今日から4度目の入院をする。ステントの装着という物理療法を施すためだ。これは癌細胞が塞いでいる場所に金属片を装着して強引に通路を確保する医療処置だ。あくまで通路を確保することが目的であり癌そのものは放置される。これは延命策と位置付けられているが本当に延命に繋がるかどうかは少なからず疑問だ。確かにこの処置によって飲食可能な期間が長くなりQOL(クオリティ・オブ・ライフ)は向上する。しかし無理やり抑え込まれた癌細胞が大人しく従うとは思えない。攻撃された癌は暴れると言うから増殖が加速されるかも知れない。
しかし私には最早選択肢は無い。癌細胞が肺と動脈に浸潤しているのだから手術は不可能だ。抗癌剤は全く効かず副作用だけがあった。最後の賭けの放射線治療は食道と肺の間の壁を破壊して肺炎を招いたために中止された。すっかり手詰まりだ。あとは癌との我慢比べになる。延命効果がどれくらいなのか現時点では分からない。装着した時点である程度見当が付くだろう。
随分迷った末にステントの装着を決断したのは「損切り」と同じ理屈だ。肺炎の危険を冒して放射線治療をした結果、癌細胞は少しだけ小さくなった。その後癌はジワジワと失地を取り戻しつつある。これ以上放射線治療をできないのだから適当な時点で癌と妥協せざるを得ない。
ステントは外せないギプスのようなものだ。病巣の悪化を放置して通路だけを確保する。いずれは癌が悪化して枠から溢れることになる。これは蛮族の侵入を防ぐ万里の長城のようなものであり、チェルノブイリ原発を覆うコンクリートのドームのようなものだ。飲食可能な時間を稼ぐその場凌ぎに過ぎない。
現時点では余命は1年程度だと思っている。その間できることをやるしか無い。私に可能な延命策は栄養の摂取以外に無かろう。癌で死ぬ人の大半が癌そのものではなく栄養不良により衰弱死するらしい。衰えた栄養摂取力で、癌細胞による簒奪を受けながらだから、体力は衰える一方だろうが、座して死を待つ訳には行かない。
早ければ13日にも退院できる予定だ。今回は抗癌剤を使わないから多分今よりも元気になって退院できるだろう。
しかし私には最早選択肢は無い。癌細胞が肺と動脈に浸潤しているのだから手術は不可能だ。抗癌剤は全く効かず副作用だけがあった。最後の賭けの放射線治療は食道と肺の間の壁を破壊して肺炎を招いたために中止された。すっかり手詰まりだ。あとは癌との我慢比べになる。延命効果がどれくらいなのか現時点では分からない。装着した時点である程度見当が付くだろう。
随分迷った末にステントの装着を決断したのは「損切り」と同じ理屈だ。肺炎の危険を冒して放射線治療をした結果、癌細胞は少しだけ小さくなった。その後癌はジワジワと失地を取り戻しつつある。これ以上放射線治療をできないのだから適当な時点で癌と妥協せざるを得ない。
ステントは外せないギプスのようなものだ。病巣の悪化を放置して通路だけを確保する。いずれは癌が悪化して枠から溢れることになる。これは蛮族の侵入を防ぐ万里の長城のようなものであり、チェルノブイリ原発を覆うコンクリートのドームのようなものだ。飲食可能な時間を稼ぐその場凌ぎに過ぎない。
現時点では余命は1年程度だと思っている。その間できることをやるしか無い。私に可能な延命策は栄養の摂取以外に無かろう。癌で死ぬ人の大半が癌そのものではなく栄養不良により衰弱死するらしい。衰えた栄養摂取力で、癌細胞による簒奪を受けながらだから、体力は衰える一方だろうが、座して死を待つ訳には行かない。
早ければ13日にも退院できる予定だ。今回は抗癌剤を使わないから多分今よりも元気になって退院できるだろう。