ロック探偵のMY GENERATION

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サンフランシスコ平和条約発効記念日を振り返る

2023-04-28 22:41:24 | 過去記事

サンフランシスコ平和条約発効記念日

今日4月28日は、サンフランシスコ平和条約発効記念日ということです。70年前、敗戦後の日本が主権を回復し、国際社会に復帰した日……最近はずっとそうですが、こういった記念日が露......


過去記事です。

サンフランシスコ平和条約。
先日はリメンバー・チェルノブイリ・デーの記事を振り返りましたが、まったく関係ないようでいて、そこで書いたこととどこかでつながってくるように思えます。

この記事でも書きましたが、それから一年、どうしようもないロシアの状況をみていて、いろんなことが腑に落ちてきました。


第二次大戦終結時、戦後処理をどうするかとなったときに、戦勝国はどう考えたか。

どうやっても、もう二度とこんな戦争を起こさないようにしたい。なろうことなら、もう日本を直接支配したい。しかし、大西洋憲章で領土不拡大を謳っているし、今さら新たに植民地支配ということもできない。ならば、民主化することで、戦争を防ぐしかない……ということだったんでしょう。そして、その礎として民主的な教育があった、と。

今のロシアにあてはめれば……
とりあえずこの戦争が終わった後に、どうにかして同じようなことが起きないようにしたい。
かといって、どこかの国が外部からロシアを支配したりするのは、それはそれで問題がある。ならば、ロシアという国を内側から変えていくしかない。プーチンのような強権的(あるいは狂犬的)指導者が出てこないように。そのためにできるのは、民主化を促すことしかない……というわけです。

戦後日本の話に戻ると、マッカーサーが日本のことを「12歳の子ども」と評したのは、そういうことなんでしょう。
そうして外から民主化を促さないといけない、という……「教育してやらなければいけない」というと、気を悪くする人もいるでしょうが、それが70年前の日本の現実だったのだと思います。その“教育”が一定程度奏功し、戦後日本はそれなりに民主的、それなりに平和な国でやってきたといえるでしょう。しかし、その基盤がこのところぐらついてきていないか……この10年ほどで、その懸念が大きくなってきている気がします。





リメンバー・チェルノブイリ・デーを振り返る

2023-04-26 21:49:35 | 過去記事

リメンバー・チェルノブイリ・デー

今日4月26日は、「リメンバー・チェルノブイリ・デー」ということです。1986年のこの日、旧ソ連のチェルノブイリ原発で大事故が発生しました。チェルノブイリといえばウクライナ侵......


過去記事です。

一年前の今日、リメンバー・チェルノブイリ・デーということで、思うところを書いています。



原発といえば、先日ドイツが脱原発を完了したというニュースがありました。

いざというときには原発を利用しているフランスを頼りにすることになっているから完全な脱原発とは言えないといった指摘もありますが……
しかし、基本的には、脱原発はもう不可逆的な潮流であり、今回のドイツの件はその一環なのだろうと私は思ってます。
科学技術には寿命があります。出てきた当初は画期的だった技術も、時が経てば新たな技術にとって代わられるのが宿命です。そして、原発はもう技術としての寿命を迎えつつあるというのが私の見方です。
原発に固執し続ければ、廃れゆく技術を更新せずに時代に取り残されるという過ちを犯すことになるのではないでしょうか。それは、この国が歴史上何度も繰り返してきた過ちであり……今回はそうならないことを願うばかりです。



Marvin Gaye, Let's Get It On

2023-04-23 20:31:02 | 音楽批評


前回、ボブ・マーリィがメジャー・デビュー50周年だという話をしました。

クイーンも、ウルトラマンタロウも、50周年という話でした。
その流れを引き継ぎ、今回も50周年アニバーサリーについて書きたいと思います。


登場するのは、マーヴィン・ゲイです。

デビュー50周年ということではりあませんが、名盤として名高い Let's Get It On が、今年で50周年を迎えるのです。



一応、マーヴィン・ゲイという人について簡単に説明しておきましょう。

マーヴィン・ゲイは、ソウルの巨人として知られる伝説的シンガーです。

当初はソロシンガーではなく、コーラス隊の一員やドラマーとして活動。一時、ブルースやソウルの名門として知られるチェス・レコードに在籍したことがあり、ボ・ディドリーとも親交がありました。

