ボブ・マーリィの代表曲One Love/People Get Ready のもとになったのはカーティス・メイフィールドの People Get Ready なわけですが、カーティス・メイフィールドがああいう曲をやったのはマーヴィン・ゲイのWhat's Going On の影響ともいわれ……こうしてすべてがつながってきます。
ついでに、What's Going On からもう一曲。
このアルバムにはSave the Children という曲があります。
前回ボブ・マーリィの曲が Save the Children のプロジェクトに使われているという話でしたが、こういうところにもつながってくるわけです。このセーブ・ザ・チルドレンという団体は1919年から存在しているということなので、マーヴィン・ゲイの曲と何か関係があるわけではないんですが、「子供たちを救って」という普遍的なメッセージで自然と接点ができてくるのです。
この歌を、ダイアナ・ロスがカバーしたバージョンがあります。
マーヴィン・ゲイとは何度かコラボしており、とりわけAin't No Mountain High Enough が有名なダイアナ・ロスさんですが、ジョン・レノン「イマジン」とのメドレーでSave the Children を歌いました。
Medley: Imagine / Save The Children (Alternate Version)
このヒットからWhat's Going On、Let's Get It On というところが、マーヴィン・ゲイの最盛期でしょう。その後はアンナとの離婚があり、それもあってモータウンとの関係もぎくしゃくし、低迷していた時期もありました。そして最後は、父親との口論との末に、銃で撃たれて死亡……決して長いとはいえない一生でしたが、そのなかで、マーヴィン・ゲイは色あせない輝きを放つ名曲を残したのでした。