ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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BOSS AB-2 FOOT SWITCH を導入

2019-11-28 16:52:27 | 日記

BOSSのAB-2スイッチというものを手に入れました。



2WAY SELECTOR……すなわち、二つの入力ラインを切り替えることのできるスイッチです。
これを使うと、二台のギターを一つのアンプにつないで、切り替えることができます。

ときどきこのブログで書いているように、私はバンド活動もやっておりまして……そこで使うためにこのスイッチを購入しました。
ギターのチューニングが違う曲をやるときに、瞬時に変換できるようにです。

以前MIDIキーボードのことを書きましたが……私の装備も、だんだんと充実してきました。
いずれ、音源を作ってSoundCloud にアップするというようなこともやってみようかと思ってます。

原寮『私が殺した少女』

2019-11-26 17:04:19 | 小説
原寮さんの『私が殺した少女』という作品を読みました。
厳密にいうと、アマゾン・オーディブルで聴いたんですが……

しばらく言及してきませんでしたが、ミステリーの古典を読もうキャンペーンは、私のなかで継続中であり、その一環。「古典」といえるかどうかは微妙かもしれませんが、直木賞受賞作でもあるこの作品を、今回は読んでみました。

 

原寮さんといえば、ハードボイルドの作家として有名な方ですね。(名前の漢字表記が厳密には違いますが、この漢字は出せないようなので……)

今回初めて、この方が鳥栖市の出身だということを知りました。

鳥栖市は、私が住む小郡市の隣に位置する市。県は違いますが、隣町です。そしてその鳥栖市が、園田英樹さんの出身地であるということは、以前も書きました。鳥栖というのも、なかなかあなどれないところだな……と思った次第です。

内容は、誘拐殺人事件を扱ったこてこてのハードボイルド。

以前、恩田陸さんが小説に書いてましたが、ハードボイルドというのはテンプレががっちり固まっているジャンルです。
近年の「ラノベといえば異世界転生」というぐらいのレベルにテンプレがあって、多少のバリエーションがあっても、そう大きくそこからはずれることはないようです。
この作品の場合も、基本的にはその型にのっとっているといえるでしょう。
社会の裏側を生きる一匹狼的な主人公。一人称の語り。「~た」の文末で畳みかける文章。繰り出されるワイズクラック……これをうまくきめるのは相当に難しいことですが、さすがにうまくきまっています。

もちろん、ミステリーとしての仕掛けも一級品。
ネタバレになるので詳細は書きませんが、最後にあっと驚く真相が用意されています。

あともう一つ、プロフィールで驚かされたのは、原さんが、ジャズピアニストでもあるというところです。かなり本格的な活動をされているということで、作品にもそういうフレーバーが濃厚ににじみ出ているように思えます。やはり、ジャズという音楽はハードボイルドと親和性があるあんでしょうか。



Stevie Wonder & Paul McCartney, Ebony and Ivory

2019-11-24 17:37:24 | 音楽批評
今回は、音楽記事です。
以前、スティーヴィー・ワンダーについて書きました。
そこからのつながりで、今回は Ebony and Ivory という曲について書きましょう。

スティーヴィー・ワンダーとポール・マッカートニーのデュエットによる名曲です。

野暮を承知で一応解説を加えておくと、Ebony、Ivory というのは、それぞれ黒檀と象牙のことで、そこから転じてピアノの黒鍵と白鍵を表します。

ピアノの黒鍵と白鍵は、隣り合って、調和を生み出している。

それと同じように、黒人と白人も共存できるはずだ――そういうメッセージを込めた歌です。そしてそれを、黒人であるスティーヴィー・ワンダーと白人であるポール・マッカートニーが歌う……という趣向です。
スティーヴィー・ワンダーは、前回の「ある愛の伝説」でもわかるように、社会的なメッセージを込めた歌も歌っています。有名な Happy Birthday という歌がありますが、あれも、キング牧師のことを歌った歌なのです。
一方のポール・マッカートニーもまた、そういう傾向はあります。ビートルズ時代には、プロデューサーのジョージ・マーティンにあまりそういう歌を作るなといわれてたそうで抑制されてるんですが……全キャリアを通じてみれば、メッセージソング的な歌も歌っています。そんな二人だからこその一曲でしょう。


  僕たちはみんな知っている
  どこへ行こうが 人は同じだと
  すべての人に 善と悪がある
  与えあうことを学ぶとき
  ともに生きていける

  黒鍵と白鍵は
  僕のピアノの鍵盤で
  隣り合って調和している
  どうして僕らはそうしないんだ?


