第18回開高健ノンフィクション賞(集英社主催)は18日、河野啓さん(57)の「デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場」に決まった。賞金300万円。
河野さんは北海道放送でドキュメンタリー番組などを制作するディレクター。受賞作は、2018年5月にエベレスト登山中に滑落死した栗城史多の関係者に取材して人柄に迫り、事故死の裏側の事実を掘り起こした。
河野啓 プロフィール
1963年1月23日、愛媛県生まれ。北海道放送勤務。高校中退者を全国から受け入れている北星学園余市高校を長年継続取材。「学校とは何か?」(放送文化基金賞本賞)、「ツッパリ教師の卒業式」(世界テレビ映像祭推奨)など同校をテーマにしたドキュメンタリーが全国放送され高い支持を得る。2011年、『北緯43度の雪―もうひとつの中国とオリンピック』で「第18回小学館ノンフィクション大賞」大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
『北緯43度の雪 もうひとつの中国とオリンピック』より
開高健ノンフィクション賞の選考会が昨日あった。
ぼくの大切な友人でもあった栗城史多さんのことを描いた作品『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』が受賞。
作者は、北海道放送でさまざまな番組をつくってこられた河野啓(こうのさとし)さん。
河野さん、おめでとうございます!
選考会というのはさまざまな議論が出るものだけれども、一つはっきりしているのはそのうちの誰も結果をコントロールできないということ。
ある作品を誰かが強く押しても、流れでそれを受賞させることはできないし、やはり議論の中で一つの「コンセンサス」が形づくられていく。
司会をする集英社の編集者の方も、議論を一定の方向に導くことは不可能。
つまり、受賞作に決まった作品は、精鋭の候補作の中で、結果としてみんなが合意するクオリティを持っていたということで、やはり大変なことだと思う。
『デス・ゾーン 栗城史多のエベレスト劇場』は、いろいろなことを考えさせる、とても深い響きのある作品です。
この秋の刊行を、みなさん、楽しみになさってください!
(クオリア日記)
おめでとうございます サハリンマン