そんなマーヴィン・ゲイのステージを、モータウンの社長ベリー・ゴーディJrが目にし、彼をモータウンに引き抜きます。
このとき「ゲイ」のつづりを Gay から Gaye に変更。英語名で最後に読まないeがついているのはよくありますが、マーヴィン・ゲイの場合、敬愛するサム・クックのつづりが Cooke となっているのをもとにして、ということです。このエピソードには、ソウルの王道をいくんだという矜持がみとてれるかもしれません。
さらに、ゴーディの妹アンナと結婚し、公私ともに充実した状態でモータウンで活躍……そして、絶頂期ともいえる時期にリリースされたのが、Let's Get It On でした。

そのタイトルチューンです。

Let's Get It On

このLet's Get It On が50周年だということですが……しかし私としては、その前作にあたる What's  Going On も捨てがたい。
ということで、ちょっとそちらの話を。

タイトル曲のWHat's Going On は、以前このブログの記事で引用したと思います。
ベトナム戦争末期の世相を反映して、社会的なメッセージが前面に出た歌です。「戦争は答えじゃない」というフレーズは、ウクライナ戦争での反戦デモなどでも目にしました。
そういう歌なので、前回ボブ・マーリィの記事で紹介したPlaying For Change にも動画があります。

What's Going On (Marvin Gaye) Feat. Sara Bareilles | Playing For Change | Song Around The World

ボブ・マーリィとは意外な接点もあって、マーヴィン・ゲイがジャマイカ公演を行った際に、解散していたウェイラーズが一時的に再結成して共演したりしているのです。
ボブ・マーリィの代表曲One Love/People Get Ready のもとになったのはカーティス・メイフィールドの People Get Ready なわけですが、カーティス・メイフィールドがああいう曲をやったのはマーヴィン・ゲイのWhat's Going On の影響ともいわれ……こうしてすべてがつながってきます。


ついでに、What's Going On からもう一曲。
このアルバムにはSave the Children という曲があります。
前回ボブ・マーリィの曲が Save the Children のプロジェクトに使われているという話でしたが、こういうところにもつながってくるわけです。このセーブ・ザ・チルドレンという団体は1919年から存在しているということなので、マーヴィン・ゲイの曲と何か関係があるわけではないんですが、「子供たちを救って」という普遍的なメッセージで自然と接点ができてくるのです。
この歌を、ダイアナ・ロスがカバーしたバージョンがあります。
マーヴィン・ゲイとは何度かコラボしており、とりわけAin't No Mountain High Enough が有名なダイアナ・ロスさんですが、ジョン・レノン「イマジン」とのメドレーでSave the Children を歌いました。

Medley: Imagine / Save The Children (Alternate Version)

この歌は、U2のボノがカバーしたバージョンなんかもあります。
ボノも、前回のボブ・マーリィ記事で出てきました。すべてがつながってくるとは、こういうことなのです。


カバー曲を続けて載せてきたついでで、最後はマーヴィン・ゲイにとって最大のヒット曲「悲しいうわさ」を、CCRのバージョンで。

Creedence Clearwater Revival - I Heard It Through The Grapevine (Official Music Video)  

最大のヒット曲とはいうものの、マーヴィン・ゲイのオリジナルではありません。
最初にやったのは、やはりモータウンの巨人であるスモーキー・ロビンソン。これを、60年代末にマーヴィン・ゲイがカバーし、大ヒットしたのでした。

このヒットからWhat's Going On、Let's Get It On というところが、マーヴィン・ゲイの最盛期でしょう。その後はアンナとの離婚があり、それもあってモータウンとの関係もぎくしゃくし、低迷していた時期もありました。そして最後は、父親との口論との末に、銃で撃たれて死亡……決して長いとはいえない一生でしたが、そのなかで、マーヴィン・ゲイは色あせない輝きを放つ名曲を残したのでした。




