Toshiが行く

日記や趣味、エッセイなどで描く日々

プライド

2021年03月28日 10時17分25秒 | エッセイ

      ある県の知事をされ、
      後に総理大臣にまでなられた方であるが、
      あまり良い印象が残っていない。
      知事時代にお会いし、お話を伺ったことがあるのだが、
      僕がまだ若輩だったこともあったのだろう、
      終始上から目線で対応され、うんざりし、
      嫌気がさしたものだ。
      そんなことがあり、
      世間の評判ほどに僕自身は、
      その言動をあまり信頼できなかった。


      プライド──誇り、自尊心、自負心。
      人として持つべき大事なものだ。
      だが、何事も「過ぎる」のは禁物。
      高過ぎると、自己中心的で独善的、
      上から目線の傲慢な態度で周囲から煙たがれる。
      件の知事は名門のご出身であり、
      広く名も知られた方だから
      プライドが高いのは当然だろうが、
      それがちょっと「過ぎた」ように、僕には思えた。

          
      このような「過ぎた」人は、世間には結構多い。
      「東大出身だ」などと高学歴をひけらかし、
      あるいは高級官僚経験者、
      さらには一流企業の役員等々……
      社会におけるステータスを「どうだ」とばかり
      周囲に見せつける。
      そんな態度に周囲はうんざりしているのを
      知ってか知らずか……。

           実は、そういう人は結構繊細で、
      傷つきやすい性格なのだそうだ。
      だから、他人から傷つけられることを嫌がり、
      自分を防御しようとして独善的、威丈高になるという。

      つい最近も、東大─高級官僚出身の方と
      お話する機会があった。
      周囲から「プライドが高い」と言われている方だが、
      あの知事さんほどのことはなく、ほどほどであった。

      「低すぎる」と軽蔑されかねないし、
      世における身の処し方はなかなかに難しい。