ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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兵庫旅行まとめ ~ミステリー編~

2022-06-19 21:57:46 | 旅行

今回も、兵庫旅行の記事です。

だいぶ長いことこの話題で引っ張ってきましたが、今回が最後。ミステリー編ということでいこうと思います。



横溝正史生誕の地。
あまり神戸のイメージはありませんが、生地は神戸ということで、こんなモニュメントが設置されています。



以前ちょっと書きましたが、今年は横溝生誕120周年。言い換えれば、ダブル還暦。特別な年なんじゃないでしょうか。
ちなみに、このモニュメントのデザインは、メビウスの輪を二つからみあわせたものだということです。


このまとめ記事シリーズの最初のほうで、異人館街のことを書きました。

その異人館街での私の目的地は…英国館。




ミステリーということでいうと、ここにその元祖とも目すべき存在がいるのです。



シャーロック・ホームズ。

“もっとも有名な英国人”ということで、こうして鎮座ましましています。
庭園には、ベイカー街の駅も再現。



館内には人形も。



もちろん、ワトソンもいます。



下宿の入り口を再現したドアもあります。



天井を見上げれば、そこにも。



ほかにも、英国館にはホームズ作品にちなんだ細かい仕掛けが施されています。なかには、ちょっとネタバレ気味になってるものもありましたが……


山田風太郎からはじまり、横溝正史、シャーロック・ホームズまで出てくればもうお腹いっぱいというところですが……もう少しミステリーのほうへ話を寄せていきましょう。



やはり、手塚治虫先生です。
手塚先生はミステリーにも関心を寄せていたようで、作品の随所にそれが表れています。

たとえば『三つ目がとおる』。



この作品に登場する写楽保介の名がシャーロック・ホームズからとられているということは、前にも書きました。そして和登サンはワトソン……というふうに、『三つ目がとおる』はミステリーを志向した作品なのです。連載を進めているうちに超古代文明とかそういう色合いが濃くなっていきましたが、怪奇現象を合理的に解明するというようなエピソードもなかにはあります。


『メトロポリス』。

 

この作品には、ずばりシャーロック・ホームズを名乗る人物が登場していました。『鉄腕アトム』では元私立探偵として登場するヒゲオヤジも、ここでは現役探偵として活躍。また、“黄金仮面”という小ネタも出てきます。『鉄腕アトム』の「ロボットランド」のエピソードは『パノラマ島奇譚』から着想を得ているとか、手塚先生の関心は江戸川乱歩のほうにもむいているのです。

『ブラックジャック』。



あるエピソードで、横溝正史をもじった「縦溝せまし」という名前が出てきていました。

かように、手塚先生は乱歩、横溝、ドイルと本格ミステリー方面からもインスピレーションを得ていたことがうかがえるのです。
おそらくは、そうした作品に触れ、高く評価されているのを知ると、じゃあ俺もやってやるーーとなるのでしょう。それこそが、以前も書いた手塚先生のバイタリティなのです。


…というわけで、兵庫旅行関連記事は今回で終了。
ひさびさの本格的な旅行は、なかなか楽しめました。またいつか機会があれば、気ままな旅に出ようと思います。







兵庫旅行まとめ ~人物編~

2022-06-18 20:53:25 | 旅行

今回も、兵庫旅行に関する記事の続編です。

今回は、兵庫県内に銅像などがある人物について書こうと思います。


宝塚歌劇団を創設した小林一三。
先日の記事で大劇場のことを書きましたが、その前にこの像がたっています。



人も知るとおり、阪急の創設者。日本の鉄道経営における一つのモデルを作り上げた実業家です。また、映画会社も創設。東京宝塚……これが略して「東宝」ということで、ゴジラにもつながってくるわけです。

ここでちょっと豆知識を披露すると、小林一三は若いころ作家になりたかったそうで、実際に小説を発表しているといいます。しかもそれが探偵小説らしい……ということで、俄然話が私のほうに寄ってくるのです。
しかし、私はその作品を読んだことがありません。
というか、まず入手がきわめて困難なようです。
ただ……実際に読んだ人によれば、あまり面白くはないとのこと。
まあ考えてみれば、そこそこぐらいのできであれば「小林一三が若いころに書いた小説」として後世に伝わっているでしょうから、おそらく触れちゃいけない黒歴史レベルにつまらなかったんじゃないでしょうか。



新長田駅前にある鉄人28号。



横山光輝が当地の出身ということで、ここに。まあ、横山光輝自身の像ということではありませんが……

ちなみに、駅前の商店街は鉄人ストリートということになっているようです。



横山光輝は、同じく兵庫が生んだ天才である手塚治虫、山田風太郎にも関係してきます。
風太郎の『甲賀忍法帖』から着想を得て横山光輝が『伊賀の影丸』を描き、そしてそこからヒントを得て手塚治虫が作品を描くという……そうして描かれたのが、『鉄腕アトム』のなかでも傑作と名高いエピソード「地上最大のロボット」。これを浦沢直樹先生がリメイクして描いたのが『PLUTO』であることはいうまでもありません。こうして21世紀にまで延びる糸があり、姫路→新長田→宝塚と続いているその糸の中間点にあるのが、この鉄人28号というわけです。
ついでに、21世紀にまで続いているということでもっというと、『甲賀忍法帖』は映画『SHINOBI』の原作でもあります。
ここで使われる“それぞれに特殊な能力をもった集団同士の戦い”というスタイルは、ジャンプ王道バトル漫画のひな形ともいわれ……そうなると、われわれは思っているよりずっと山田風太郎チルドレンなのかもしれません。


