俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

パラリンピック

2012-09-04 15:31:13 | Weblog
 パラリンピックの男子100m平泳ぎで日本の中村選手が銀メダルを獲得した。この種目を初めて見たが、随分不公平な競技だと呆れた。両腕の無い中村選手は頭でターンをする。他の選手は腕でターンをする。腕は頭より長いから、ターンとゴールで泳ぐべき距離に差が生じる。この不公平を解消するために、クロールで使われているクイックターンを認めるべきだろう。クイックターンなら足でターンをするから泳ぐ距離が等しくなる。
 健常者競技での平泳ぎは両腕でターンをすることがルールだ。腕が無ければ頭で、というのは余りにも安易なルール作りだろう。腕が無い人はどこを使ってターンしても良いとすべきだろう。
 身体障害の状況は一人ずつ異なるから完全に公平なルールを作ることは無理だ。それでもせめて泳ぐ距離ぐらいは対等になるようにルールを改めるべきだろう。

竹島

2012-09-04 15:15:39 | Weblog
 竹島を日本領と考える人は韓国併合以前から日本領だったことを挙げる。これは事実であっても根拠にはならない。なぜなら日本は1945年に無条件降伏をしたからだ。日本の領土は1951年9月のサンフランシスコ平和条約で決定されたのだからこれに基づいて検証されねばならない。
 平和条約では「日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」とされている。竹島については触れられていない。触れられていないから双方が領有権を主張する。
 平和条約で触れられていない理由として1951年8月10日付けのラスク国務次官補による韓国大使宛ての書簡がある。「我々の情報によれば独島は朝鮮の一部と扱われたことは一度もない」。しかしこの書簡を根拠にして「米国は日本領と認めた」と主張するのは無理だ。双方が納得して批准する条約とは違ってこれはあくまでも60年前の書簡に過ぎず、これを現在に至るまで変わらぬ米国の方針と見なすことは強引過ぎる。実際の話、現在の米国政府の「地名委員会」は竹島を大韓民国領と認定している。
 竹島の領有権は曖昧と言わざるを得ないから当事国同士が協議して解決を図るしかない。

危険予防

2012-09-04 15:04:02 | Weblog
 危険を予防しようとするのは当然のことだ。しかし危険を予防するつもりで却って危険を招くなら愚行だ。飛行機が怖いからと長距離を自動車で移動する人がいる。ところが距離当たりの死亡率は自動車のほうが10倍ほど高い。従ってこれは危険から逃れようとして却って危険なことを選んでいる。
 無農薬野菜を安全だと信じている人がいる。しかし農薬が使われなければ野菜は虫に食われ放題になってしまう。無農薬の野菜は、虫に食われないために対内に防虫成分を持たざるを得ない。つまり普通の野菜は表面に農薬が付着するが、綺麗な無農薬野菜は体内に防虫成分を持っていることが多い。
 2009年から2010年にかけてのインフルエンザ騒動では、60歳以上では、インフルエンザに罹って亡くなった人よりもワクチンの副作用で亡くなった人のほうが多かった。
 危険に対しては適切に怖がることが必要だ。過度に怖がることは却って危険を招く。ダイオキシンや紫外線や放射能などに対して怖がり過ぎているように思う。