「99人の壁」の中で、2006年ワールドカップ決勝で起きた、ジネディン・ジダヌの頭突き事件が紹介されました。
発端となる発言をしたのはイタリア代表のマルコ・マテラッティであり、ジダヌの母親を侮辱したことが頭突きの要因、つまり怒りを我慢できなかったとされていました。
マテラッティは当初、良い関係だったズラタン・イブラヒモビッチとも折り合いが悪くなるのですが、それは2008年のチャンピオンズ・リーグ、対リバプール戦でマテラッティが
「前半で退場処分となる」
「インテルは半分以上の時間を10人で戦う」
事が発端とされています。
興味深いのはジダヌがあれだけの騒動を起こしても、まずフランス国民が彼を批判しなかったこと、そして名声がまったく落ちなかったことにあります。
ジダンはレアル・マドリードの前はユヴェントスに在籍していたのですが、HSVとの一戦、これはチャンピオンズ・リーグでの出来事だったと思いますが、やはり頭突きをして退場しています。
よくウルグアイ代表のルイス・スアレスの噛みつきが問題になりますが(複数回ですからね)、ジダンもまた複数回同様の行為をしているにもかかわらず
「エレガントで美しい」
「対戦相手からも大きな敬愛を受けた名手」
という扱いで現在に至っています。
不思議な話と言えますし、ジダンとマテラッティの不和はあれから16年が経過した現在でも、恐らく修復されていないと思いますし、難しくこじれた問題といえそうです。