最後に、神戸駅近くにあるエルヴィス・プレスリー像。


エルヴィスを讃えるために建てられたということですが、なぜ神戸にあるのかは不明。
ちなみに、プレスリーを描く映画『エルヴィス』が来月公開されることになってますが、それにあわせて神戸でイベントがあるそうです。神戸という街にはなにかエルヴィスにゆかりがあるんでしょうか。





兵庫旅行まとめ ~エンタメ編~

2022-06-16 23:11:13 | 旅行

兵庫旅行まとめの続きです。

今回は、エンタメ編として、娯楽施設などを。


今回の兵庫旅行では宝塚にある手塚治虫記念館に行ったことを書きましたが……宝塚といえば、宝塚歌劇団。手塚治虫記念館のすぐ近くに、大劇場があります。



宝塚では、同じ兵庫県ということでか、山田風太郎の作品をとりあげたりもしているようです。
私自身はとくに宝塚に興味があるわけでもないんですが……ただ、高校生ぐらいの頃に一度だけ福岡公演を見に行ったことがあります。同級生の姉が宝塚に入団しているということで、その同級生に連れられて見に行きました。親族の特権でか、公演終了後の打ち上げにご一緒させてもらったりも……これはひょっとすると口外しちゃいけない話かもしれませんが、まあ、もう時効でしょう。その当時は、真矢みきさんや純名りささんがいたころで、この二人に直接お会いしたというのを私はひそかに自慢してます。

この宝塚歌劇団大劇場は手塚治虫記念館のすぐ近くにあるわけですが……これは単純に地理的な理由からではないでしょう。手塚先生と宝塚とは、なにげに深い縁があるのです。

それをもっともよく示すのが、『リボンの騎士』。



先生の母は宝塚ファンで、宝塚に住んでいたころの手塚少年は母に連れられてよく見に行っていたといいます。その経験が『リボンの騎士』につながっているわけなのです。
もっというと、サファイアのみならず、ジェンダーを超えたキャラが手塚作品によく出てくるのは宝塚の影響かもしれません。
元祖ボクっ娘ともいわれる『三つ目がとおる』の和登サンや、『メトロポリス』に登場する両性具有の人造人間ミッチィ、そしてそのミッチィが原型とされる鉄腕アトムも、もとは女子として構想されたキャラだとか……こんなふうに性別の境界を行き来する発想は、宝塚からきている部分が相当あるんじゃないでしょうか。


甲子園球場。
せっかくなので、立ち寄ってみました。
画像を撮ろうと周囲を歩いてみたんですが、甲子園球場というのはいろんな建物や高速道道路などに囲まれていて、全体をとらえるような写真はなかなか撮りにくいようです。結果、中途半端な画像に。



ちなみに、私の母校は二回ぐらい甲子園に行ったことがあります。いずれも初戦敗退でしたが……初出場のときはダルビッシュ有を擁する東北高校に敗れました。ある意味伝説の一部といえるでしょう。


最後に…今回の兵庫旅行では、ゴジラストアというものにもいってきました。
ゴジラストア自体は東京にありますが、いま全国に出張店舗を出していて、それが神戸マルイにも。今回の兵庫旅行で当初からあった目的の一つは、これでした。

全国に出張店舗を出しているというのは、今年が映画『ゴジラVSモスラ』公開30周年にあたるということでキャンペーンを行っているためです。
キャンペーンにあわせて、イラストレーターのハシゴダカさんによるイラストを使用したグッズがが販売されています。




こんなものも。



基本的にはチェリオの自販機限定らしく、機龍のほうが数量限定でレアものという扱いです。神戸の街を歩いているときに見つけて買ってみたんですが、二本買って二本ともデストロイアでした。機龍を引くためにはもっと何本も買わなきゃいかんのか、しかもチェリオの自販機なんてどこにでもあるもんじゃないし……と思っていたら、ゴジラストアで普通に売ってました。


以上、エンタメと括るにはいささか雑然とした内容でしたが……まあ、強いて分類するならということでこうなったものなので、ご容赦を。




兵庫旅行まとめ ~史跡編~

2022-06-14 18:13:38 | 旅行


最近いくつかの記事で書きましたが……私、今月のはじめ兵庫県に行っておりました。
あれこれ計画をたてていると、いつの間にか一週間ぐらいの旅行になり……兵庫県内のあちこちをまわっていました。

