映画「太陽がいっぱい」の中、主人公のトム・リプリーは、アラン・ドロンが演じます。
劇中で多くは語られませんが、リプリーは貧しい家に育ち、彼自身が下卑た存在であることを強烈に認識していますよね。
モーリス・ロネ演じる金持ちの御曹司、フィリップ・グリーンリーフは、トムが自分の衣装を着用し、ブラシで髪を整え、鏡に向かって自分を演じている姿を見て「何をしている」と凄味ます。
フィリップが故郷のサンフランシスコに戻れば、お目付け役として彼と同行しているトムには、5千万ドルという多額の報酬が手に入りますが、彼はイタリアから戻る気配はなく、最後は船上でトムに殺さるという、成り上がりの場面が印象的といえませんか。
イングランドにおいて、外国資本が数多くある中、マンチェスター・ユナイテッドのファンが、ラトグリフとマルコム・グレイザーに大きな反抗をしているのは、ある意味で彼らが
米国という新興国の生まれである
同時に成金で下卑た印象しか与えない
と思うためとかんじるんですよ。
そしてそこには基本、強化の筋道が見えませんよね。
リバプールも米国資本、つまりMSGですが彼らはブレンダン・ロジャースを解雇し、ユルゲン・クロップという名指揮官と契約します。
そして彼が希望する選手をそろえ、まずはチャンピオンズ・リーグで準優勝、優勝を経験し、そこからリーグ優勝、FA杯とリーグ杯を勝ち取り、選手の入れ替えを行いながら、クロップとたもとを分かち、現在のスロット政権に移行します。
これくらいクラブの方針を尊重し、強化を行えばファンも納得がいくのでしょうが、ユナイテッドはただ金を使っている、とファンに思われている点を、考慮すべきでではないでしょうか。
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