ロシアでは知事選挙に関する法律が効力を発した。知事任命制の導入から8年後、ロシアでは再び住民による直接選挙が復活した。法はロシアで行われている政治改革の枠内で承認された。複数の地域で秋に実施される知事選挙で試行される。
新規則によると、知事は秘密投票による国民の直接選挙で選ばれる。50パーセント以上の票を獲得した立候補者が当選者となるが、過半数の票を獲得した立候補者が出なかった場合には、1位と2位の候補者が決選投票に臨む。
知事に立候補できるのは、従来通り政党の候補者と自己推薦者。一方で推薦手続きでは2つの「フィルター」が規定されている。1つは「大統領フィルター」で、大統領と政党が候補者について協議する。2つめは「地方自治体フィルター」で、候補者は地方議会のメンバーの5パーセントから10パーセントの支持を得る必要がある。自薦のための条件は、地域の2パーセントの有権者から支持を獲得することだ。
政治学者のミンチェンコ氏は、次のようにコメントしている。
「『地方フィルター』の割合は引き下げたほうがよいと考えている。自己推薦のために必要な支持率を1パーセントにし、政党に対しては廃止するべきだ。なぜなら、上院あるいは下院議会または地方議会に議席を持つ政党は、すでに国民から支持を得ていることを示しているからだ。」
政治学者のポリャコフ氏は、「フィルター方式」は手続きを最適なものにするためのシステムだとの考えを表し、次のように語っている。
「今はまだ、あらゆる『フィルター』を設けることなく、そしてあらゆる署名を集めずに知事を選ぶ時期ではない。それにはまだ早すぎる。基準の意味を理解する必要がある。フランスの大統領選立候補者は、500人の推薦人の署名を集めなくてはならない。これは簡単な課題ではない。このような条件の意味は何か?将来の市長や知事は、当選した際、効率的に活動するために、地方自治体レベルで何らかの支持を得なくてはならない。その人物が地域で全く知られていない、あるいは住民から拒否反応を呼び起こしているならば、立候補する意味はあるだろうか?」
議会では、「大統領フィルター」について話し合われた時、大きな論争が巻き起こった。最終的な案は修正され、大統領が自ら協議の必要性について決定することになった。
法律によると、知事の任期は5年、連続した任期は2期まで。法律違反を犯した場合には、更迭させられる可能性もあり、裁判で裁かれる。
新たな法律は、全体としてロシア国民に対し、政治的生活に積極的に参加するよう呼びかけている。ロシア政府は2011年12月に政治改革の実施を提案した。当時ロシア大統領を務めていたメドヴェージェフ氏が、年次教書演説の中で述べた。プーチン氏は、知事の直接選挙を復活させる必要性について語った。