ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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アンパンマン50周年

2023-10-03 22:25:05 | 日記



今日10月3日は、「アンパンマンの日」です。

過去に何度か書いてきましたが、今年は特別。というのも、アンパンマンが誕生して50年の節目に当たるのです。
今年はクイーンが50周年とかボブ・マーリィがメジャーデビュー50周年とかいう話がありましたが、なんとアンパンマンも同い年ということになります。

ただし、「アンパンマンの日」は、アニメ放送が開始された日。
それは1988年ということで……そちらでいうと、アニメ開始から35周年という記念でもあります。


前にも書きましたが、アンパンマンという作品には、実は深い問いかけが秘められています。
原作者のやなせたかしさんは戦争を経験しており、その経験から「正義とはなにか」を問い、そこから生まれたのがアンパンマンでした。

ひるがえって現在、「正義とはなにか」を考えさせられるようなできごとが、国内外でいろいろ起きています。

個々の事例については、また機会があれば書こうと思いますが……かねてから私が思うのは、そういう問いかけ自体の必要性です。
正義とはなにかを、問い、考える……そういう鍛錬が必要ということです。
それをせずにルールで決まっていることだから」というふうに正義の観念を制度に丸投げしていると、どこかで深刻な過ちを引き起こすことになる――というのが、私の持論です。

いろいろ意見はあるでしょうが、つきつめて考えれば、正義という概念はおのずから一定の範囲に収束していくでしょう。万人が認める唯一の正義は無理としても、9割ぐらいの人が同意する程度の“正義”はありうるはずなのです。やなせたかしさんは、深い自問のすえにそこにたどりついた。だからこそ、アンパンマンは半世紀にわたって愛され続けているのではないか……私には、そのように思えるのです。