俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

悪人

2012-09-21 15:17:31 | Weblog
 悪人と呼ばれる人の多くは「劣人」と呼ばれるべきだろう。日本の囚人の平均知能指数は70ほどだと言われている。知能指数が低いから罪の意識が薄いのか、良い職に就けないので貧しさから犯罪に手を出すのか、事情は様々だろう。
 気を付けたいのは知能の低さと犯罪傾向は因果関係ではなく相関関係であることだ。知能の低さが必然的に犯罪に結び付く訳ではない。周囲の影響を受け易いのだから犯罪へと導かれるような悪い環境から保護する必要があるとも言えよう。
 この知能指数70の集団は人類にとって例外的存在だ。人類の大半の知能指数は100前後だ。こんな例外を根拠にして人間性について語るのは誤りだ。多くの犯罪はこんな例外者によって犯される。多くの人は善良だ。日本人の大半は、事故に会うことはあっても、犯罪の被害者にも加害者にもならずに一生を終えるだろう。

楽しい水泳

2012-09-21 15:07:58 | Weblog
 水泳は本来、楽しいものだ。涼しいし、重力から解放されるし、魚や水着の女の子が見放題だ。ところが楽しくない泳法がある。クロールだ。クロールでは水上や正面が殆んど見えないだけではなく、体を左右に捻るから水中もロクに見えない。これでは覆いを被せられた馬車馬のようなものだ。
 クロールの長所は早く泳げることだけであり最も楽しくない泳法だ。見る楽しみが失われる。私はプールではクロールで泳ぐことが多いが、珊瑚礁の海では殆んどクロールを使わない。平泳ぎかバタ足を使う。クロールを使うのは浅瀬から沖に向かう時ぐらいだ。
 楽しい水泳の王道は平泳ぎだ。呼吸もピッチも自由自在だ。顔を水没させずに泳ぐことさえ可能だ。マラソンや100m走よりもハイキングのほうが楽しいように水泳を楽しむなら平泳ぎが一番だ。

向上心

2012-09-21 14:57:14 | Weblog
 動物には自己保存欲がある。つまり「死にたくない」という本能だ。これがショーペンハウエルが言う「盲目的な生への意志」の正体だろう。
 ニーチェは「生きている者は生きることを意志しない」としてこれを否定し「力への意志」を説いた。私はこれを向上心に近いものと理解している。ただ単に生きるだけではなく、より優れた者、つまりより賢い者・より強い者になろうとすることが生きる意味だ。
 但し向上しようとする者にとっては大問題がある。それは老化だ。頭脳と肉体が衰えることは止められない。三島由紀夫氏は何かの本に「私は老化を認めない」と書いていた。それを読んだ時「無茶を言う人だ」と思ったが、その後、自衛隊に乱入して自決した。こうやって三島氏は自らの老化から免れた。
 老化することを私は認めざるを得ない。向上を志す者にとっては辛いことだが、少しでも長く現状を維持できるように最大限の努力をすることが老いつつある者にとっての「向上」だろう。