せっかくなので、それらを何回かにわけて紹介しようと思います。

手始めとして、まずは史跡関連を。


兵庫県内の城を三つ。

まずは、尼崎城。


復元天守ということですが……できたて感があって、正直ちょっと安っぽい感が否めない。まあ、城郭としてみれば実際にできたてなのでやむをえないでしょうが……



次に、明石城。



この城の天守は失われていて、復元もされていないということです。
ただ、櫓が建っています。この櫓は天守といっても通用するぐらいに立派なものでしょう。




そして、姫路城。



兵庫県で城郭といったら、これが真打でしょう。その天守は現存十二天守の一つであり、いうなれば城郭界の黄金聖闘士です。そしてそのなかにあっても一、二を争う日本屈指の名城。





続いて、神戸市内の史跡をいくつか。


兵庫大仏。



もとは明治時代に作られた大仏ですが、戦時中に金属を回収するために解体されたという悲しい過去を背負っています。現在たっているのは、1991年に再建されたもの。初代は、奈良、鎌倉と並んで三大仏などとも呼ばれたそうですが、不在の期間が長かったためか、今は三番手の座を明け渡しているようです。


神戸港のあたりは、日本遺産に認定されているそうです。
その名も、「荒波を超えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落」……いささか大時代な感じですが、まあこんなもんでしょうか。

その構成要素の一つとして、高田屋嘉兵衛本店跡。



江戸時代にの代表的な海商で、司馬遼太郎がこの人を題材にして『菜の花の沖』という作品を書きました。


兵庫の港を整備した人物として、平清盛がいます。
ということで、「清盛くん」なるゆるキャラのような像が建っていました。



もちろん……といっていいかはわかりませんが、清盛くんは日本遺産の一部ではありません。


最後に、神戸異人館街の近くにあるスターバックス。


いい雰囲気です。もとは、居留外国人の使用していた建物を再利用したものだそうで……いかにも異国情緒があります。





私のような人間には似つかわしくもないおしゃれな場所ですが……ここに来たのにもちゃんとわけがあるのです。
その点についてはまた次回、ということで、今回はこのあたりで。



ニジゲンノモリ ゴジラ迎撃作戦

2022-06-12 19:03:01 | 旅行


淡路島にあるニジゲンノモリというところにいってきました。

兵庫県内をまわる旅行の一環。
なんでこんなところに来たかというと……ここに、ゴジラのアトラクションがあるのです。

その名も、“ゴジラ迎撃作戦”。




今回の兵庫旅行は山田風太郎から出発したわけですが、ゴジラも強引に風太郎につなげることができます。山田風太郎が江戸川乱歩から“戦後派五人男”の一人に列せられたという話を書きましたが、その五人男の一人である香山滋が、第一作『ゴジラ』の原作を書いているわけです。

まあ、それはともかく……ゴジラ迎撃作戦。

敷地内に、シンゴジラが設置されています。



体の一部だけではありますが、おそらく実物大ということしょう。

日本を襲撃したシンゴジラが活動抑止剤を撃ち込まれて、休眠状態になっている……という設定です。
その設定を説明するショートフィルムがミニシアターで上映されてるんですが、これもなかなか力が入ってました。

アトラクションとしては、ジップラインでこのゴジラの体内を通過するというもの。
さらに、シューティングゲームみたいなコーナーもあります。

そして、ゴジラミュージアム。

ここがすごい。
今回ニジゲンノモリに来たのはここのため。このために淡路までくる価値はじゅうぶんにあります。
まずはじめに出迎えてくれるのが、これ。


この画像では伝わりませんが、結構なサイズで迫力があります。



こちらは、『東京SOS』の再現。あの映画で実際に使われたスーツだといいます。
ゴジラシリーズ作品の登場人物たちがミニチュア内のあちこちに配置されています。
下は、『ゴジラVSビオランテ』に登場する権藤一佐らしいです。



スーツ以外にも、さまざまな模型などが展示されています。
やはりビオランテから、スーパーX‐2。



デストロイアの模型。
企画段階で制作されたものだそうです。



そして、このゴジラ迎撃作戦のストーリーに基づいたジオラマ。



今年はガイガン登場50周年ということで、ガイガンをクローズアップしたコーナーも。



FINAL WARS版のガイガン。



起動前の姿も。



X星人(?)の姿もあります。



轟天号。これもFINAL WARSに出てきました。





ミュージアム外では、ゴジラとコラボした飲食物も売られています。
そのなかの、モスラドリンク。


水墨画風に描かれたモスラ……ということなんですが、これはちょっと中身が入っていないとわかりづらい。

下は、ドリンクを買うとついてくるコースター。
こちらはランダムですが、私が引いたのはVSメカゴジラ版のラドンでした。

ほかにも、歴代ゴジラ映画に登場した怪獣たちの市販フィギュアが勢ぞろいした展示などもあり……ミュージアム自体はさほど広くないものの、見ごたえがあります。ゴジラファンなら、一度行っておいて損はないでしょう。