そのメッセージは、黒人と白人というところを超えて、あらゆる人種問題に敷衍できるでしょう。

日本でいえば、悪化している日韓関係についても。

そもそも、「日本人が」とか「韓国人が」とかいうこと自体が馬鹿げてるわけです。
俗にいう、主語が大きすぎるというやつです。

ところが、いまヘイト本が売られ、ヘイトスピーチが行われているという現実があります。
恥ずべきことです。
いま一度、スティーヴィー・ワンダーが「ある愛の伝説」のなかで歌っていたフレーズを思い起こしましょう。

  憎しみ(hate)は世界中を駆け巡り
  多くの心を傷つけています
  どうか止めてください 手遅れになる前に――


大興善寺の紅葉

2019-11-23 23:02:23 | 日記


基山の大興善寺というところに行ってきました。



以前、本福寺の記事で、本当は別のところに行く予定だったと書きましたが、そのとき行こうとしていたのは、ここだったのです。
紅葉が見ごろとなっています。やはり、私のファーウェイカメラではそれがまったく伝わりませんが……



地元では“つつじ寺”ともいわれていて、つつじの名所として知られているところなんですが、紅葉もまた美しく、土日の夜にはライトアップもされています。(ただし、ライトアップは今週まで)



竹の灯篭も。




もうだいぶ前ですが、つつじの時期にこの寺でアルバイトをしたことがあります。

飲み物を売ったり、怪獣の着ぐるみを着て子どもの相手をしたりしてました。

今となっては懐かしい思い出です。


年のせいか、こういう寺のたたずまいや、石造りの階段や灯篭、苔むした檜皮葺の屋根なんかがしんみりと感じられます……

スティーヴィー・ワンダー「ある愛の伝説」(Stevie Wonder, Love's In Need Of Love Today)

2019-11-22 16:41:12 | 音楽批評


今回は、音楽記事です。

このカテゴリーでは、前回ベック、ボガート&アピスの記事を書きました。

そこでも書いたとおり、BB&AのSuperstitionはスティーヴィー・ワンダーのカバーです。そこで今回は、このソウルレジェンドについて書きましょう。

スティーヴィー・ワンダーは、いわずと知れた盲目の天才ソウルシンガーです。
わずか12歳でデビューし、“モータウンの奇跡”と呼ばれました。その歌唱力ばかりでなく、コンポーザーとしても卓越したセンスを持ち、勃興期にあったMOOGシンセサイザーを活用して多くのヒット曲を世に送り出してきました。
代表曲の一つであるSuperstition(迷信) は、『トーキング・ブック』というアルバムに収録されていますが、このアルバムにゲストミュージシャンとして参加していたのが、ジェフ・ベックーーというところで、BB&Aの記事とつながってきます。
そのSuperstition はもちろんのこと、ほかにもSir Duke, I Just Called to Say I Love You, Isn't She Lovely など、スティーヴィー・ワンダーの名曲は数知れず、たとえば Sir Duke なんかは、彼のことを知らなくとも誰しも一度は聞いたことがあるでしょう。もう、そういうレベルの存在になっているのです。
そして、「ある愛の伝説」もまた、それら名曲のなかの一つ。名盤として知られるアルバム Songs in the Key of Life に収録されています。

 

原題は、Love's in Need of Love Today
直訳すれば「愛はいま愛を必要としている」で、「ある愛の伝説」というのはなかなか大胆な意訳です。
YouTube公式チャンネルに動画(?)があったので、貼り付けておきましょう。

Love's In Need Of Love Today

  おはよう あるいは こんばんは
  皆さんおなじみのアナウンサーです

と、アナウンサーの呼びかけというかたちで歌は始まります。

  皆さんにお届けしなければならない深刻なニュースがあるのです
  私がいおうとしていることはひょっとすると大変な惨事で
  みなさんの喜びと笑顔を
  涙と苦しみに変えてしまうかもしれません


ものものしい前置きです。
そして語られるニュースというのが、「愛はいま愛を必要としている」なのです。

  愛はいま愛を必要としています
  急いで あなたの愛を届けてください
  憎しみは世界中を駆け巡り
  多くの心を傷つけています
  どうか止めてください 手遅れになる前に


どうでしょうか。
これはもう40年ぐらい前の歌なんですが、まるで現代に向けて歌っているように聞こえてこないでしょうか。
この歌に関しては、特に付け足すこともありません。
残りの部分の歌詞も紹介しておきましょう。

  邪悪な力があなたを支配しようとたくらんでいます
  放っておけば それはすべてを破壊してしまうでしょう

  私たちは予防策を講じなければなりません
  もし愛や平和が大事だというのなら
  どうか私の言葉を聴いてください

  愛はいま愛を必要としています
  急いで あなたの愛を届けてください
  憎しみは世界中を駆け巡り
  多くの心を傷つけています
  どうか止めてください 手遅れになる前に