「木下黄太のブログ」 ジャーナリストで著述家、木下黄太のブログ。

日本と世界のリアル状況確認と僕の思索を書き留めるブログ。
重要なことはメルマガで展開していますので、ご購読下さい。

被曝地の東京から有為な人材を移住・定住させたい、是非そういう人を繋いでほしいと話す徳島の人々。

2013-08-16 18:00:28 | 福島第一原発と放射能

 昨夜は、東日本から徳島に移住を支援し、定住促進をすすめている皆様と歓談いたしました。政治関係の方もいらっしゃって、いろんなお話になったのですが、ガレキの問題などでは、当初から徳島県の役人レベルで、このガレキに関してはすすめたくないという感覚も強かったらしく、他の自治体とはレベルの異なる対応もあったそうです。

 また、吉野川十堰問題で、環境を保護する市民意識の立ち上がりが、全県的にずっと強まっていたこともあって、市民の側の目線をどう見るのかということも大きなポイントになっていたようです。

 他にも、徳島選出の仙谷氏に対して、ある政治関係の方がこう漏らしていました。「彼は状況がまずいことは分っていても、官僚を牛耳る力量がない。民主党にああいう国会議員が20人位いたら、状況もかえられるかもしれないが、あいつ1人では無理。だから、諦めたんと違うんかな。それがよいかどうかはともかくとして、そういう妥協をして誤魔化したんだと思いますよ。それだけ、官僚の抵抗は強い。特にあの時、経産省がどうだったのかは、尋常な話ではない。」

 実は、こうした話は、民主党関係者や民主党シンパの中で、過去にも僕は聞かされました。表面上、非常に見えにくい構図の中で、こうした圧力があったのは事実だろうと思います。ただし、この方にも僕は同じことをいいましたが、いつもこういう返答をします。

 「いくら官僚が滅茶苦茶をしてきても、総理大臣なら、最後は自分の判断でなんでもできます。国民に危険を伝えることを広範囲にできたと僕は思います。それを菅直人はしなかった。それだけでも万死に値すると僕は思います。」

 ちなみにこの時、徳島の政治関係者はこう答えました。

「菅なんか、あんな男にそんな決断ができる訳がない。そんな器量の人間でないですよ。そんなの分かりきった話やないか」と。

 僕は、管直人氏が政治家として、自分の党である、民主党の再生を幾ばくかでも願う気持ちがあるのなら、検察の事情聴取に応ずるとか、それどころか、「自分の総理としての対応が不十分な部分もあったかもしれない。自分が刑事罰になってもかまわないから、捜査を適正に全体に為してほしい。」という会見を開くこともありえると思います。政治というのは世の中の流れをつかむことが大切で、政治家というのは、己の身のみならず、全体を慮って動かなければなりません。原発を止めなければならない、原発を推進する政党を有利にさせたくない、そういう気持ちが本当におありになるなら、「身を捨ててこそ浮かぶも瀬もあれ」という感覚をお持ちになるべきだと僕は感じています。まあ、現実はまったく、その逆で、「やはり菅元総理は、人間として最低なんだなあ。」という印象しかありません。

 他にも、その会には、保養目的で関東からこられていた女性の弁護士さんなどもいらしていて、ご自身の身近で突然死がおきている話があったり、そういう話が周りの人からも複数聞こえてきている話などを普通に話されていました。社会的なステイタスのある立場にいる女性たちも首都圏での身の処し方(安全と思える食べ物が身近で入手できない状態や子供をふつうに砂遊びさせられない状態)を悩んでいる様子もよくわかる話でした。

 徳島の定住支援をしている皆さんからの要望もありました。徳島に移住したい皆さんがいらしたら、ぜひ来てほしいということです。特に、人材として有能な人達を是非徳島に招いて、徳島でいろんなことを活性化する流れを作ることはできないのかということをしきりに話していました。徳島は避難保養よりも、定住支援に力を注ぎたいそうで、この感覚は僕にはとてもよく理解できるものです。もはや一時避難や保養というのは、暫定的な話に過ぎず、二年半近くが経過した中で、焦点は移住して定住する話に軸は映っています。この被曝問題について、いつも先んじている徳島では、定住支援がテーマになっているのも、良くわかる話です。

