俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

性欲障害

2012-09-14 15:29:18 | Weblog
 「性欲障害」とはどんな人だろうか。私は3種類を考える。①色情狂②異常性欲者③性欲の乏しい人。要するに過剰・異常・不足だ。
 現代の風潮では③の性欲の乏しい人を障害者と考え勝ちだが、実は「障害」からは最も遠いように思える。本人が困ってさえいなければ周囲に迷惑を掛けることも少ない。
 女の色情狂は余り迷惑ではない。相手が応じない限りその欲求は満たされないからだ。しかし男の色情狂は困る。好い女を見るとヤリたくて堪らなくなる。マイク・タイソンというボクシングの世界ヘビー級チャンピオンがいた。彼はチャンピオン在位中に婦女暴行を繰り返して人生を棒に振った。痴漢や盗撮で捕まる人も性欲障害と言えよう。彼らは自分の性欲を抑えられない。
 異常性欲はロリコンやスカトロやサド・マゾや同性愛などだ。これらは他者に迷惑を掛けない限り、趣味の問題だろう。
 結局、性欲障害と言えるのは男の色情狂だけだ。他は障害ではなく好き嫌いの話であり他者がどうこう言うべきことではない。

老化

2012-09-14 15:19:38 | Weblog
 12日に阪神タイガースの金本選手が引退を発表した。一流選手でいるためには精一杯努力し続けねばならない。努力しても及ばなくなった時には引退を迎える。これはどんな天才であろうとも避けられない。
 私は努力と能力の関係について風呂の水をイメージする。底の栓に隙間のある風呂だ。隙間が小さい内は水を注ぐほど水量は増え続ける。ところが隙間が大きくなると水量を維持するためには大量の水を注がねばならなくなる。更に隙間が大きくなれば徐々に水量が減り始める。
 肉体は老化という宿命を背負っている。努力によって老化を遅らせることはできるがいずれは老化の速度に努力が追い付かなくなる。脳も肉体の一部だから老化を免れることはできない。
 老化は20代から始まると言う。老化を痛感してから回復することは不可能だ。若い内に水量を蓄えておけば底の隙間が広がってもある程度の水量を維持できるだろう。

物語

2012-09-14 15:09:04 | Weblog
 物語なら嫌な話を拒絶できる。作家は読者や視聴者のニーズを知っているから喜ばれるストーリーにする。そのため殆んどの物語はハッピーエンドになる。
 現実はどうなるか分らない。ハッピーエンドになることは少ない。倫理的に好ましくない結果になることもある。だから現実は嫌われる。
 1941年から始まった日米戦争においては、日本が清、ロシアに続いてアメリカにも勝つという妄想にも等しい物語に酔った。負けるというシナリオよりも圧勝するというシナリオのほうが日本人には好ましかった。日米戦争は現実に基づいた戦争ではなく物語に溺れた戦争だった。
 原発の安全神話も物語だ。54基もある原発が危険とは思いたくなかった。ここでも願望が事実を抑えた。願望はしばしば事実に背く。しかし願望と事実が矛盾した時に否定されるべきものは事実ではなく願望のほうだ。現実は物語の世界とは異なる。願っていない結果になることは非常に多い。事実はしばしば不都合なものだがそれを直視せねばならない。