俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

loopy

2010-05-07 15:27:09 | Weblog
 鳩山首相はアメリカの新聞ではloopyと形容されているそうだ。私が高校時代に使っていた20世紀の英和辞典にはこの単語は載っていない。同じ辞書の平成版には載っているから比較的新しい言葉なのだろう。
 loopは「輪、環」の意味だからニュアンスとしては「左巻き」とか「くるくるパー」に近いように思える。
 新聞が一国の総理に対して勝手にこんな評価を下したとは考えづらい。たとえ金正日総書記に対してであろうと日本の新聞はこんな言葉は使わない。アメリカの新聞がこの言葉を使うのは多分、アメリカ政府の高官(もしかしたらオバマ大統領)がこう評価したからだろう。
 同盟国(安易に使われるがこれは「日米軍事同盟」を意味するのだろうか?)にここまで酷評されては信頼の回復は不可能だ。しかもこれ程までに馬鹿にされる発端が`trust me'だったのだから最早ジョークの世界だ。
 鳩山首相は昨日も見事にloopyぶりを発揮した。「最低でも県外とは私が言っただけであり党としての公約ではない。」
 絶句せざるを得ない。首相が何度も繰り返して言ったことが公約でないのなら何が公約なのだろうか。「公約」ではなく「マニュフェスト」と言っておけば言い逃れができたのに自ら墓穴を掘ってしまったようだ。

貴族

2010-05-07 15:15:01 | Weblog
 日本人は「貴族」という言葉から公家をイメージする。血や穢れを嫌い、和歌を詠み、たまに蹴鞠に興じる平和主義者といったところだろうか。
 しかしこんな変な貴族は世界中どこを探してもいない。日本だけにしか存在しない。
 イギリスには2種類の人間がいると聞いたことがある。体が大きく知的レベルの高い人と、体が小さく知的レベルの低い人だ。前者が貴族で後者が平民だそうだ。
 貴族とは何か、騎士(ナイト)の末裔だ。王と共に戦う兵士だ。王とは覇者であり覇者の脇を固める兵士が貴族だ。優秀な兵士のみが貴族になれる。
 一方、江戸時代までの日本は平和な島国だった。そのために宗教力による国家統治という世界に類が無い社会が生まれた。その教祖こそ「天皇」に他ならない。卑弥呼の時代からずっとこのシステムが続いている。余りにも定着し過ぎているためにそんなシステムが存在しているということさえ日本人が自覚していないだけだ。