 僕は率直にこう話しました。「関東や南東北の方には悪いですが、徳島にとってはチャンスです。放射能汚染が現実にある中で、それを回避して生きていきたいという人は一定数います。この中で、有為な人材で社会的に機能する人ほど、どうしてよいのか決断できずにぐずぐずしている。社会的なしがらみが強いですから、そうした人達の中で、自分が活躍していく場があるのであれば、対応しようとする人は必ずいらっしゃいます。こういう有為な人材を得ることができる機会はめったにありません。」

 汚染地で生きていくことを是とする人々の感覚は僕には良くわからないものです。僕はどうやら圧倒的多数の日本人と感覚が違うと思います。放射能汚染を引き受けていくということは、自分や自分の子孫に、平気で危険を背負わせる感覚に他なりません。僕の中には、どうしてもそれを子孫にも、もちろん自分自身にも危険を平気で背負わせる感覚があるのかは理解不能です。そうした状況がおきている場合に、その地で意識ある生物が生きていくことは本来無理であって、その地を捨て去ることしか、僕の選択肢は皆無です。これは生物としても、社会的な感覚のある人間としてもおんなじ選択です。しかし、そうした選択を取る人は圧倒的に少数です。

 汚染の存在を認識している人の中でも、それが我が身にどう降りかかることなのか、私が当事者という感覚をきちんと持っている人は本当に少数と思います。

 何か他人事の感覚で状態を見ています。本質的にリアルな当事者が自分であるという意識が欠落しています。

だから、怖いんです。

 おそらく、そうしたリアル当事者感を、何かの切っ掛けで掴めた人が、これからも避難移住に踏み切ると思います。当初に慌てて逃げた人たち以上に、ずっと悩んでいる人たちのなかほど、社会的に有能な人材がいると思います(有能だから社会的な立場から逃げられないというジレンマ)。そうした人材が、実は東京などから、西へ外へ拡散していくほうが、日本民族というものの今後の在り方を考えたうえで、少しでも多く可能性を広げられると僕は考えています。そうした意味では、徳島の定住支援の方たちが、東京を中心とした首都圏や南東北から一人でも多く有為な人材を招きたいという感覚は共鳴することがあるのです。

===================================================

【8/31(土)木下黄太×野呂美加 放射能ぶっちゃけトーク IN 京都】 

申込受付⇒http://kokucheese.com/event/index/107258/

【参加料金】 
前売り:1000円  当日 :1200円 

※当日託児はありませんのでご了承ください。
※子供連れの方は膝上の場合無料、お席の必要な方は別途お申し込みください。
※1申込につき1席の予約になります。 
 2名以上でお越しの際はお手数をかけますが個々にお申し込みください。  
※つり銭が出ないようにご協力をお願いします。 
※講演会の31日(土)当日のキャンセルは出来ません。 
キャンセルは30日(金)午後9時までにお願いいたします。 
(期日以降のキャンセル、または無断欠席の際は、後日実費をご請求いたします。) 

8月31日(土曜日)  
13:30開場 14:00開演 16:30ごろ終了 定員280名 

ひとまち交流館・京都 (京都市下京区河原町五条下ル) 
大ホール   

尚、親睦会的な2次会の案内もこのこくちーず内で行っています。人数限定。併せてお申し込みください。

 

====================================================

 

【9/1(日)名古屋木下黄太×野呂美加 放射能ぶっちゃけトーク  

詳細・申込⇒http://kokucheese.com/event/index/105356/

 

 二人のトークセッションです。またこのイベントをきっかけに 放射能防御プロジェクト中部で 

情報交換、勉強会など交流も増やしていきたく思います。 

是非御参加下さい。(前売り1000円 当日1200円) 

※託児はありませんのでご了承ください。 
子供連れの方は膝上の場合無料、お席の必要な方は別途お申し込みください。

 

 9月01日(日) 13:30開場 14:00開演

東別院会館 ホール (愛知県名古屋市中区橘2-8-45)

 

 ★当日、終了後に、まだ確定ではありませんが、放射能を懸念している、いろんな人たちが、交流できる飲食会を開催する計画があります。完全なオフ的なイベントです。これも併せてお伝えします。