Bob Marley & The Wailers, High Tide Or Low Tide

2023-04-20 21:30:29 | 音楽批評

今回は、音楽記事です。

先日、「クイーンの日」で、クイーンが今年でデビュー50周年だという話をしました。

50周年ということでいうと、エアロスミスやKISSなんかもそうですが……もう一人、50周年を迎えるアーティストがいます。
ボブ・マーリィです。
インディーズ的な活動を含めるとキャリアはもっと長いですが、アルバムCatch a Fire でメジャーデビューしたのは、1973年。メジャーデビュー50周年ということになるのです。
というわけで、今回はボブ・マーリィ特集といきましょう。


はじめに、High Tide or Low Tide という曲を。
Catch a Fire のオリジナル盤には入っていませんが、後のバージョンにボーナストラックなどのかたちで収録されている曲。
セーブ・ザ・チルドレンの東アフリカアピールということで、この曲の動画が制作されています。

High Tide Or Low Tide (Save The Children's East Africa Appeal) - Bob Marley & The Wailers

ボブ・マーリィといえば、愛と平和を歌うだけでなく、行動にも移した人でした。
そうした活動が煙たがられたのか銃撃を受けたこともありましたが、「悪い奴らは休みなんかしないのに、俺が休んでなんかいられない」といってステージに立ったという逸話は語り草です。

そんなボブ・マーリィの歌は先ほどのセーブ・ザ・チルドレンのように、社会的な活動にもしばしば使われます。
そうした動画を、以下にいくつか紹介しましょう。


Playing For Change というプロジェクト。
このプロジェクトの動画はこれまでに何度か紹介してきましたが、ボブ・マーリィの曲もいくつかあったと思います。世界を変えようという趣旨なので、やはりボブ・マーリィとは相性がいいのです。
今回は、バニー・ウェイラーが参加している Soul Rebel の動画を。

Soul Rebel featuring Bunny Wailer and Manu Chao | Song Around The World | Playing For Change


PFCには、ボブ・マーリィの代表曲One Love/People Get Readyもあります。
英語のタイトルや説明書きが直訳されておかしなことになってますが……
先の動画にも出てきたマヌ・チャオがここでも参加。2000年代半ば、この方が一番ノっていたときでしょうか。

一つの愛|変更のために歌います|世界一周の歌  

もとになったカーティス・メイフィールドの People Get Ready はこのブログでいくつかのバージョンを紹介してきましたが、歌としてはこっちのほうが有名でしょう。
この歌のタイトルを冠した「ワン・ラブ・ピースコンサート」というのもありました。そこで、対立する二政党の党首に握手させたというエピソードも、ボブ・マーリィ伝説の一つとなっています。


PFCからもう一曲。Get Up, Stand Up です。
こちらは、キース・リチャーズが参加。ストーンズではキース推しの私としてはうれしいところ。

Get Up Stand Up | Playing For Change | Song Around The World


ここから、Get Up, Stand Up をもう二つ、別のカバーで。

一つ目は、「ライブ8」でのパフォーマンス。
あの伝説のライブエイドから20年を経て開催されたイベントです。ここで、ブラック・アイド・ピーズが、スティーヴン・マーリィ、リタ・マーリィとともに Get Up, Stand Up をやっています。

Black Eyed Peas / Rita Marley / Stephen Marley - Get Up, Stand Up (Live 8 2005)


Get Up, Stand Up は、「権利のために立ち上がれ」とストレートに呼びかける歌。「飢餓や貧困に苦しんでいる人に救いの手を差し伸べる」というニュアンスではありませんが、これも重要なメッセージなのです。チャリティだといって“施し”をするだけではだめだということでしょう。
そのメッセージを歌い上げるのにふさわしいメンツがそろった動画がありました。

Tracy Chapman, Bruce Springsteen, Peter Gabriel, Youssou N'Dour - Get Up, Stand Up (Live)

おなじみのボス、ブルース・スプリングスティーンとともに、ピーター・ガブリエル、トレイシー・チャップマン、ユッスー・ンドゥールと、豪華な顔ぶれです。
ブルース・スプリングスティーンというのはやや意外なようにも思えますが、ボブ・マーリィはスプリングスティーンの前座をつとめたこともあるのだとか。

ユッスー・ンドゥールは、セネガル出身のアーティスト。アフリカでは「ん」ではじまる人名地名は珍しくないのです。この方は、先日のクイーン50周年の記事でも南アのチャリティイベント動画に出ていました。そこに一緒にいたクイーンやボノはライブエイドに出ていたわけで、そうやってすべてがつながってくるのです。


