今では想像し難いが、かつて巨人が圧倒的に強く人気があった頃「アンチ巨人」と呼ばれる奇妙なプロ野球ファンがいた。彼らは特定のチームを応援することなく巨人が負けることだけを望んでいた。不思議なことに彼らは巨人の選手の特徴や成績にも妙に詳しかった。思うに彼らは歪んだ形の巨人ファンだったのだろう。圧倒的な人気を誇る巨人のファンであると言い出せないからアンチ巨人という仮面を被っていたのだろう。
何度か指摘したことだが、ツタヤ図書館の是非を問う住民投票は大失敗だった。反ツタヤには主に2種類の人が含まれる。図書館は公営にすべきだと考える人と図書館など不要と考える人だ。こんな人々がツタヤ図書館に反対票を入れたから否決されたが、このことから次のステップには進めない。公営の案も図書館を作らないという案も否決されるからだ。三竦みを無理やり二者択一にした住民投票では民意を把握できない。
EU離脱を決めた住民投票にも同じような欠陥があった。EU残留を支持する人々は一枚岩ではない。住民の移動の自由などに不満を持つ人は少なくなかっただろう。こういう人々、つまり部分的不支持の人々は残留が無条件に承認されたと見なされたくないから、離脱に投票したり棄権を選択したりする。こんな事情があるから英国民の意向に沿わないEU離脱が可決されてしまった。
「アラブの春」は独裁政権を倒したがその後の政権構想を欠く烏合の衆だったために却って酷い社会を招いた。独裁制の否定が招来したのは民主主義社会ではなく無政府状態だった。
TPPについてもアメリカでは妙なことになっている。アメリカ自らが主導したTPPに対して民主党のクリントン候補も共和党のトランプ候補も反対と表明している。これはTPPそのものを否定しているのではなく現在の条件がベストではないという意思表示と解すべきだろう。彼らを単純にTPP反対勢力と見なすべきではなかろう。
反自民という基準で一部の野党が野合をしているが、首長選挙ならともかく国政選挙でのこんな野合を私は全く評価しない。確かに自民党に勝つことは必要だが、民衆は選挙においてしか政治的な意思表示をできないのだからその機会を奪うべきではなかろう。
統一候補に一本化などせずに各党が自党の候補を立てた上で「反自民代表候補」に対する投票を呼び掛けるべきではないだろうか。これなら有権者が本来の支持政党か「反自民候補」かを選択できる。つまり「反自民」というスタンスに対する賛否を有権者が意思表示できる。
こんな方法は合理的ではないが、理念も政策も異なる政党の一本化はそれ以上に不合理だ。反自民としての結集など、反ツタヤと同様、その場だけの一本化に過ぎず政治的な意味を持ち得ない。
民進党は、元々「反自民」という理念しか持たない社民党のようなクズ政党と同レベルになるべきではない。政権交代を可能にする国民政党であることを理想とする民進党にとって4党による野合は自殺行為だ。民進党は今やヨーロッパでは主流である社会民主主義に立脚する政党としての立場を明確に示すべきだ。主体性を失うことによって民進党は更に弱体化することになるだろう。
何度か指摘したことだが、ツタヤ図書館の是非を問う住民投票は大失敗だった。反ツタヤには主に2種類の人が含まれる。図書館は公営にすべきだと考える人と図書館など不要と考える人だ。こんな人々がツタヤ図書館に反対票を入れたから否決されたが、このことから次のステップには進めない。公営の案も図書館を作らないという案も否決されるからだ。三竦みを無理やり二者択一にした住民投票では民意を把握できない。
EU離脱を決めた住民投票にも同じような欠陥があった。EU残留を支持する人々は一枚岩ではない。住民の移動の自由などに不満を持つ人は少なくなかっただろう。こういう人々、つまり部分的不支持の人々は残留が無条件に承認されたと見なされたくないから、離脱に投票したり棄権を選択したりする。こんな事情があるから英国民の意向に沿わないEU離脱が可決されてしまった。
「アラブの春」は独裁政権を倒したがその後の政権構想を欠く烏合の衆だったために却って酷い社会を招いた。独裁制の否定が招来したのは民主主義社会ではなく無政府状態だった。
TPPについてもアメリカでは妙なことになっている。アメリカ自らが主導したTPPに対して民主党のクリントン候補も共和党のトランプ候補も反対と表明している。これはTPPそのものを否定しているのではなく現在の条件がベストではないという意思表示と解すべきだろう。彼らを単純にTPP反対勢力と見なすべきではなかろう。
反自民という基準で一部の野党が野合をしているが、首長選挙ならともかく国政選挙でのこんな野合を私は全く評価しない。確かに自民党に勝つことは必要だが、民衆は選挙においてしか政治的な意思表示をできないのだからその機会を奪うべきではなかろう。
統一候補に一本化などせずに各党が自党の候補を立てた上で「反自民代表候補」に対する投票を呼び掛けるべきではないだろうか。これなら有権者が本来の支持政党か「反自民候補」かを選択できる。つまり「反自民」というスタンスに対する賛否を有権者が意思表示できる。
こんな方法は合理的ではないが、理念も政策も異なる政党の一本化はそれ以上に不合理だ。反自民としての結集など、反ツタヤと同様、その場だけの一本化に過ぎず政治的な意味を持ち得ない。
民進党は、元々「反自民」という理念しか持たない社民党のようなクズ政党と同レベルになるべきではない。政権交代を可能にする国民政党であることを理想とする民進党にとって4党による野合は自殺行為だ。民進党は今やヨーロッパでは主流である社会民主主義に立脚する政党としての立場を明確に示すべきだ。主体性を失うことによって民進党は更に弱体化することになるだろう。