ツイッターが標準的なコミュニケーションツールになったら、140字以上の文章はもう「理解不能」と言う人が増えてしまわないでしょうか。私のブログももうすぐ読む人がいなくなって消滅?
【ただいま読書中】『思いつきで世界は進む ──「遠い地平、低い視点」で考えた50のこと』橋本治 著、 筑摩書房(ちくま新書1384)、2019年、780円(税別)
橋本治さんはもう七十歳を超えているはずですが、相変わらずのパワー溢れる文章を綴っています。昔の作家はこの年齢になったら「文壇の重鎮」としてちんまりおさまってしまうものだったのにねえ。
反知性どころか無知性が幅をきかす最近の日本の政治や社会の現状に、声を荒げるわけではないけれど辛辣に異議を申し立てる著者は、半分あきらめながらも、でも小言を言うことはあきらめてはいないようです。というか、橋本治さんは「重鎮」ではなくて「小言爺さん」になってしまったのかな。あ、これは悪口ではありません。現代社会では絶滅危惧種になっている小言爺さんの役割を引き受けてくれたのだったら、ありがたくて感涙にむせびそうです。現役として長生きをして欲しい。