最後に……これはチャリティの類ではありませんが、ボブ・マーリィといえばはずせないのが「リデンプション・ソング」。
先日、クリス・コーネルの追悼コンサートで歌われている動画を紹介しましたが、クラッシュ脱退後にジョー・ストラマーがカバーしたバージョンなんかもあります。

Joe Strummer & The Mescaleros - Redemption Song

パンクというジャンルは、その発展過程においてレゲエと密接にかかわってきました。
レベルミュージックという共通項をもち、クラッシュはまさにその結節点に位置するバンドでした。
パンクにかぎらず、ロックンロールはやはりこのスピリッツを根底にもっていてほしい。それがまさに、Catch a Fire ということなんじゃないか……今回、ボブ・マーリィ関連動画をいろいろ集めていて、そんなふうに思えました。




クイーン50周年

2023-04-17 21:37:37 | 日記


4月17日は、「クイーンの日」。

毎年やってくる日付ではありますが、今年は特別です。
というのも、クイーンは、今年でデビュー50周年を迎えるのです。先日ウルトラマンタロウ50周年なんて記事を書きましたが、クイーンもタロウと同い年なのでした。

映画『ボヘミアン・ラプソディ』もあって、再び注目を集め、今なお愛されるクイーン……
50周年記念ということで、クイーンの動画をいくつか載せていきたいと思います。
ただ、クイーンの動画はこれまで何度も載せてきたので、今回はクイーンそのものというよりも関連動画が中心です。



発掘された未発表音源をもとにした新曲 Face it Alone。

Queen - Face It Alone (Official Video)

この手の曲は、もとがお蔵入りしていたものなので微妙だったりすることも多々ありますが、これはなかなかいい曲じゃないかと思います。


フレディ追悼コンサートでの Tie Your Mother Down。
ガンズ&ローゼズのスラッシュと、デフ・レパードのジョー・エリオットが参加しています。

Queen & Slash/Joe Elliott - Tie Your Mother Down (The Freddie Mercury Tribute Concert)


フレディはエイズで世を去ったということで、クイーンはエイズの啓発活動などにも関わっています。
下は、南アフリカで、U2のボノらと共演した動画です。

Queen + Anastacia, Bono, The Edge, Dave Stewart - Amandla (46664)

このイベントは、かのネルソン・マンデラが主催したものということです。



エルトン・ジョンを迎えての The Show Must Go On。
昨日チャップリンのスマイル祭りというのをやりましたが、この曲はあのメッセージに通ずるものがあります。チャップリンでいえば『ライムライト』のような……ジャンルは違えど、両者ともエンターテイナーとしての道を究めてこの境地に到ったということでしょう。

Queen & Elton John - The Show Must Go On (Live, 1997)

歌っているのがエルトン・ジョンだということも、このパフォーマンスを特別なものにしているんじゃないでしょうか。


最後に、異色のカバー。
北朝鮮の軍楽団がカバーしたという「ブレイク・フリー(自由への旅立ち)」。

'I Want to Break Free' (Queen) Performed In North Korea

……どうなんでしょう。
さすがにこれはマッド動画だと思うんですが、本当にやったんでしょうか。
正恩さまはクラプトンがお好きという話もあるので、UKロック全般にまで好みが広がっておられるとしたら、ありえない話じゃないのかもしれません。本当だとしたら、こんなにも切ないクイーンのカバーは他にないでしょう。面白いけれどなんだか悲しくなってくる、そんな動画です。

もとの歌は別に政治的な内容を歌ってるわけではありませんが、「自由になりたい」というタイトルなので、そこに政治的な意味合いを読み取る場合もあります。かつて軍事独裁政権がはびこっていた南米なんかではそうだったようで、その南米(たしかブラジル)でのステージでフレディがちょっとふざけた衣装でこの歌を歌ったら観客から空き瓶を投げつけられたというようなエピソードがありました。
ひるがえって、北朝鮮で首領様が見守る中での「自由への旅立ち」... はたして、フェイクか真実か。いずれにせよ、ここには忌野清志郎がやった「あこがれの北朝鮮」に通ずるものがあるかもしれません。