90を過ぎると何とも物忘れがひどくなる。皆様も同じような悩みをお持ちのようです。困るのは私の生き甲斐、詩吟を教える時です。
詩吟では日本の歴史に関係する詩がたくさんあります。歴史的な事柄は結構覚えているつもりで、改めて勉強しないで出掛け、その吟題にかかわる歴史を話そうとしたら、知っているはずの名前とか事象が出てこないのです。
それで、この頃はできるだけ扱う予定のことについてはもう一度復習をして行くことにしています。それでも、メモを持たないと危険です。そんな状況でもとっくに忘れてよいはずの小さな出来事が忘れないまま残っていたりするのには驚きです。第三師範学校の本科一年に入学した年、スキー部に入りました。11月に雪が降り一日も早くゲレンデに出たい思いをしていた12月5日雨が降りました。6日が日曜日になっていて、同期の仲間と神居岳に滑りに行くことにしていて、出かけました。12月に雨が降るなんて信じられない気持ちになったものでした。そして、当日は晴れていて、現地に出かけたのですが、昭和23年ですから、スキー場などはありません樹間を縫って滑るだけなのですが、前日の雨で雪の表面がしばれ、力を入れると埋まるのです。滑り降りようとして間もなく足を取られ転びました。表面が硬くなっていて、転んだ拍子に足をねじる形となり、捻挫をしてしまいました。これがスキーでの最初のねん挫で今も忘れられないでいます。此の当時のスキー用具、とてもお粗末なものでしたが、私の実家はとても余裕のある家でありませんでしたから、スキーはもちろん、靴も父が若い時に使ったものを使うという情けないスキー部員で、一年でやめさせてもらいました。こんなことを忘れないのに、大事なことをわすれるという。思い返すと、普段は忘れているのに結構いろいろ詰まらないことが忘れられずに蘇ってきます。そんなところに人生の面白さがあるのかもしれませんね。
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