「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

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ジャーナリストの長井健司さんが亡くなって5年。「カメラが見つからない。」と言い張るミャンマー当局。

2012-09-27 21:17:46 | 署名などの報告(会の活動報告)

 「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」で、中学の同級生で、今治で署名活動を中核的に担っていただいた井出さんから、長井さんが亡くなって、5年目の思いが届きました。実は、民主党政権側の関係者から、現況について、日本政府が認識できてていることは、僕に伝わっています。

 事の真否はともかく、先方の言い方は「とにかくみつからないのです。」という説明が強くなっているそうです。一定程度、探索している状況説明もなされているようです。「市場を調べ、同じ機種のものは国内に何点かあったが、当該のものではなかった」という感じで。軍事政権下におきたことなので、現況の体制下にも齟齬がある模様です。引き続き、働きかけは継続しています。とにかく、あの時点で、緊迫した状況を取材していた彼のカメラとビデオテープはいまだに返却されていないのは、間違いありません。5年が過ぎても、解決は為されていないという事です。

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『今年もミャンマーで亡くなったジャーナリスト長井健司さんの命日が巡って来ました。あれから早5年の月日が経ちました。
 彼が手に持っていたカメラとビデオの返却を求める抗議の署名(13万7千人超)は、3年目にして、ようやくミャンマー大使館が受け取ったものの、未だ戻ってきてはおりません。
 私たちのように平和な日本にいて、世界の現状を知ることが出来るのは、危険を冒してまで取材しようとするジャーナリストたちがいるからです。「誰も行かないところへは、誰かが行かなければならない」彼はいつもそう話していたといいます。
 共に通った学舎(中学校)は、少子化により来年3月に閉校することとなりました。同じ時を過ごした友人として、私は返却を求めます。それは、ミャンマーが民主化への道をたしかに歩み始めている証となることでしょう。』  井出範子

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 なお、長井さんの慰霊行事については、2009/9/27の三回忌で、「ミャンマー軍による長井さん殺害に抗議する会」では、一度止めました。彼の宗派、真言宗では、次が七回忌になるからです。それまで慰霊行事を行う予定がない事は、当時も会のメンバーでは、共通認識です。その旨、取材に来られた方にも説明しています。そして、2010/9/27に、井出さんの文章にもあるように、集めた十三万七千人の署名をミャンマー大使館が受け取って以降、会として活動は特に致しておりませんし、その旨の説明もしています。なお、慰霊行事は日本側が開催しているもので、こちらから在日本のミャンマー人たちに呼びかけて参加してもらいました。しかし、こちらから呼びかけないと、相手側から、開催を求める働きかけは、全くありません。皆無です。開催協力も、特にもともとありません。

 それについて、カメラマンの富田きよむという人物が、事実関係を何も踏まえずに一方的な中傷をしています。この人物は、長井健司関連の署名活動でまったく知らない人ですし、僕自身も知らない人物です。言っている事の意味が分かりません。僕の中傷を目的として、僕が長井さんの慰霊の行事をおこなっていないことを中傷しているようです。こういう関係ない人間から中傷される謂れはまるでありません。というか、ネットなら何を書いてもよいと考える愚かな人間の存在は頭が痛いものがあります。信じがたいです。

 

 


新しい生き方が、なぜ貴女に必要なのか。

2012-09-27 12:58:55 | 福島第一原発と放射能

 一年半の時間経過とともに、僕たちが考えなければならないことは、増えていると理解しています。こうした中で、僕自身、いろんなことを悩みながら、それでも前にすすんでいかないとならないと、よくよく考えるのですが、一番大切なことは、まずは我が身をどう考えるのかという事です。それは、放射能防御という観点で、考える事ばかりを指している訳ではありません。放射能防御が必要不可欠な状況となったこの日本で自分がどうするのかという事もありますが、すでにこの状況は固定化し続けているため、固定化した状況の中で、自分がどういうふうに生きていくのかということを、もう一度問い直す必要があると思っています。

 皆さんに問いかけている話でもありますが、自分に問いかけている話でもあります。放射能という問題が起きているのに、それを大半の人が、気づかないふりをする、もしくは本当に気づかない状況は東日本で継続しています。それへの異論を唱え続けることは、今も今後も必要ですが、それを続けていても、結局のところ、人の意識は、それだけで、続くものではありません。その意識とは別に、自分が避難した先で、実は新しい自分の生き方を考えることが大切になっていると僕は思います。

