今晩は中秋の十五夜、しかし、月は雲の中。「中秋無月」なのです。
「恨みず尊前月色なきを/看るを免る児子鬢辺の絲」これは、頼山陽がお母さんと月見をしたときの詩です。残念ながら月は見れなかったのです。でも、月が出ていなかったことを恨みはしませんといっています。その理由は月が出ていないので、私の白髪の増えているのを、母に見られなくて済むのだからというのです。
頼山陽には母を思う詩が沢山あります。どれも素晴らしい詩で、真情が溢れていて、この詩も母に心配を掛けまいという思いがにじみ出ています。
月の出ていない十五夜、ふとこの詩を思い出して書いて見ました。