昼は「手仕込みトンカツカレー」にした。
964円。「おっと、しまった」上着の内ポケットに財布がない。
カードは財布の中だ。
そうだ。財布は手提げバッグに入れた。
そのバッグは会社に置いてきたのだった。
会社はすぐ近くだから、訳を言って取りに戻ろうかと思いつつ、
ズボンのポケットに500円玉2枚と、
100円玉数枚を入れていたのを思い出した。
500円玉2枚の現金払いとなった。
釣銭は10円玉3枚、5円玉、1円玉がそれぞれ1枚。
これら小銭を手にするのは、久方ぶりだ。
何せ、物を買うにも、何かを食べるにもカードで
払うようにしているから、
釣銭が戻ってくるはずがない。
カードでの支払いに変えたのは、昨年中頃だったか。
スマホ決済とは、まだいかない。
何せ、まだスマホを持っていないのだから……。
その前段階とも言うべきバスにも使える交通系カードだ。
確かに、いちいち現金を出し、釣銭をもらうという手間は省ける。
読み取り機をピッと言わせればそれで済む。
それはそれで結構な話なのだが、
孫たちの楽しみが一つなくなってしまった。
実は、釣銭として戻ってきた10円、5円、1円といった
小銭は箱の中に入れて貯め、孫たちの
小遣い銭になっていたのだ。
〝塵も積もれば〟の通り、
これら小銭が数千円、時に1万円近くにまでなったこともある。
結構な小遣いになったはずで、たまに遊びに来る我が家での
楽しみの一つになっていた。
だが、小銭が貯まらなくなった。
現金払いすると、釣銭は10円、5円、1円玉で
返ってくることが多いが、
カードで支払うと、言うまでもなく釣銭をもらうことはない。
当然小銭が貯まらないという理屈だ。
残念ながら、孫たちの〝小銭小遣い〟も消えてしまった。
いろいろと便利になるのは結構なことだが、どこか面白くない。