俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

逆累進性

2010-07-16 15:01:37 | Weblog
 消費税は逆累進性があると言われているが本当にそうだろうか。もし年収1,000万円の人と300万円の人がいて、どちらも300万円ずつ使ったとする。消費税負担額はどちらも15万円だ。年収に差があっても負担額は同じだから、年収1,000万円の人の税率は1.5%で年収300万円の人の税率は5%となり逆累進性だと言われている。
 こんなのは無意味な割り算だ。消費税は消費に課する税だから所得との関係で論じるのは無意味だ。
 先ほどの年収1,000万円の人が前年使わなかった700万円と合わせて翌年1,700万円使ったとする。消費税額は85万円だ。さっきの無意味な負担率を計算すれば8.5%となる。
 金は使って初めて価値を発揮する。金は必ず使われるという前提に立てば消費に課税するのは公平なことだ。
 増して今後消費税の増税が予想される。今消費すれば5%で済む消費税が、貯蓄した分は10%以上になるかも知れない。全然逆累進的でない。
 脱税が横行している所得税や法人税を増税することは正直者いじめにしかならない。それと比べたら脱税が著しく困難な消費税の増税は公平だ。なぜマスコミは消費税の公平性を評価しようとしないのだろうか。

人口と食料

2010-07-16 14:49:34 | Weblog
 1900年に17億だった人口が2009年には68億人になった。109年で丁度4倍になった。この間、地表の面積は増えていない。
 厳密には土地は拡大している。日本では八郎潟が干拓され諫早湾には河口堰が作られた。世界ではアラル海が干上がり黄河は痩せ細った。しかしそれ以上に砂漠が拡大した。
 マルサスは人口は等比級数的に増加するが農業は等差級数でしか拡大できないから必ず食料不足に陥ると指摘したが、現在では農業を等差級数的に拡大することは不可能だ。農業生産高は拡大しないという悲観的見通しに立つ必要がある。
 これ以上人口を増やさないようにするか、無闇に増え過ぎた動物(つまり人類)を食料資源として活用するかの二者択一を迫られている。
 世界を見ない日本では少子化を問題視しているが、少子化は歓迎すべきことだ。食料自給率が40%しか無い日本人がこれ以上増えることは世界の食料危機を招く。
 CO2排出量を25%減らすことよりも、日本の人口を25%減らすほうがずっと世界に貢献することになるだろう。

無限連鎖

2010-07-16 14:38:05 | Weblog
 親は子のために生きる。子は孫のために生きる。孫は曾孫のために生きる。では結局、人は誰のために生きているのだろうか?見えない子孫のために生きているだけだ。
 人は他人のために役立つと嬉しい。他人を喜ばせると自分に存在価値があると感じる。他人によってしか価値を見つけられない自分とはそもそも何なのか?
 全員が無意味な穴掘り作業をしていたらその穴掘りに貢献することは価値のあることだと信じられている。そんな穴掘りなど止めてしまったらどうだろうか。
 もし個人が社会という機械に役立つ歯車だとしたら、問われるべきなのはその社会という機械の存在意義だ。機械に意味が無いのなら歯車にも存在価値は無い。
 繋がっているという感覚が錯覚を生む。繋がっているだけで何か意味があるように思い込む。しかし意味も無く繋がっているだけだ。繋がる先が「無」であるなら繋がる意味も無い。繋がる先が無ければ自己満足に過ぎない。
 社会貢献や社会参加によって周囲から意味付けを貰うのではなく、自分で自分に意味を与えるべきではないだろうか。まやかしの価値に奉仕するよりは唯一確実な自分の意思に従うべきだろう。