 首都圏から、西日本にこれだけ多くの方が、余儀なく移住したことは、戦中期の疎開移住を除き、明治以降、類例がありません。しかも過去の東京と異なり、爛熟して中枢文化を独占していた都市に、その都市の栄華を、一身に受けて生活をしていた人々が、その華を捨てて、移住するというのはこれまでになかったことです。  難しいのは、今まで得られたものを失って、違う生活に入ることが、いろんな形で人に負荷をかけます。その負荷は確かに苦しいものです。この負荷をどう解消するのも困難です。それでも、解消をしていくしかない。では、どうするのか。これは、実は難しくもあるのですが、難しい事ばかりではありません。新しい生き方を考えるしか、実は方法がないのです。もう少し書きます。自分がこれまで、おこなってきたことを踏まえて、自分の心の中で志向する、自分がやりたいことに基づいて、自分のいる居場所の中で、可能なアクションを始めることです。経済的に見返りができるものならなおよいですし、そうでなくても、自分が心の奥底で本当にやりたかったこと、できればまわりとの何かかかわりがある中で、やれそうなことに、新たに着手してみることです。

 起業という形をとるひともいるでしょうし、あらたなコミュニティをつくる人もいるでしょう。趣味のグループかもしれませんし、違うアルバイトをはじめてみることかもしれません。  ただし大切なことは、東京にいた自分がしていなかった要素を、していなかった方法、していなかったポイントを、何か必ず踏まえることです。今までと同じことばかりするのでなく、意識して自分の人生の中で、自分が取り組まなかった要素を必ず取り込むことです。それが、肝要です。繰り返しではなく、新しいことをはじめる。それは、自分が、過去の自分を、ある部分は捨てて、再生するために必要な作業となります。何もかも捨てなくてよいのですが、身にまとわりついた何かは捨てなくてはならない。そうした感覚の中で、先にすすんでいくと、見えてくるものは必ずあると思います。  

 放射能というのは、残酷なものでもありますが、実はある意味革新的なものでもあります。その革新さゆえに、多くの人々は、原爆や原発にとりつかれていて、そのことにあきらめのつかない人達は今でも多くいらっしゃいます。エネルギーをだすものの本質とも思うのですが、よかれあしかれ、そのパワーはまわりにもさまざま影響をもたらします。生体的な影響はもちろんですが、実はその存在そのものが、人の意識を大きく変えていきます。もう少しいうと、その人そのものを、最後には一変させます。それは、生物としても、文明の産物としても、成立した個人の在り方を大きく変貌させるものです。そして、東京には、それが、とんでもない量、拡散して存在している状態です。

 僕は、その変貌に大きくふみ込まれていくときに、人とというものは、過去の自分を、実は完全に失う状況になると確信しています。もちろん、その変化は、多かれ少なかれ、3.11.以降の人々に、おき続けているものなのですが、放射能を避けるという事は、そこで、自分を完全に毀損させないために必要な行為と思っています。生体ばかりでなく、自分という意識の防衛です。

  それでも、移住したことそのものも含めて、その人に変化はあります。プラスもマイナスも、いろんな変化が。そうした変化を受けながら、戸惑う日々に押し流されている一年半だったと思うのですが、その変化が、避けられないものである以上、自分という存在の保持のために、変化を受けて、自分自身がスライドしなければならないと思うのです。

  つまり新しいことを始めるというのは、まさにその自己への、最大の救済策ですし、実はそれ以外に、抜け道はないと、本質的におもいます。これは、避難移住に踏み切れていない人にも同じ構図なのかもしれません。新たに踏み切ることしか、実は何の救済もありません。どんな小さなことからでも構いません。それが、あなたを毀損しない、唯一の道になると僕は思います。

 僕は、新しい生き方が、貴女に必要だと思っています。

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【9/30(日)京都ベジタリアンフェスティバル】

つぎの日曜日、9/30(日)に京都市内の梅小路公園で開催される大きなイベント「京都ベジタリアンフェスティバル」http://www.vegetarianfestival.jp/にトークゲストで参加します。今回は、10周年の大きなイベントです。

メインステージ

12:45から15分  木下黄太トーク

13:00から15分  平智之議員や長谷川羽衣子さんらとトーク

緑の館1階イベント室

14:00~16:00

特別講演「放射能汚染と今後の日本。エネルギーシフトを京都から」

平智之 議員 X 長谷川羽衣子さんX 木下黄太  ¥700  予約⇒yoyaku.nonukes.vegefes@gmail.com

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【10/13(土) 木下黄太講演 IN 金沢】

★☆★~ 大丈夫?! 震災ガレキの埋め立て ?? ~★☆★

日時:10月13日(土)14時~16時(13:30開場)

会場:金沢歌劇座 大集会室
(下本多町六番 )

参加費:500円(前売りチケットあります)

主催:子どもたちを放射能から守る石川の会
共催:そらまめクラブ、わらべうたとえんげきの広場

*お車の方は、周辺の有料駐車場をご利用ください。
*会場内後方に、キッズスペース、授乳スペースあります。