大村博士の発見に基づいて開発されたイベルメクチンは3億人を救ったと言われている。しかし、薬が世界を救う、などと早合点すべきではない。薬の本質は有害物であり、何にとっての有害物であるかによって薬と毒に分けられる。イベルメクチンは寄生虫にとっては有害物どころか猛毒だ。だから効く。敵の敵だからこそ味方になっている。
良い薬は2種類だ。寄生虫に有害な薬と病原菌に有害な薬であり、どちらも特定の生物にとっての有害物質だ。寄生虫や細菌にとっては猛毒で人間に対する有害性の少ない毒物が薬として使われている。しかしウィルスは生物ではないから殺せない。だから最もありふれたウィルス性疾患である風邪でさえ治療できない。
では病気の原因が病原体ではない時に薬はどう働くのか。人体そのものに異常反応を起こさせる。下痢止めは腸の活動を抑え、鎮痛剤は痛覚を麻痺させるだけだ。こんな対症療法薬によって不快感は軽減されるが治療効果は全く無い。
動物には自動調整機能が備わっている。その状況において最適な状態に自動的にセットされ、これはホメオスタシス(恒常性)と呼ばれている。暑ければ汗を出し、寒ければ鳥肌を立てたり震えたりする。無為自然を讃えるつもりではないが、体温や血圧などが高くなるのは、そうすることが生体にとって必要であることが多い。解熱剤や降圧剤などによって強引に下げることは大抵の場合、有害だろう。
抗癌剤は細胞を破壊する毒物だ。癌細胞も正常細胞も攻撃する。そんな毒物を使わざるを得ないのは癌が侵入者ではなく自分の細胞の変異体だからだ。癌細胞は異物ではないから癌を攻撃すれば正常細胞も傷付く。どちらが先に死ぬかの我慢比べであり癌細胞と競うチキンレースのようなものだ。共倒れを厭わない玉砕戦術なのだから、抗癌剤の毒性が強く重い副作用を伴うのは当然のことだ。
毒ではなくしかも有効な薬もあるがこれは本来の薬ではなく栄養素だ。脚気に対してビタミンB剤が有効だ。同様に様々なビタミンやミネラルの欠乏症、あるいは必須脂肪酸や必須アミノ酸の欠乏症にはサプリメントが有効だ。これらは偏食が招いた障害であり本来の病気ではない。
生活習慣病患者の多くは運動欠乏症だろう。栄養素の不足が障害をもたらすように、運動不足が肉体を錆付かせているだけだ。薬に頼るよりも適度な運動をしたほうが有効だ。これは栄養失調の患者にとって、食生活の改善のほうがサプリメントの摂取よりも有効なのと同じことだ。
良い薬は2種類だ。寄生虫に有害な薬と病原菌に有害な薬であり、どちらも特定の生物にとっての有害物質だ。寄生虫や細菌にとっては猛毒で人間に対する有害性の少ない毒物が薬として使われている。しかしウィルスは生物ではないから殺せない。だから最もありふれたウィルス性疾患である風邪でさえ治療できない。
では病気の原因が病原体ではない時に薬はどう働くのか。人体そのものに異常反応を起こさせる。下痢止めは腸の活動を抑え、鎮痛剤は痛覚を麻痺させるだけだ。こんな対症療法薬によって不快感は軽減されるが治療効果は全く無い。
動物には自動調整機能が備わっている。その状況において最適な状態に自動的にセットされ、これはホメオスタシス(恒常性)と呼ばれている。暑ければ汗を出し、寒ければ鳥肌を立てたり震えたりする。無為自然を讃えるつもりではないが、体温や血圧などが高くなるのは、そうすることが生体にとって必要であることが多い。解熱剤や降圧剤などによって強引に下げることは大抵の場合、有害だろう。
抗癌剤は細胞を破壊する毒物だ。癌細胞も正常細胞も攻撃する。そんな毒物を使わざるを得ないのは癌が侵入者ではなく自分の細胞の変異体だからだ。癌細胞は異物ではないから癌を攻撃すれば正常細胞も傷付く。どちらが先に死ぬかの我慢比べであり癌細胞と競うチキンレースのようなものだ。共倒れを厭わない玉砕戦術なのだから、抗癌剤の毒性が強く重い副作用を伴うのは当然のことだ。
毒ではなくしかも有効な薬もあるがこれは本来の薬ではなく栄養素だ。脚気に対してビタミンB剤が有効だ。同様に様々なビタミンやミネラルの欠乏症、あるいは必須脂肪酸や必須アミノ酸の欠乏症にはサプリメントが有効だ。これらは偏食が招いた障害であり本来の病気ではない。
生活習慣病患者の多くは運動欠乏症だろう。栄養素の不足が障害をもたらすように、運動不足が肉体を錆付かせているだけだ。薬に頼るよりも適度な運動をしたほうが有効だ。これは栄養失調の患者にとって、食生活の改善のほうがサプリメントの摂取よりも有効なのと同じことだ。