「やる気」こそが、若手の著しい成長に不可欠な要素だと思います。
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育成と結果、相反するふたつの要素(2)

2010-08-16 14:19:45 | 日記
 フィンケ監督のように、若手の起用を推進することは
 
 1・「選手の給料を低く抑えられること」
 2・「有望株の引き上げと起用、売却の3点を継続する事で、育成のサイクルが加速すると同時に、選手売却で得られた利益で新たな投資が生まれる」

 というクラブの経済面でメリットがあると同時に
 「先が見えたベテランよりも、長い間の活躍が見込める若手の起用」

 は現場のリスク・マネージメントにも必要な原則です。

 しかし若手の推進だけではサッカーの世界では生き残れません。
 ベテランや中堅選手の存在は、若手の手本となると同時に、絶対に負けられない大一番、例えば「この試合で残留か、降格が決まる」というような時、大きな意味を持ってきます。

 例えば若手中心で試合に臨めば、体力の心配は少ないでしょうが
 「試合のペース配分」
 「一本調子のリズム」
 に陥りがちになる危険性がありますし、
 
 ピッチ上でのリスク・マネージメントが上手くいかない可能性もあります。

 例えばマイボールに成らない時は
 「最低限シュートで攻撃を終え、自陣に戻る時間を作る」
 「タッチラインにボールを蹴りだし、サッカーをしない時間を作る」
 など、様々な展開が考えられますが、経験豊富な選手がいれば、これらの指示が的確に伝達できます。

 フィンケ監督はフライブルクで16年指揮をとり、今季加入した柏木、サヌは彼の強い希望で獲得した選手ですが、ベテランの存在意義も充分理解しえいるはずです。

 もしかするとフィンケ監督は
 自分が解雇されるリスクを背負いながら、将来のレッズの礎を今築きあげようとしているのかもしれません。

 つまり経験の浅い選手が経験を積み、優れた試合勘と責任を持てるように
 例えばアーセナルがアンリをバルセロナにトレードしたことで、選手に緊張感がもどったような、

 そんな期待を込みつつ、レッズのフロントは闘り王に続いて高原の放出を容認したのかもしれません。

 ただ若手が一人前になるまでには、大変な労力と時間が必要ですし、結果がついてこなければファンの罵声は免れません。

 ファンが結果を求めようと、その目先ではなく「未来」を見越しているのがフィンケ監督の指導なのかもしれませんが、続投を希望するファンは今の所少数のような気がします。
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育成と結果、相反するふたつの要素

2010-08-16 14:04:19 | 日記
 「レッズは常に常勝でなければならない!!」

 これは今季グランパスエイトに移籍した闘り王の言葉です。

 一方闘り王との意見の相違が露呈したレッズのフィンケ監督は、
 「若手の積極起用」

 というう自身の哲学を曲げることはなく、柏木、宇賀神を含めてチームの世代交代を、滞りなく進めようとしている。

 フィンケ監督、闘り王の言い分のどちらにも一理あるのため、話はこじれてしまいました。

 その結果が闘り王のグランパスエイト移籍というわけですが、レッズで繰り広げられた現状を考えると、

 「育成」と「結果」
 の両面で結果を出す事は至難の技であり、バルセロナがグアルディオラ就任初年度に果たした「6冠」の栄誉は、まさに前人未到の大記録であることが改めて理解できます。

 では何故、育成と結果、つまり勝利は相反する存在なのでしょうか?

 闘り王が語るように、常勝を目指すには常に勝ち点3をもぎとる必要があります。
 しかし若手は「勢い」「若さ」という武器はありますが、プレーの「引き出し」が絶対的に少ないわけです。

 ですから老獪な選手と対面した場合、すぐにマイボールを失う危険性がついてまわります。

 レッズの場合、エスクデロ、原口、山田などの有望株を、阿部、鈴木そして闘り王がサポートしながら試合を進める方法がありますが、そのやり方では中位、下位のクラブに通用しても、アントラーズやフロンターレのような強豪相手には通用しないと、闘り王は考えたのだと思います。

 ですから冒頭の
 「レッズは常勝でなければいけない」
 という言葉の中には、

 育成の重要さを認めながら、
 「時には熟練の選手達だけで試合を行う必要があるはずだ!!」
 という闘り王の意志が含まれているように、僕は感じるのです。
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